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冬山とスキーとミステリー。『疾風ロンド』東野圭吾


信州の実家に帰ったら、弟のお嫁さんに勧められた本。実名は出てこないけれど、野沢温泉村とそのスキー場がモデルらしく、「そう思って読んでみると、そんな感じ」なのだとか。確かに、ボカしてはあるけれど、ゴンドラが2本とか、ブナ林の感じとか、言われればそうなのかも。

長旅の疲れをぼーっとしながらとる間に、2時間くらいでさらっと読めるのがこの本のいいところです。ほどよい文章のリズム、現代っ子とおやじさんのスキーやスノボに関するスタンスの違い、ブナ林やスキー場を舞台に進行するライト・ミステリー。スキー場に行く途中の電車やバスの中で読むと一番おもしろいかも。

東野圭吾さんといえば、かつては毎年中国の翻訳書ベストセラーのトップで、今でも作品はだいたい上位。なので名前だけ知っていました。そこから興味を持って、中国でベストセラー上位の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を読んだり、映画『容疑者Xの献身』がよかったので原作も読んだことがあります。

この『疾風ロンド』も映画化されたので、大阪の友達と見に行きました。ヒロイン(?)の大島優子さんは名前だけしか知らなかったので、映画で初めてちゃんと見ました。もっとアイドルっぽい感じを予想していたのに、結構はまり役で、いい意味で裏切られました。阿部寛さんはもうコメディ鉄板の安定感でよかったし。

映画の撮影も野沢温泉が舞台になって、スキー場のウェブサイトではエキストラ募集なんかもしてた気がします。よくある2時間ドラマみたいに、観光宣伝っぽかったらちょっと嫌だなと思いましたが、そういう無理やりなシーンはなくて、普通の映画として撮影されていたので、そこも好感度高かったです。コメディタッチのミステリーは、やっぱり楽しくていいですね。

なかなかスキーにも行けないし、なにより旅行にもいけませんけど、映画や小説は気分だけでも白銀の世界にひたれるのがいいです。最近は、いつになくガイドブックも買っている気がします。



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