治療家の心得8【安定と不安定】
体にとって「安定・不安定」どちらがいい?
こんな質問をすると、多くの方が「安定」と答えます。
しかし、同じ意味でも言葉を変えると、たちまち「不安定」と答える方が増えます。
それは、
・不安定=運動性が高い
・安定=動きが悪い
です。
大切なのはバランス
じつは先ほどの質問は意地悪な内容でした。
現実的には、体は双方が備わることでバランスを取っています。
じっさい、臓器の器になる部分は安定性が高く、器どうしの間は運動性が高い構造になっています。
ココで言う臓器の器とは、頭蓋・胸郭・骨盤で、その間とは頚部・腰部を指します。
もちろん中間も存在します。
肩甲胸郭関節、股関節などは、運動性と安定性の両方を臨機応変にコントロールされています。
なぜセラピストの多くが運動性を重視するのか?
僕は、「自分の状態にあっているのなら、体は硬くても柔らかくても、どちらでもいい」というスタイルです。
しかし、一般的には「体は硬いより、柔らかい方がいい」というセラピストが多いと思います。
なぜセラピストの多くが、運動性を重視するのでしょうか?
理由はすごく単純で、人は老いると自然に安定性が高まりやすいということと、安定性を高める方法を知っているセラピストが少数派だということです。
つまり、運動性は生理現象で低下するので、現状維持や若返りを求める人には運動性を高める技術のほうが人気があり、結果その技術が広まりやすいんです。
運動性だけでは症状は治せない
しかし、コレには大きな落とし穴があります。
それは、安定性を失った人にとって、運動性の向上が症状の直接的原因になることです。
繰り返しになりますが、最も大切なのはバランスです。
一方が優れているだけでは、それはすぐに崩れてしまいます。
すでに崩れている人にとっては、なおさらです。
いかがでしたか?
今回のnoteを参考に、治る患者さんを1人でも増やしていってください。
来週も引き続き、「治療家の心得」を楽しみにしていただければ幸いです。
それではまた
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