行動経済学がちょっと気になる人に:池上彰の行動経済学入門
松竹梅の意味を知らずにうなぎ屋いった時のはなし
金持ちの友達のお父さんに「好きなものを頼んでいいよ」って言われて遠慮したつもりで松を選びました。あのときはごめんね。
本当にすみません。
松竹梅とかピンキリとか、どっちが上でどっちが下か分からない時ってありますよね。
うなぎ屋のときは値段書いてなくてわかんなかったんです。わざとじゃありません。
いっそのこと特上、上、ゴミ、とかにしてくれたらいいのに。
私が常識ないだけです。
「池上彰の行動経済学入門」を紹介します
本書はかの有名な池上彰さんが執筆された、行動経済学の入門書です。
経済学でも難しいそうなのに、行動経済学とか言われたらもう近寄りたくない!という人も多いと思います。私もそうでした。
しかし、本書はそんなアレルギー反応が一切出ないくらいに、極限までとっつきやすい内容で描かれています。
ここまで一般の方が読みやすいように書かれた入門書は世に存在していないと思います。
行動経済学に若干の興味はありつつ、敬遠してしまっていたすべての人にお勧めしたいです。
なぜ高くてまずいウナギがあるのか
経済学が想定している個人は超合理的なロボットみたいな人間です。
なので、経済学の前提がすべて正しければ、おいしくないのに高い商品は世に存在できないはずです。
しかし、実際の個人、つまり我々は、しばしば不合理な選択をします。
この不合理さが、経済を動かす血液になっているということですね。
我々の意思決定はどのようにして行われるのか、それを解き明かすのが行動経済学です。
本書には20円の差が売れ行きにどう影響を及ぼすか(いわゆる「いちきゅっぱ」の効果)、定額のストリーミングサービスが流行る理由、冒頭の松竹梅の謎など、本当に身近な話題についてわかりやすく触れています。
この短さ、分かりやすさが本書の一番のウリですね。
ぶっちゃけ詳しく行動経済学を学ばれた方にとっては既知の内容ばかりですし、説明が不十分だと感じられる箇所も多いです。
しかし、かえってそれが良さでもあります。本書を読んで興味を持たれた方は、ぜひ行動経済学に関する他の本もご覧ください!
「人は見た目が9割」その科学的根拠は?
読んでいて心が震えた一節を紹介します。
学習意欲旺盛な方には非常に良い一節だと思って紹介しました。正直言うと心は震えてないです (笑)
さらっと「標本誤差」という統計の概念を持ち出されていますが、行動経済学が好きな人はたいてい統計も好きだと勝手に思います。
統計と言われると行動経済学よりもさらに敬遠されがちですが、結構身近に統計を悪用した嘘があり、それを見破るのはとても楽しいです。
アイスクリームが良く売れる日は溺死事故が多発する。
たとえば上記のような相関データがあったとして、皆さんは何が原因だと分析されるでしょうか?
アイスを食べて体が冷えたせいで溺れてしまう、なんてことはもちろんありません。
こういう分析を面白いと思う方は、ぜひ統計についても学んでみることをお勧めします。
関連書籍:ヤバい経済学
私がこの本を読みながら突然思い出した書籍を勝手に紹介するコーナーです。関連してないかもしれません。
もうかなり前の本ですが、私が自信をもってお勧めする良著です。
行動経済学も統計も、もちろん普通の経済学の話も出てきます。
特に経済学を知らない人も楽しく読めると思います。よろしければご覧ください!
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