あなたがネガティブなのは、あなたのせいじゃない。脳の仕組みから考える「普通」のメンタルとは?
「私ってなんでこんなに落ち込みやすいのだろう…」
「暗い自分はダメなやつだ…」
なんて、自分を責めてしまうことがあると思います。
私もネガティブ思考な自分がイヤになり、変わろうと頑張っていた時がありました
結果としてはただの自己否定にしかならず、自己肯定感を下げるだけになりました。
SNSなどでも、ネガティブ思考に悩む声は多くあります。
インスタのDMでも「どうやったらポジティブになれますか?」「暗い自分を変えられますか?」という相談をうけたことがあります。
まず先に言っておきたいのが、どんな思考を持っていようともあなたは十分に価値が有り、素晴らしい存在だということです。
他人から見たあなたの行動そのものが批判される事はあっても、あなた自身の価値は揺るぎないものです。
ネガティブ思考はあなたのせいではありません。
では、なぜ私たちはネガティブに物事を考えてしまいがちなのでしょうか?
そのカギは、私たちの脳にありました。
今回は進化心理学の分野から、ネガティブ思考の原因について解説します。
ご先祖様はネガティブ思考だった
今から一万年より前、私たちのご先祖様が石器を使っていた時代の話です。
この頃はまだ銃や剣などの兵器の発明も無く、農業も盛んではなかったと考えられています。また牧畜も発明されていなかったため、自然から採取した物や、狩猟した動物を食べていました。
野山に分け入って食べ物を探しているときに、動物に襲われてしまう危険を犯しながら狩や採取を行っていたんです。
この時に役立っていたのがネガティブ思考です。
「あの草むらにヒョウが潜んでいるかもしれない」
「あの蛇は毒を持っているかもしれない」
とネガティブに考えたほうが生存確率が高かったわけです。
なんの恐怖も感じずにどんどん山の奥に進んでいけば、どうなるかは想像がつきますよね。捕食者が少ない現代の山でも遭難して終わりです。ポジティブすぎる思考はリスクを見逃す原因になり得たのです。
そうしてネガティブ思考を駆使して生き残った人間の子孫が私たち、今を生きるホモ・サピエンスです。
脳はほとんど進化していない
さて、そんなご先祖様の脳と現代の私たちの脳を比べてみると、容積こそ大きくなってはいますが、基本的な機能はあまり変わっていないことが分かっています。
つまり、現代人も石器時代と同じ構造の心理プロセスをもっているということです。
進化の歴史の99%以上を狩猟採集民として過ごしてきた人類は、そのための進化をとげています。
私たちの心理はいつ襲われるかわからない生活を今も続けているつもりなのです。
進化速度と現代とのギャップ
石器時代より後に、農耕や牧畜の発明があったり、近代では産業革命、インターネットの発明もありました。スマホの発明などはつい最近の話です。
何万年、何十万年という時間をかけて進化する生物にとって、一万年という期間はあまりにも短い。いきなり現れた新社会にパニックを起こしているようなものです。
ご年配の方がスマホやパソコンと使いこなせないのに似ていますね。
現代の日本で日常生活を送っていても、ライオンやトラなどの捕食者に襲われる危険はありません。それなのに、石器時代の脳が「アレは危ない」「コレも危ない」と警鐘を鳴らし、その先の危険な未来を想像させようとしてくる。コレが過剰なネガティブ思考の正体なんです。
脳の自然な反応を受け入れてみよう
ネガティブな反応は自然なもので、あなたが悪いわけではありません。
「脳がエラーを起こしているんだな」と思えば、ネガティブ思考から距離をとることができます。
新しいことにチャレンジするのが怖いのも、脳のせい。
心配性が治らないのも脳のせいです。
最初は難しいと思っていた事が、実際にやってみると大したことないと思えることも多いですよね。
こうした小さな成功を繰り返していけば、脳もなれてきてネガティブな思考が減ってきます。
全部脳のせいにして、ちょっとずつ挑戦していけばいいんです。
まとめ
・私たちの脳は石器時代から進化していない
・世界が発展するスピードに進化が追いついていない
・脳の進化と現代とのギャップがネガティブ思考の原因
・脳の過剰な反応を普通のものと受け入れよう
以上です。
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