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外資系企業に向いている人

こんにちは。就活生からどういう人が外資に向いているのか、必要なスキルは何か、という質問をよく受けるので、私なりの意見を書いてみます。

キャリア志向で英語ができて自己主張が強い?

一般には外資系で働く人ってキャリア志向で、英語ができて、自己主張が強い印象でしょうか。
半分当たっていて半分当たっていないような感じです。

一口に外資系といっても、業種や海外本社(本社の所在地によっても雰囲気はずいぶん違います)との関係によって、時には日本企業以上に日本的なこともありますので、一概には言えないかとは思います。

私も現在の会社に転職した際、当時はあまりに旧態依然としていて驚いたものです(今はずいぶん様変わりしてますが)。なんでもありのIT業界から製薬業界という規制業種への転職だったために、余計にそう感じたのだと思います。

自立したプロフェッショナルであること

外資系企業で働くにあたって、一番必要なことは自立していることだと思います。
これは業務が一人前にできるということではなくて(それは最初から新入社員には求められません)、会社と個人は労働契約を結んだ対等の関係であり、自分は給料の対価として業務をするという割り切り、よく言えばプロフェッショナルとして働く覚悟があるか、ということです。

新入社員の採用は会社にとっては投資です。
この会社は自分にとってどんな投資をしてくれるのか、自分がその投資の見返りに会社に何を提供できるのかを考え、自分に投資してください、というアピールができる方には向いているんじゃないかと思います。

自らのキャリアを主体的に考える

個人と会社は対等ですから、会社に頼らずに、自分のキャリアを主体的に築いていく姿勢も必要になります。

ジョブ型で業務が明確化されているということは、業務が細分化し、狭い範囲の仕事しかできないということでもあります。

定期的な人事異動はありませんので、与えられた仕事をただこなすだけでは、次のチャンスは巡ってきません。
自らアンテナを張って視野を広げ、ネットワークを広げる努力が必要になってきます。時には周りや上司に対してのアピールも必要になります。

これは外資系企業に限ったことではありません。自分のキャリアを自分で考えることは、今の時代どこで働くにしても必要なことだと思います。

終身雇用制が崩れている今、一流会社に入れば安心、会社に育ててもらい退職まで面倒見てもらう、といった発想は今後何十年にわたる自分の人生を会社に預ける、相当にリスクの高い生き方です。

会社が倒産してもリストラされても大丈夫なように、自らの市場価値は常に意識しておいたほうが良いと思います。

英語力より異文化コミュニケーション力

外資系企業で働くうえで、職種によっては最低限の英語力は必要ですが、それ以上に異文化コミュニケーション能力が重要だと思います。

英語が堪能な人は(留学経験など、英語を習得するにあたりぶつかる壁を越えていること、英語が話される文化を理解し会得していることで)異文化コミュニケーション力が自然と身についている印象がありますが、逆に英語があまり得意でなくても海外本社のステークホルダーと良い関係性を築き、素晴らしい交渉力を発揮する方もいらっしゃいます。

異文化コミュニケーションの前提として、多様性を受け入れることが必要になります。ダイバーシティ・インクルージョン(D&I)という言葉がありますが、異なる価値観を持つ人たちが集まっていることを前提に、ビジネスを進めていくことができるかどうか。相手が理解してくれないと嘆く前に、相手のことを理解し、理解してもらおうとする努力ができるか。

かつて所属していたプロジェクトチームは、国籍も出身地も性別も(性的志向も)見事にバラバラでした。生まれ育った国以外に住んだことがない、なんていう私のような日本人はむしろ珍しがられます。
価値観の違いを否定せず、違いをむしろ楽しむぐらいの気持ちをもてる方には、自分も個として尊重されるので変な同調圧力がなく、むしろ居心地が良いかもしれません。

会議で自分の意見が言えないのは致命的

外資系の企業において会議は合意確認の場ではなく、議論の場です。よく言われることですが、会議の中で発言できないのであれば参加する必要はありませんし、発言しない人は次から呼ばれなくなります。

ですので、会議の中で議論を戦わせることが苦手な人、周りの空気を読んでしまい反対意見が言えない、という人は外資系企業では厳しいと思います。

和を重んじ、議論に慣れていない日本人は、反対しているわけではなくても反対意見を言ってくる人に戸惑うことも多いようで、外資系企業で働く人(というか外国人一般?)は自己主張が激しい、というイメージはこうしたところからきているのだと思います。

皆自己を主張しているのではなくて、自分の意見を述べているだけで、合理的な理由さえあれば、納得してくれるんですけどね。

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