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タイ人のニューハーフに出会った友達の話

私は「文章を書く」と言うなんの捻りもないそのままの意味が書かれた名前のゼミに入っているのだが、授業の初回に自由作文の課題があった。

何か面白い話を書こうと思い友人から聞いたとても人前では言えない下品な話を書いた。拙いながらも初めて文を書いた達成感で満足していた私だったが、次の週に自分の作品を発表する旨が伝えられ私は天を仰いだ。

私のこの駄文に時間を咲いてくれれば恥をかき頭を抱えていたあの頃の私も報われるだろう。

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深夜のナイトクラブ、馴染みのそこはその日だけは少し違うようだった。 止め処無く人で賑わい、天神祭にも引けを取らないほどの賑わいも、今日は閑散としていた。 
しかし、そのような差異なんて眼にも入らないほど卓抜した存在に眼が吸い寄せられた。 


美人だった。 周りと一線を画すほどの美人だった。
普通はこれだけ麗しげな女を見かけたら、傾国傾城の美女だとか、座れば牡丹だとか、教科書に載るような文豪が使う、お堅くしかし耳心地のいい言葉で表現するのが書き物だとは思うのだが、そんなちゃちな言葉で表せないほどの衝撃を受けた。 とゆうかその前に、足が向かっていた。

 
話をするとどうやら日本人ではなく、タイ人のようらしい。
国民性からくるものだろうか、男を立てるのが上手く、何より気概のある女だった。初めの印象はそんな感じ。こんな彼自身を慕ってくれるいい女だなと。
だから距離を縮めるのにそう時間はかからなかった。


 そして出会いから数日後、彼はその女から告白された。
嬉しかった。しかし、彼はその女のことは異性としての「好き」 ではなかった。俗に言う友達として「好き」という類いのものであった。
 彼は悩んだ、これでもかと言うほど悩んだ、友達が自転車で事故を起こし、睾丸が一つ飛んでいったときに、拾うか拾わないかで迷った中二の春以来の長考であった。


三日三晩の思慮の末、彼は性欲に従うことにした。 
理性が欲望に負けた瞬間であった。
忘れもしない十一月の下旬、古びたアパートの一室
その女は体を求めたがった。
「make love tonight」女はそう言った。
元より欲望に負けた身、彼は了承した。
ここまでは良かった。しかし、女は次にこう言った。
 
  

「but I have a dick」 


彼は戦慄した。本能的に命の危機さえ感じた。 
dickは日本語で言う男性器だ。
 実はその女は男だった。
 その晩、彼は女にされた

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