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エッセイ風

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#ショートエッセイ

20秒テレビに出た話

20秒テレビに出た話

タイトルは中学校の修学旅行の話。

他の中学は分からないが、私が通っていた中学は(なぜか)親にとったアンケートで上位になった地域から先生が総合的に判断して選ぶというシステムとなっていた。
なので、一つ上の学年は長野に行っていたし一つ下は東京とディズニーに行っていた。

当の私たちの代はというと"南九州"というざっくりした行き先であった。
プランはざっくり1日目は宮崎に行ってファームステイで一般のお

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昼飲み

コロナが少なくなった隙に友人と休みを合わせて飲みに行くことが数回あった。

その中であった話をしたいと思う。

その日は大学の同級生と土曜の昼から昼飲みをした。
土曜の休みなんて超久しぶりだったので、午前中に家にいることからなんだかソワソワしてしまう。

待ち合わせは12時に駅で。
私の地元に近いところで彼が就職したので、待ち合わせも必然的に私が幼少期から慣れ親しんだ地元となる。

大学の同級生と

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ずっと食う

普通しか停まらない駅の電車を待つ間の話をしよう。

この日は帰りに乗ろうとした電車が目の前で行ってしまい、12分次の電車を椅子に座ってぼーっと待ちぼうけていた。

ルーティンのようにイヤホンをリュックから取り出して、1日仕事を頑張った自分にどのアーティストの曲を聴こうかという贅沢な悩みの時間が訪れる。
両耳が「ご褒美をくれ!」といわんばかりに音楽を欲している。

すると、2つ席を空けて男性が1人座

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半袖の強者

辺りを見渡すといつの間にか人々の服装が段々と分厚くなる季節になってきた。
信号待ち1つでも、なんだか待ってる時間が億劫になる寒さとなってきてしまった。

日本列島が「寒気」という日本人が好まない魔法に包まれたある日。
仕事に向かう道中で信号という信号に引っかかってしまい、長袖に上着を羽織っていても寒さを感じるいや〜な1分半が駅に着くまで3回あった。

こういう時、私は決まって同じく信号に引っかかっ

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スリル

スリル

この1週間で急に冷え込み、すっかり秋が顔を出してきた。いや、むしろ遅いくらいかもしれないが。

お昼ごはんも温かいものを欲して食べたくなる。
体は正直だ。

今日は麺ものが食べたい気分だったので、カレーうどんを食べることにした。とはいえ、お店ではなくスーパーのやつだけど。

カレーうどんとおにぎり2個にだし巻きが3切れ入ったお弁当的なものを購入し休憩室に向かう。

ちょっと待てよ…
気づいたのは買

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儚い

昨日、BSで録画していたドキュメント72時間を見た。

地上波で見そびれたのでBSで録画した。
こういう時のBS1のありがたさたるや。

いつもなんとなく第三者の感じでドキュメンタリーを見るが、なぜか登場する人や出来事を考えながら見ているといつの間にか感情移入してしまう。

「真夏の大阪〜かき氷のメモリーズ〜」という回だった。

大阪・枚方にあるここの氷を目当てに遠方からやってくるお客さんも多いら

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ローランドを朗読

先日、用事で出かけた際についでに書店に立ち寄った。

書店に寄って、なにも考えずに気になった表紙や題名で思わず手に取るいわゆる”ジャケ買い”をするのが好きだ。

この日も気になった本を2冊購入した。
と同時に、書店の中では立ち読みしている人や熱心に店員に本のことを語っている人、気になった本を訪ねる人など十人十色の光景が広がっている。それを見るのもまた好きだ。

平日の朝から大きなスーツケースを持っ

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杞憂

杞憂

私は元来心配性である。
それもなかなかの。

例えば、電車に乗ってから家のカギを閉めたかどうか?とか、きちんと必要な持ち物を本当に全部カバンの中に入れたかどうか?とか仕事を終えて帰ってからきちんとTo Do リストに挙げたことを全部やり終えていただろうか?etc...

つまり挙げるとキリがないのである。

だけど、大体その心配は杞憂に終わる。

「杞憂」
私にピッタリの熟語ではないか。

いつも

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