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【向日葵は枯れていない!】8.ギラヴァンツ北九州ミニレビュー~第9節 vs FC琉球

今シーズン(リーグ戦での)ホーム初勝利、おめでとうございます!
5連戦の2戦目で白星がついてきたというのは、チームにも大きな自信になりますし、順位が少々上がりますので今後多少余裕を持って戦えるという点でも大きな意義があります。
惜しまれるのはMF(7)平原隆暉のゴールがO・Gに訂正されたことですが、今後の試合で正真正銘のJ初ゴールを決めてもらいましょう。

1.試合結果&スタートメンバー

J3第9節 北九州-琉球 メンバー

今回は筆者の時間の都合により、章立てもデータの紹介等も行わず雑感を述べていきたいと思います。

水曜日ということで、お互いにメンバーの入れ替えもありましたが、北九州については決勝点をマークしたCB(4)長谷川光基、RSB(22)山脇樺織、OFM(8)若谷拓海、交代出場の(7)平原らも含めて好感を持てるパフォーマンスであったと思います。

(23)坂本翔の負傷離脱によりRSBが心配されましたが、(22)山脇は自ら相手を剥がしクロスを上げるところもまで完結出来ていましたし、内レーンへしっかりパスを差し込むことも出来ていました。

琉球のボール運びが中盤省略のロングボールであっても、最終ラインからビルドアップで繋いできても最終的には前線の(7)白井陽斗、(10)富所悠に集めてきますので、的を絞りやすい面はあったと思いますが(4)長谷川と(13)工藤孝太が挟み込むことで(7)白井に決定的な仕事をさせていませんでした。
ここまで8得点をマークしている琉球の攻撃力を完封した守備の安定感は特筆に値します。

(8)若谷も前線3人とのワンタッチによるリズム感があるパス交換から、味方の突破を生み出していました。(29)高昇辰や(15)小林里駆とはまた異なる個性をアピールしてくれたと思います。この試合で多くのCKを獲れたのは(8)若谷が入ったことで素早い前線への配球が可能になったからだと考えます。

こうして、これまで出場機会が少なかったメンバーがそれぞれの役割をその個性を活かしながら全うしていた北九州でしたが、チームとしてのコンセプトである前からのプレスもよく行えていたと思います。
特に後半は琉球のミスを誘発する時間帯がありました。欲を言えばこうした時間帯に追加点をきっちり奪えるようになれば、もっとこのチームは上に行けそうです。

全体的にはこの試合も、これまでの北九州の傾向どおり、RSH(21)牛之濱拓を中心に相手陣内に向かって左側への進入が多かったと思うのですが、CF(10)永井龍や(21)牛之濱らがこれまでの試合よりも中央~右に意識を寄せていた点が印象に残りました。やはり、これは得点能力が高い彼らをよりフィニッシュワークに絡ませる意図があったものと考えます。(8)若谷が(10)永井や(21)牛之濱を中央に引っ張ろうとした動きも意図的なものであったと思いました。

フィニッシュワークに「変化」をつける工夫がこの試合ではみてとれた訳ですが、それは流れの中だけではなくセットプレーでも現れていました。先制点の場面、(4)長谷川がファーでフリーになれましたが、それまでのCKでは比較的ニアにいたと思います。本人のコメントによると(10)永井との相談でファーに変えたらしいですが、ゲーム中にピッチ内を観察しながら「変化」をつけていった。増本北九州がまた一歩前進したと感じさせてくれるゴールでした。

一方琉球は入れ替えたメンバーがなかなか機能していないという印象でした。3-1-4-2(3-3-2-2)という特殊なシステムを用いている影響はあったかもしれません。特に北九州の左サイドを押さえることが出来ず、後半から(17)増谷幸祐や(19)高安孝幸を投入していました。

61分琉球のCKに繋がったピンチは、琉球のアンカー(6)岡澤昂星が北九州最終ライン、2CHのライン間でボールを受け動かしたところが起点となっており、北九州はこの(6)岡澤の動きに少々手を妬き始めていました。そこで北九州は62分に(7)平原を投入、前線でプレスをかける流れから(6)岡澤へのパスコースを上手く消し、その自由を上手く制限出来ていたと思いました。
一方で琉球はRSH(55)幸喜祐心に代えて(39)庵原篤人を投入。プレスの強度を高めます。
この時間帯のベンチワークは増本監督と金監督の師弟対決を感じさせるもので見応えがありました。
この(39)庵原の圧力が効いていたのか北九州はGKに戻すバックパスが徐々に増えてきます。そしてそこを狙われてPK献上という流れです。
この後半の攻防で、先に追加点を奪うのかどうかという勝負に勝っていくことが今後の北九州の新たな課題になっていくのかもしれません。

映像でみる限りはGK(27)田中悠也の足は掛かっていなかったように見えたのですが、裏を返せばあの形でしか(7)白井もチャンスをつくれなかったということなのでしょう。

(7)白井や(17)増谷をみますと少々岡山目線が入ってしまうのですが、特に今シーズンの(7)白井に関しては、そのチームの背負いぶりに驚きをおぼえています。筆者が岡山在籍時に気づいていなかっただけかもしれませんが、とても好感を持てる選手になったと思っています。
(27)田中の気迫と(7)白井の責任感がより慎重にコースを狙わせた。
その分外れたのではないかと推測しています。

次節は讃岐ですか。
皆さまご存知かと思いますが、米山監督就任後は守備の再構築を行い1-0で勝ち切れるチームをつくりあげてきました。
岡山では民放放送エリアの関係で讃岐の情報は比較的よく入ってきます。
今シーズンはまだ未勝利ですが、個人的には試合内容は悪くないと感じています。
北九州としては、まずは「やらさない」ことからリズムをつくり、攻撃面は「変化」を織り交ぜながらじっくり攻めていきたいですね。

今回もお読みいただきありがとうございました!

※敬称略

【自己紹介】
雉球応援人(きじたまおうえんびと)
岡山のサッカー好き社会保険労務士
日常に追われる日々を送っている。

JFL時代2008シーズンからのファジアーノ岡山サポ。
得点で喜び、失点で悲しむ、単純明快なサポーターであったが、ある日「ボランチが落ちてくる」の意味が分からなかったことをきっかけに戦術に興味を持ちだす。

2018シーズン後半戦の得点力不足は自身にとっても「修行」であったが、この頃の観戦経験が現在のサッカー観に繋がっている。
レビュアー3年目に突入。今年こそ歓喜の場を描きたい。

北九州大学(現:北九州市立大学)法学部出身
北九州は第二の故郷ということもあり、今シーズンからギラヴァンツ北九州もミニレビュー作成という形で追いかける。

鉄道旅(独り乗り鉄)をこよなく愛する叙情派。

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