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わたしはタイムマシンを作ったのかもしれない

このnoteを書き終えたとき、おそらく2020年の8月15日を迎えていることでしょう。つまり8月14日の23時ごろ、この文章を書きはじめました。

巷では「終戦の日」と呼ばれる、明日。
わたしはまたひとつ歳を取ります。

ああ、もう49歳になるんだな...。
そうなると、ほぼ半世紀を生きたことになりますね。


さて、突然ですが。

─── 現実や未来を変えるため過去に戻る。

タイムマシンが出てくるファンタジーの物語ではよくある展開。そんなの実際あるわけないですよね。


だけど、もうじき49歳となる、そんなとき。

ふと

「自分はタイムマシンを作ったのかもしれない」

そう思ったんです。


いまから5年前。
2015年。
わたしは自分の住まいに「ギルドハウス十日町」という名前を付け、インターネットなどを通じて「いつでも誰でも遊びに来てください。気が合ったらいっしょに暮らしましょう」というようなメッセージを発信しました。

そうしたらこの5年間で、国内・海外から延べ8,400人超の訪問を受けることになり、そのうちの70名以上といっしょに暮らしました。

それも、お店でも宿でもない、たった6軒しかない山奥の小さな限界集落にある、築100年以上の古民家で。

そうした様子が珍しかったのか何なのか、テレビの全国放送や雑誌・書籍などに取り上げられてきました。

5年が経ったいまでも常に十数名の仲間たちとの共同生活。来月にはさらに2名が増える予定で、相変わらずの日常が続いています。


さてさて、時をさかのぼり、それ以前のこと。
わたしは3年以上も全国を旅していました。

さらに時をさかのぼり、そうなる前のこと。
わたしは20年近く会社員をしていました。

ずっと忙しく働いてきて、40歳になったときに自分を見つめなおし、会社を辞め、未来を変えたくて、働き方を変えたくて、悶々とした日々を送っていました。

いろいろあって旅することとなり、はじめは新しい働き方を探して全国あちこちに増えつつあったコワーキングスペースをたどっていたんですけど、行く先々でいろんなひとたちと出会い、多様な価値観に触れるうちに、いつしか自分の生き方も変わっていきました。


そうした全国旅の集大成として、わたしは新潟県の十日町市という地域にたどりつき、ギルドハウス十日町が誕生したのでした。

そして、そのころから自分の生き方を「ソーシャルな隠居」と名付け、ギルドハウス十日町での新しい暮らしに入りました。

ソーシャルな隠居とは
自分の住まいに特徴的なコンセプトをもたせて広く開放し、共同生活と交流拠点の両面で成り立っています。働いているという意識がなく、のんびり隠居しているはずなのに、世間や人とのつながりがより一層広がって、気の向くままにソーシャルな取り組みに参画したりして刺激の多く楽しい、そんな毎日。そして、自分が老いても誰かしら周りにいて、死ぬまで楽しく生きていけたら。そんな想いでチャレンジしている生き方です。

隠居というと、世間から隔絶されたようなイメージがあるかもしれませんが、わたしの場合は一層ひととのつながりが広がっています。現に隠居してからのほうが、社会との関わりが増えました。

具体的に言うと、町内の行事に出たり、近くの無人駅の清掃、市政事務の嘱託員といったことをしています。そういえば選挙の投票所の立会人をしたこともありましたね。

ほかにも、アプリ開発など新規ビジネスのお手伝い、地域に起業家を生む活動、行政などから依頼を受けての講演、雑誌・書籍・Webメディアからインタビューや執筆を依頼されたり、など。

(こう書くと忙しそうに思われるかもしませんが、いたってのんびりです。それでいて退屈もせず、刺激的な毎日を送れています)

さらに、いまではギルドハウス十日町を本家として山形県、長野県、三重県にもギルドハウスが誕生。また、ギルドハウス十日町の元住人たちが全国各地で活躍の場を広げています。彼らはたまに “帰省” してくるし、贈り物を送ってくれたりと、まるで親せきのような関係性が続いています。

とてもありがたいものですね。


というわけで...。
会社員時代とは比べものにならないほど、わたしの世界が広がりました。


そんなわたしが、なぜ

「自分はタイムマシンを作ったのかもしれない」

と思ったのか。


会社員時代まで止まっていた別の時計の針が動き出したと言うべきか。

とにかく自分の時間というものを、たくさん取り戻せた気がしています。


ぼ~っとする時間。

家族との時間。

社会との関わりの時間。

出会いから共感と展開が生まれる時間。

ささやかな幸せを感じ、かみしめる時間。

そんな自分らしくいられる日常が、誰かの価値になる時間。


これらは、当然のように持っていて然るべきなのに、ずっとないがしろにしてきた時間たち。いつも忙しすぎて時間がないと不満を言い、それを言い訳にしていろんなミスをして、たくさんのひとに迷惑をかけてきました。それによって自らを追い詰めていたと思います。


わたしは自分の未来を変えたのだと思います。

タイムマシンが未来を変えるものだというのなら。

わたしは確かに、タイムマシンを作ったのかもしれません。


あ、ここでちょうど日付が8月15日に変わりました。

おめでとう自分。

君はこれまでたくさん失敗し、悩み、悶々としながらも、あちこちにあれこれと行動して、その結果タイムマシンを作りあげ、自分の未来を変えることができたんだね。

だけど君の未来には、まだまだ君の知らないことがたくさん起こる。

もちろん良いことばかりじゃない。

でも、心配はいらない。

だって自分の時間をたくさん取り戻したのだから。

残りの人生。あとはその余りある自分の時間のなかで出会って共感した仲間たちといっしょに、やりたいことを思う存分していけばいい。

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