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wisteriaの英語本ブックレビュー集

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私wisteriaの英語関連本のブックレビューを集めました。新しく書くたびに追加していきます!
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#ブックレビュー

【ブックレビュー】『マザーグース 愛される唄70選』谷川俊太郎(訳)、渡辺茂(解説)

【ブックレビュー】『マザーグース 愛される唄70選』谷川俊太郎(訳)、渡辺茂(解説)

どうしても受験や資格勉強を通じて英語を学習している場合、難しい抽象的な単語は分かるのに、ネイティブだったら子どもでもお馴染みの語句を知らなかったりする。例えば、最近でも、poach「密猟する」は分かるのに、stoat「イタチ(オコジョ)」は知らなかったりといった英検準1級の学生を見かけた。

そういったギャップを埋める方法としては、児童書を読んだり、ここで紹介する『マザー・グース』を楽しんだするこ

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【参考書レビュー】『TOEIC L&R TEST 読解特急3 長めの記事編』神崎正哉、TEX加藤、Daniel Warriner

【参考書レビュー】『TOEIC L&R TEST 読解特急3 長めの記事編』神崎正哉、TEX加藤、Daniel Warriner

TOEICについては目標点の900を越えた時点で私は受験をやめているのですが、試験勉強をしていた頃(2022-2023)に公式問題集以外で愛用していた読解用教材が本書。

これはあくまでも私個人の見解ですが、TOEIC学習の何が大変だったかといって、その文章の無内容さというか信じられないほどの退屈さにあります。架空の会社での匿名的社員による儀礼的なやりとり。それを読み・聴きすることで何の社会的見識

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私wisteriaのここ3ヶ月の人気ブックレビューと語学エッセイ3選

私wisteriaのここ3ヶ月の人気ブックレビューと語学エッセイ3選

今年2024年の3月半ばからnote投稿をはじめて約3ヶ月ということで、少し振り返りを。

岡山在住の英語講師。私wisteriaの今のところのnoteの方針は、英語中心に語学書・参考書のブックレビューや学習法・エッセイを投稿すること。

6月中旬現在、全部で57記事書きました。
その中でまず、人気のブックレビューを3選紹介します!

第3位

追記であげているように著者の北村一真先生からも言及!

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【ブックレビュー】『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』済東鉄腸

【ブックレビュー】『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』済東鉄腸

先日、『上級英文解釈クイズ60』のレビューを書いた際に、

著者の北村一真先生と版元の左右社さんからもリツイートいただいたのをきっかけにX(twitter)もフォローしていたのですが、そちら経由で存在を知ったのがこちらの本。

昨年出版されていたというこの本の特徴は多岐に渡る。ルーマニア語というマイナー言語との出会いと学習、そこから生まれる体当たり的異文化交流記、鬱病・クローン病といった難病からの

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【英語本】『英語は決まり文句が8割』中田達也【ブックレビュー】

【英語本】『英語は決まり文句が8割』中田達也【ブックレビュー】

先日のkindle版ディスカウント期間中に935円→399円で購入。こういう割引があるから最近はついkindle版で買ってしまう。。

さて、本書の内容は、英語における「定型表現」の特徴と重要性を伝え、さまざまな現代的ツールを活用した英語学習法を提示してくれるもの。個人的にはJust The Wordという語の連結(コロケーション)を調べられるサイトに感銘を受けたので、今後の学習や調べ物にどんどん

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【参考書】『The Rules 1』関正生【ブックレビュー】

【参考書】『The Rules 1』関正生【ブックレビュー】

いまや受験生の英語長文問題集の定番となった感もあるこちらのシリーズですが、私も学生たちと一緒に読み込んでみて、なるほど、基礎文法・英文解釈をある程度身につけた人が最初に取り組むのに相応しい参考書と思いました。

以下に素晴らしい点をあげると、

1.長文のテーマが面白いし新しい

アメリカのスポーツ、カナダの移民政策、医療、広告、マイクロプラスチック汚染、動物、エッセイ風文章などなど、どのテーマも

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【英語本】『英文読解を極める』北村一真【ブックレビュー】

【英語本】『英文読解を極める』北村一真【ブックレビュー】

つい先日のkindle版セール期間中に購入した北村一真先生の新書本。

著者の北村先生の本は『英文解体新書』とベストセラーにもなった『英語の読み方』を読んだことがあって、重厚で読み応えがありながら読者へのサービス精神にも溢れる作風が特徴。ただ本書については新書ということもあってか、かなりあっさりとした仕上がりの印象ではありました。

それでもセールの縁もあり買って読み終えたことだし、個人的に印象的

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【英語本】『英語達人列伝』(中公新書)と斎藤兆史先生 in Okayama【ブックレビュー】

【英語本】『英語達人列伝』(中公新書)と斎藤兆史先生 in Okayama【ブックレビュー】

新渡戸稲造、岡倉天心、斎藤秀三郎、鈴木大拙、白洲次郎といった明治〜昭和に活躍した英語達人のスケールの大きなおもしろエピソードと英語学習法を紹介してくれる2000年刊行の新書本。各人物紹介のはじめに斎藤兆史先生手ずから描かれたビゴー風(?)の肖像画がお茶目。昨年、続編の『英語達人列伝II』が出されたことでも記憶に新しい。

国連英検特A級を目指す教育者の末席も末席に連なる私としては、国際連盟事務次長

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