#4 全国から人が集まる町の本屋さん「正和堂書店」
企画の会社オレンジ・アンド・パートナーズでは、CROSS FMのラジオ番組「X MAGIC/クロスマジック」の中で、オレンジ社のコンセプトでもある「サプライズ&ハピネス」をテーマとしたミニコーナーをスタッフが制作・出演しています。
番組について知りたい方は「#0 カダイカイケツラジオ X MAGIC、noteはじめました」をぜひ読んでみてください。これまでの境界線をとびこえて、かけ算することでマジックは起きる!毎週土曜の夜、すこし先の未来のハピネスを考えます。
町の本屋さんに人が集まる理由
日本全国で無書店自治体が増加の一途を辿るなか、大阪・鶴見にある町の本屋さん「正和堂(せいわどう)書店」には、あるものをきっかけに全国から人が訪れているそう。読書好きなパーソナリティの宮崎さんも「ずっと行ってみたかった!」とのこと。
そのあるものとは……ブックカバーと栞。
アイスキャンディーやメロンソーダ、ポップコーンなど、いわゆる書店でもらえるブックカバーと聞いて想像するものとは一線を画した、とてもポップで思わず手に取りたくなるデザインが特徴です。ひとつひとつワクワクするこだわりがあり、軽部さんも「これは集めたくなるね!」とおっしゃっていました。
読書を楽しむきっかけに
店主の小西康裕さんによると、2017年ごろから「読書を楽しむきっかけを提供したい」という想いでスタートし、これまで全70種類ほど制作しているそう。町を歩いているときに見つけたモチーフをもとにデザインし、ご家族に相談。「いや、それはないんちゃう?」など、意見を聞きながらちょっとずつ選定されているといいます。
毎月登場している新作はもちろん、夏はアイスキャンディー、受験シーズンは富士山……と、季節に合わせて人気の柄が変わるのだとか。本の内容と組み合わせてもよし、季節に合わせてもよし、いろんな楽しみ方ができますね! 異業種とのコラボレーションも積極的に実施されていて、読書体験に興味を持ってもらえるタッチポイントを増やしていきたいとおっしゃっていました。
全国の書店と手を取り合って
さらに、2021年のクラウドファンディングを皮切りに、全国の書店でも不定期でこのブックカバーと栞を配布しています。「もともとブックカバーをつくったのは、自分たちのマーケティングというより、読書を推進したいという想いがあった。書店は扱っている商材がどこも一緒なので、協力し合える相互関係が持てると業界がいい方向に進んでいくんじゃないかなと思った」とのこと。競合ともいえる同業者と手を取り合い、業界を盛り上げようと取り組みを続けられています。
ひとつの書店の想いがサプライズなデザインのブックカバーにのって伝わり、人の心を動かし、全国の書店に幸せな輪が広がっていった……まさに、サプライズ&ハピネスな企画。採算度外視なデザインからもわかる「読書を楽しんでほしい!」という純粋な想いがあったからこそ、この企画は人の心を動かし、カダイカイケツの一歩となったのではないでしょうか。
収録後記
デザインもさることながら、何より興味深く感じたのは、やはり全国の書店と手を取り合っていること。その根底にあったのが「読書を楽しんでほしい」という想いだったと聞き、この取り組みが広がったのは、ただデザインがキャッチーだからではない。切実な想いが起点なっているからなんだと、改めて企画者にとって大切なことを学んだ気がしました。
本にカバーをかける文化は、日本特有という話を聞いたことがあります。そして、衣装を着せる楽しみ方ができるのは、紙の本だからこそ。読書が好きな方はもちろん、ブックカバーが気になる!という方も、ぜひ「正和堂書店」へ足を運んでみてください。
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