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僕がワインにハマったきっかけと、人生を豊にする職選び


今回は、僕がワインに夢中になったきっかけを通して、僕なりの「人生を豊にする職選び」についてお伝えできたらと思います。


人生を変えた一本

以前の記事でも少し触れましたが、僕には、ワインに魅了され、この業界に身を置くきっかけとなった1本があります。それは、両親の銀婚式にて、レストランのソムリエがおすすめしてくれたものです。


「1996 ムルソー 1er クロ ド ぺリエール / アルベール グリヴォ」

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※画像は2014もの。amazonさんから画像お借りしました。


銀婚式は、都内の某ホテルの中華レストランで行いました。

たまにワインを飲むくらいの家族でしたので、担当していただいたソムリエの方の質問にもスムーズに答えられず、結局おすすめを頂きました。

生産者や醸造の方法についてなど、饒舌に解説してくださるも、当時の僕らには到底理解できず、ポカンとしておりましたが、グラスに注がれてびっくり・・・

煌めく琥珀色に、ブドウとは思えないような複雑の香りが、個室に充満!

家族全員がその色や香りに感動していると、なぜこういうワインになるのか、知識がゼロの僕らにも分かりやすく、教えていただきました。

そして僕は、そのお話の中にあった、土壌の話に深く心を打たれました。


僕がワインにハマったきっかけ①「地理が好きだったこと」

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そのお話の中で、自分が特に興味を持ったのは、土壌のお話でした。

というのも、浪人生時代の地理の授業が面白すぎて、他の教科が投げやりになる程ハマったことがあります。なぜここにアンデス山脈、デカン高原、カスピ海があり、そこはどういう気候、地質なのか。そこで生まれた産業が、その国にどのような経済的影響を及ぼすのか。ひとつひとつの国や地方について、無表情かつ小声で解説する、ロン毛×ガンジー眼鏡の先生にやられました。笑

マイナーな教科ということもあり、生徒数は10名いない程度でしたが、あの授業で僕の考え方の基盤を形成してもらったような気がします。今でもビジネス面で本当に助かっています。

そんな僕が、土壌の話題に目を輝かせて食いついた事を、そのソムリエの方は見逃しませんでした。「この葡萄畑の土壌は石灰質で、砂利と粘土が混じっている」と説明してしてくださり、「石灰質?ということは昔は海だったのですか?」と聞くと、待っていましたと言わんばかりに「大昔、地方一帯が海でした。石灰質の土壌から生まれるワインは熟成向けの長命のワインが多いです。」

この瞬間にこの業界は自分に合っているなと思いました。

同時に、なぜ石灰質だと長命なのか?溢れる興味は止まらず、当時就職活動真っ只中だった僕は、翌日の面接や既に頂いている内定も全てお断りし、ワイン業界に絞って就職活動を進めました。

勉強を進めるうちに「石灰質の土壌=長期熟成向け」という訳ではない事が分かったのですが、あのソムリエの方は確実に、分かりやすく端的に、無知だった僕にワインの魅力を伝えました。

あの銀婚式は、家族の大切な思い出になったことは勿論、僕の人生も変えた日でもあります。本当に当時のソムリエの方には感謝しております。


僕がワインにハマったきっかけ②「ワインの商材としての魅力」

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ワインには、美味しいという魅力のほかに、他の商材では珍しい「時が経てば、価値が上がる」という魅力を兼ね備えています。ほとんどの商売で、商材は時が経つと売れなくなり、在庫を抱え、その価値も減少してしまいます。しかしワインは、寝かせるほど希少性が上がり、ニーズも増え、価格が上昇するケースがほとんどです。

ワインファンドという言葉があるくらいで、株やFXのように短期間で資産が倍になったりはしませんが、銘柄とヴィンテージをきちんと選び、しっかりとした環境で保管したことの証明さえ得れれば、ほぼ確実にその価格は上がります。

ただし、そこには10年単位の期間が必要になるため、人気な投資方法ではありませんが、低リスク低リターンな投資方法として、世界中で取引されています。(ただし悪質な詐欺まがいのファンドもあるそうです)

大学在学時から経済、経営、投資に興味を持っていたので、ワインのこのような一面にも非常に魅力を感じました。最新のヴィンテージを寝かせて売るもよし、何十年後に、自分の子や孫と乾杯するもよし。株はお金にしかなりませんが、ワインはそんなロマンチックな投資商材でもあるのです。


自分に合っているもの(こと)を見つける、ということ

よく「点と点が繋がり線になった」という表現を耳にしますが、まさにそれです。

地理が好きだから という理由で他の教科の勉強時間を削り、志望校に入れなかった苦い経験という点が、4年越しに一人のソムリエから聞いたワインの話という点と結びつき、線になりました。

興味を持った経済、経営、投資の勉強という点が、ワインが持つ商材的な魅力という点と結びつき、線になりました。

この線を伸ばして行けば、さらに何かを生み出せるかも という思いで、英語を勉強してみたり、ワイン留学に行ってみたり、今このnoteを書いてみたりしています。

全て楽しくて、好きだからやっている事です。

人生を振り返り、自分の好きな事以外で武器と言えるものがないことに気がついてから、何かを選択する場面では、自分がワクワクする方を選ぶようにしています。

サンフランシスコに留学中の語学学校で、就職活動に悩む多くの大学生に出会いました。当時の僕も、周囲からの評判、推定年収、離職率などで志望する会社を選び、そこに内定をもらう事が正義という風潮に流され、闇雲に100社近くエントリーした記憶があります。

面接前にその業界や企業を調べたりした経験は今でもとても役立っていますが、当時の僕に「本当にしたいことは何?」と声をかけてあげたいです。笑

つい先日もファッション業界の大手企業が倒産しました。「大手=安定」というのは、もう遥か昔の話になった今、点を増やし、それを線で繋げ、好きを仕事にする生き方が求められるのではないでしょうか。

月並みですが、そのためにはまず、自分と向き合うことだと思います。自分が一番ワクワクしている瞬間はいつなのか。しなくても良いのに、してしまうことって何なのか。それが世間的に褒められるようなことでなくても、イケてないことでも、とりあえずソレ(点)を、知ることから始まると思います。

好きでやっている事で必要になる苦労や努力は、人生を豊かにすると思います。僕は、そんな生き方を共有できる同志達と生きていきたいです。

人それぞれ価値観がある中、僕のお話を最後までご覧いただき、ありがとうございます。


次回は、最近心を奪われた「UMIOTOKO OYSTER」さんの激安・激うま牡蠣のお話をしたいと思います。