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【向日葵は枯れていない!】3.ギラヴァンツ北九州ミニレビュー~第4節アスルクラロ沼津

3月2日第2節以来のミニレビューです。
この間、皆さまご存知のように聖地ミクスタでルヴァン杯1回戦を勝利、チームは今季公式戦初勝利を飾りました。相手はJ2大分でしたが、TMでも結果を残していた相手という点は大きかったでしょうか。
当日は情報遮断して深夜に映像をチェックしましたが、乾貴哉のクロスが上がった時には思わず渡邉飛び込め!と声を上げてしまいました。

この劇的な、歴史的な1勝から間が空いたことを歓迎とみるべきか、流れが繋がらないとみるべきか筆者には少々迷いもありましたが、延長まで戦ったダメージ、選手層、更なる戦術浸透の必要性を踏まえると、やはり間は空いて良かったのではとの気持ちに傾くのでした。

それでは2週間ぶりのリーグ戦を振り返ります。

1.試合結果&スタートメンバー

J3第4節 沼津-北九州 メンバー

残念ながら今シーズンリーグ戦初勝利はお預けとなりました。
この試合から連戦となる影響もあったのか、FW(10)永井龍はベンチ外となりました。(10)永井の不在により、現状北九州の攻撃戦術は大きく変わってくると思います。

そこでまず知りたかったのがこの試合全体のゲームプランです。

2.ゲームプランは妥当であったか?

増本監督のコメントを拡大解釈しますと、攻撃戦術未完の北九州にとって、3試合7得点の沼津を相手にする場合、現状で計算が立っている守備でしっかり持ちこたえワンチャンスに懸ける、このようなゲームプランであったと思います。

一方でそのコメントからは「沼津の圧」を受けてしまったような雰囲気も漂っていました。

筆者としてはおそらくここは前半を指しているのかなと捉えました。
サブメンバーに攻撃に違いをつくれる選手が多くいたことを踏まえても、前半を受けて立つという点はある程度チームとしては容認していたようには思うのです。
しかし、それにしても前半の攻撃のアクションが少なすぎたかなとも思います。

攻撃時に3バックとなりRSB(3)安在達弥が一列前に上がる沼津の可変システムはゴール前中央をコンパクトに守る北九州最終ラインの脇を上手く使っていました。

しかし、システムの細かい嚙み合わせというよりは、北九州がどの段階で相手ボールを規制するのか?、どこで相手ボールを奪うのか?、そしてマイボールをどのように運ぶのか?

結論から述べますと、具体的なゲームプランはあったが、選手が徹底できなかったゲームに見えたという感想が残りました。

具体的に触れてみたいと思います。

まず相手ボールの規制に関してです。
この日の1トップ2シャドー(9)平山駿、(17)岡野凛平、(21)牛之濱拓の沼津最終ラインに対するプレスに少々物足りなさを感じました。
相手中盤へのパスコースを消す意識は伝わってくるのですが、相手最終ラインと同数3枚でプレスにいく割には強度、相手DFとの距離感共に不十分であったように見えました。
12分に沼津GK(50)渡辺健太を規制、サイドに蹴らせて空中戦に強いLSB(33)乾に回収させるという形はもっとつくっても良かったと思います。

そして2点目は(9)平山の攻撃時の役割です。前半は前線に張りついている場面が多く、(10)永井と同じような裏抜けやポストプレーを求められているのかと思いましたが、いわゆる動き出しが十分には見えないので、後方からのボールを引き出せていなかったと思います。
とはいえ、前述しましたように前線からのプレスを3枚で行う約束であったのなら、中央のポジションは維持しなければならず、この攻守のバランスという点で(9)平山のプレーが曖昧になってしまった印象を受けました。

ボールを引き出すという点については後半途中出場の(29)高昇辰の方がよく出来ていたと思います。これは(18)渡邉颯人を入れて前線のターゲットが増やした好影響もあったと思います。

(9)平山の話に戻しますと、後半からサイドに流れて起点をつくった動きは良かったと思います。元々のゲームプランであったのか、ハーフタイムで修正したのか、そこは分かりませんが、試合の流れの中でこうした修正がチームとして出来るようになれば、試合全体での攻撃時間を増やすことも出来るのかなと思いました。

この点はこの先のチームの成長に期待したいです。

攻撃に関しては(7)平原隆暉が最終ラインに下りて受け、両SBが上がる形のビルドアップは、この試合では有効打にはなりませんでしたが、前述のサイドに起点をつくる動きを合わせれば、面白い攻撃になりそうという予感は受けました。

失点シーンはCB(50)杉山耕二を引き出した沼津の攻撃が、直前の選手交代も含めて見事であったと思います。しかし、(11)喜山康平が失点直後すぐに味方を鼓舞していましたね。

今の北九州は特に攻撃面でエラーを繰り返しながらも前に進んでいく時期であると思います。もっとチャレンジの回数を増やしてほしいところですし、その積極性が勝点3への近道のような気もします。

連戦ですが次はホームです!今シーズン、リーグ戦初勝利に期待しています。

お読みいただきありがとうございました。

※敬称略

【自己紹介】
雉球応援人(きじたまおうえんびと)
岡山のサッカー好き社会保険労務士
日常に追われる日々を送っている。

JFL時代2008シーズンからのファジアーノ岡山サポ。
得点で喜び、失点で悲しむ、単純明快なサポーターであったが、ある日「ボランチが落ちてくる」の意味が分からなかったことをきっかけに戦術に興味を持ちだす。

2018シーズン後半戦の得点力不足は自身にとっても「修行」であったが、この頃の観戦経験が現在のサッカー観に繋がっている。
レビュアー3年目に突入。今年こそ歓喜の場を描きたい。

北九州大学(現:北九州市立大学)法学部出身
北九州は第二の故郷ということもあり、今シーズンからギラヴァンツ北九州もミニレビュー作成という形で追いかける。

鉄道旅(独り乗り鉄)をこよなく愛する叙情派。

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