小碓(おうす)

平成初期生まれ。話題は雑多です。

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最近の記事

長かった

2年待った。 3回目の挑戦で、ようやく昇格試験に合格した。 決して、一部の幹部候補を選ぶ類の試験ではない。合格率は50%未満だけど、あくまで登竜門的な試験なのだ。 2回目の不合格通知をもらってから1年待った。 この1年は、私にとってあまりに長かった。 1年中、私の中には怒りと不満があった。 普段は平静を装っているけれど、すぐに着火した。私が落ちた試験に受かっているくせに、ポンコツな仕事ぶりをする人間には厳しく当たってしまった。職位に値しない仕事ぶりに、呪詛を吐き続けてい

    • 傷つけたくないけど、傷つきたくもない

      私は日頃から政治や社会に対して色々と意見を言っているけれど、ジェンダーとセクシュアリティにかかわる諸問題、特に性被害に関係する問題については、コメントを避けてきた。この問題は誰もがポジショントークになって客観的な意見をするのが難しいし、同じ内容の意見でも、誰が発言するかによって意味や受け取られ方が大きく変わってしまうからだ。 コメントするにも、たくさんの注釈やことわりを入れることになるし、最大限気を遣ったつもりでも、だれかを無意識に傷つけてしまうかもしれない。コメントしたくて

      • 日本に救世主なんていない

        私は政治学徒だった。中学生のころから国政選挙の動向に興味があり、大学の卒業論文も政治学で執筆した。人一倍、政治に興味のある人間だったはずだ。 でも、テレビの向こうで行われている政治は、どこかで自分とは遠いところで行われているものだと思っていた。 衆院選や参院選といった国政選挙は、ニュースを見ていれば大きな政党の動向はわかるので、結果の想像もつくし、政党を見て投票すればいいので、まだわかりやすい。遠いところに向かって人気投票をするような感覚かもしれない。 ただ、いざ選挙に

        • 働き盛り

          1月に急な異動をした。今働いている組織の異動はほとんどの場合4月なのだが、たまに例外がある。転職前の会社では隣のチームに移る程度の異動しかしたことがなかったので、周りが知らない人だらけの異動は初めてだ。ようやく少しずつ慣れては来たけれど、まだまだ分からないことだらけの中で奮闘する毎日である。明日から新年度で周りはかなり人が入れ替わる。楽しみと不安が交錯している。 こんどの部署は一般には栄転と言われるところで、繁閑の差はあれど総合的には激務部署である。前の部署のボスも大変喜ば

          友達が読書の感想をツイートしていた。その感想に出てきた登場人物があまりに自分の境遇と酷似していて「オレのことを言っているのか!!?」と思わずにはいられなかった。本当は他のテーマで文章を書いていたのだけれど、思考が止まらないので、先にこちらを書こうと思う。 子どものころの自分にとって、母は自分の語彙と論理が通じる唯一の相手だった。母はあまり「子ども向けの言葉遣い」をせず、大人に話すのと同じような語彙で私に話しかけた。本来の対象年齢よりも高い本をよく読んでいたこともあり、私自身

          ロマンティック・ラブ・イデオロギーがつらい人

          レンタルなんもしない人が好きで、ツイートをよく見ている。人間性を超越した「レンタルなんもしない人」というサービスと、ツイートに垣間見える人間性のギャップ、そして知性を感じるのが好きだ。そのレンタルさんの依頼報告ツイートのなかに、ロマンティック・ラブ・イデオロギーについてのものがあった。 大学生のときにその言葉を聞いた覚えがあったのだが、そのときは内容がぴんとこなかったのだろう、中身は覚えていなかった。だが今回あらためてその内容を知り、体に稲妻が走ったような感覚をおぼえた。私

          ロマンティック・ラブ・イデオロギーがつらい人

          縦割り110番がなぜだめなのか

          河野太郎行政改革担当大臣が早速フルスロットルで活躍している。就任直後に自身のwebページに創設した「縦割り110番」が大きな反響を呼んでいる。さすがのスピード感だが、これは内閣の一員としてやってはいけない禁じ手であることを、示しておこうと思う。 これがだめな理由は、行政活動に私金を投入してはいけないからである。法的には問題ないのだろうが、これは倫理的に問題がある。 私金投入がなぜいけないのかこの事業、自民党議員河野太郎がやるのであれば、全く問題ない。むしろ、国民の声を直に

          縦割り110番がなぜだめなのか

          私は安倍首相に辞めてほしくなかったのかもしれない

          とつぜんの安倍首相の辞任表明に、たいそう驚いた。 私は安倍政権が発足してから、ずっと政権に批判的な主張をしてきた。1つひとつの政策に目を向けてみれば、評価できるものとそうでないものと両方ある。しかし、質問に答えず議論を成立させない、憲法をないがしろにする、仲間とばかりつるんで自分に批判的な相手に目を向けようとしない、といったやり方は、総理大臣にふさわしくないと考え、批判してきたつもりだ。 7年半のあいだ、政権が倒れるような問題も1つや2つではなかったと思っている。しかしそ

