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【2019年アメリカで一番売れた本】と、私たち【女】の凶暴性について。

久しぶりに「これは」という本に出会った。過去に紹介した「最初の悪い男」以来の衝撃だ。

700万部もの売り上げを突破し、2019年アメリカで1番売れた本となった、ディーリア・オーエンズの【ザリガニの鳴くところ】だ。(原題はWhere the Crawdads Sing。)その後も記録を更新し続けており、文字通りの大、大、大ベストセラーだと言えるだろう。

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ディーリア・オーエンズは、動物行動学の博士号を取得した野生動物学者でもある。プロとしての知識に裏付けられた物語の舞台(湿地)の豊かで細やかな描写には本当に引き込まれた。植物、鳥、貝、空や雲、まるで実際にそこに立って、その湿度を感じられるかのような、落ちてくる木の葉に頬を撫でられるような、全てのものが匂い立つような描写。

でもそれ以上にすごかったのは、主人公カイアの心理描写である。幼少期から老年期に至るまで、1人の女性の内情が本当に鮮やかに、生々しく、時に痛々しいほどに描かれている。

一体どんな人が書いたんだと途中で著者近影を二度見してしまったが、この著者、なんと御年70歳というのだから驚きだ。しかも小説を書くのは初めて。

なるべく多くの人にこの本の感動を味わって欲しいから、ここでは内容について細くは触れない。これを読んだ人のコメントを載せておくにとどめる。

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多分この本は、女性でないと本当の意味で理解できないんじゃないかと思う。(私の偏見だろうか) だから個人的には女性に読んでもらいたいと思った。

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