ローランドを朗読

先日、用事で出かけた際についでに書店に立ち寄った。

書店に寄って、なにも考えずに気になった表紙や題名で思わず手に取るいわゆる”ジャケ買い”をするのが好きだ。

この日も気になった本を2冊購入した。
と同時に、書店の中では立ち読みしている人や熱心に店員に本のことを語っている人、気になった本を訪ねる人など十人十色の光景が広がっている。それを見るのもまた好きだ。

平日の朝から大きなスーツケースを持ったカップルがいた。旅行からの帰りだろうか。それとも今から行くのだろうか。

彼女が有名人のエッセイを見つけてはその人のおなじみのセリフ的なやつを彼氏にうれしそうに連呼している。

青い髪の彼女がグレーの髪の彼氏にセリフ的なやつを語りかけるたびに彼も満面の笑みでそれに呼応する。たまたま見たこちらが思わず微笑ましくなるような光景だった。

ローランドの「俺か、俺以外か」を聞いたとき以外は。

青い髪の彼女は「このセリフなんか奥が深くてカッコいいよね〜」と彼に言う。
それを聞いた彼はなんだか腑に落ちていない様子だった。少し不機嫌そうにも見えた。

たぶん大丈夫だろうけど、それきっかけでケンカしてないといいなあ。と勝手に心配をしてしまう独り身の自分であった。



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