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「紫煙は魂に成るか」
私のお兄さんは、何時も精液の匂いがする。
特に朝起きて直ぐの時に一番濃い気がした。
我関せずのお兄さんに、家族は場を盛り上げるのを必死に堪えていた。達磨に墨を入れるのだって自粛していたし。
本人の名誉の為に言うが、お兄さんは童貞では無い。何度か可愛く無い恋愛を経験したと言っていたし、そう言う気配を何度も視た事が在る。ゴミ箱を漁ってコンドームを見付けた時なんかは、英雄に成った気分でトテモ感慨深いモノ
公募審査員には早過ぎた詩篇の公開。
試る屍姦で
声華を瞑して
鉄の藜羹で
理義を朝した
拠る迸散で
白磁を訳して
亀の悪草で
応作を濾した
識る未完で
名菓を制して
列の定稿で
痴戯を領した
彫る養蚕で
薬餌を泊して
雨の核相で
巧詐を捺した
「フリィー」
剃る嘔気で
安康を裁して
籥の他誌で
刀銭を浴した
着る明史で
瞑捜を結して
令の兵器で
秘鍵を療した
愚る早期で
三更を愛して
卓の矢視で
陽線を督した
試る金
「笑って寂しい四。」
僕は胃袋に水を満たして
夜を泳ぐ魚になった
時折吐き出す言葉の泡に
ずっとずっと遠くを想う
置いていくのが耐えられず
地下室の硝子瓶に詰め込みたいと
願ってしまうこの僕の心は
愛ではなくて恋だったんだね
人を殺した心地して
街を我が物顔で歩いてみる
灯りが照らす少年の
握ったナイフが震えてる
四肢切断された淋しい少女の
歯をただ磨く後ろの僕は
その唾液に含まれる毒薬を
舐めて死にたいと願って