          私は安倍首相に辞めてほしくなかったのかもしれない

          嫉妬の炎

          いつからだろう、「すごい人」が出ているコンテンツを観るのが苦手になった。ハモネプ・東大王あたりがそうだ。観れば面白いし、すごいとも思うのに、なんだか積極的に見ようと思わない。つまらないと言うつもりも、ましてコンテンツや出演者を否定するつもりもまったくない。あくまでも私の側の問題なのだ。 子どものころ、そういった「すごい人」はあくまでも遠い存在だった。世の中にはこんな人もいるんだ、すごい、という純粋な気持ち。外野からコンテンツとして楽しめる私がいた。出来の悪さを馬鹿にするよう

          結果が見えている選挙でやること~清き一票を最大限活かすために~

          こんばんは、自称選挙マニアのをうすです。 都知事選、盛り上がっているのでしょうか。報道各社の情勢報道では、どこも現職が優勢とでています。報道では様々な批判も出ていますが、現状はこのとおりです。あの人がベストとは思わないけれど、他に投票する人がいない、という感想をお持ちの方も少なくないのではないかと思います。 今回の選挙は、1年前の参議院選挙(東京選挙区)とは大きく違います。前回は6人が当選しましたが、今回は1人だけ。そうすると、当然死票が多くなります。 *死票=落選した候

          結果が見えている選挙でやること~清き一票を最大限活かすために~

          素敵じゃない選Taxi

          RTで流れてきたこのツイートを読んだ。 この中で大学1年生から見る若者像として選択したくないという言葉を使っており、とても驚いた。干支が1周もしないあいだに、こんなにも感覚が変わったのかと思った。 少なくとも、今のアラサー世代が自分たちのことを選択したくないと評することはないだろう。少なくとも私には、私たちは選択したい世代のように思えた。学生の頃には100色以上から選ぶ携帯電話が流行ったし(もちろんガラケーだ)、テレビに加えてYouTube、Amazon Prime Vi

          素敵じゃない選Taxi

          最近読んだ本のまとめ #1

          去年の秋頃から通勤の電車で読書をしています。気づいたら半年以上続いているので、読んだ本の感想などを少しずつ書いていこうと思います(基本的にKindleで読んでいます)。ジャンルは雑多です。 十二国記(小野不由美)今回の読書再開の大きなきっかけは、十二国記の新刊が出ることでした。新刊のために全部読み直した…。あと、前編2巻を読み終わってから後編2巻が発売されるまでの数週間が死ぬほど辛かった。 最新作の『白銀の墟 玄の月』も充分面白かったんだけど、通して読むとピークは『風の万

          最近読んだ本のまとめ #1

          「家族」

          世の中が荒んだ状態になると、家族っていいなと思うようになる。社会の危機になると、人は心の拠り所が欲しくなるのだろう。私も家族という心の拠り所がほしいと思う。 今は心が不安定だし、時間はあるものだから、考え事がぐるぐると巡ってしまう。少しでも供養するつもりで書く。 私は家族というものへの思いや価値観をかなりこじらせているし、家族が「正常な」状態にはない。だから職場の雑談にありがちな家族ネタが苦手だし嫌いだ。GWや年末年始に実家に帰省しないと言えば親不孝扱いされる。当たり障り

          メンズ服で「減点されない」ポイントをまとめてみた

          男性のファッションは難しい(女性のファッションのことはわからないけど)。 付き合っていた人に「私服がダサい」と言われてから苦節10年、今ではおしゃれと言われるようになり、服を着るのも選ぶのも好きになりました。 ただ、世の中には、服に興味がない、もしくは興味があってもどうすればよいのかわかっていない男性がたくさんおられると思います。 ファッション誌を読んでも載っているのは高くて個性的な服ばかりで、とても参考にならない。そんな気持ち、わかります。おしゃれとまでは言わなくても

          メンズ服で「減点されない」ポイントをまとめてみた

          誰かのせいにするのは、もうやめよう

          4月1日付でマネージャー職が全員入替になった。3月25日夜の都知事会見以降、すぐに対応しなければならなかったことを先延ばしにし続けた前のマネージャーは、何もしないまま他部署に異動していった。後任が敏腕な人であったので2日半でことは片付いたが、普通の人なら卒倒していたのではないか。かのマネージャーがぐずぐずしていたのは、責任を取りたくなかったからだと思う。この1年の行動原理はずっとそうだった。責任を取りたくない、失敗を押し付けられたくない。…その結果まわりの信用を失い、時間ばか

          誰かのせいにするのは、もうやめよう

          華の新人

          管理職の異動が決まった。昨年の4月に異動してきたばかりだったので、今年はないと思っていたが、1年の短い付き合いだった。 年度末には、次年度の昇給の通知が渡される。わざわざ管理職の部屋まで呼ばれて渡されたので「緊急対応でどこかに出動させられるのか?」と勘ぐったが、管理職は最後に私に話をしたかったらしい。 話の内容は私の態度・言動面に対する指摘だった。 ・相手の話を最後まで聞かずに、内容を理解した時点で相手を遮って話し出してしまう。 ・早口で相手をまくしたてるように話す。