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「生き易い雨。」

栄養の様に言葉を服用している。
宿便の様に言葉を排出している。
甘えた声が、夜の肯定に戦いでいる。
仲間のフリをし、朝日を追っている。

脳内の友達は僕を褒めて呉れない。
細胞から逃げる脚は持って居ない。
天使、悪魔、神様に宣戦布告をしたい。
喜劇は未だかと怒鳴る観客に燈したい。

上等な知能を持った人の好みが厭だ。
物事を論戦している誰彼とは御免だ。
二人居ないと存在すら怪しい事に成った。
大荒れの晴天に時間を使いたく無かった。

僕は貴方の僕では無く、僕の為の僕だ。
忘れた事は戦いに不要と、繰り返した。
独占されたので、今日は有給を取りたかった。
叶わぬ嘘を吐くのは、癖として有用か疑問だ。

ドーナツの穴が嫌いな劇団員を想い出せ。
其れを取り巻く死と衰退と諦観を堕とせ。
平気な顔をして普通に成る友人に祈りを飛ばせ。
正しさとか言うどうでも可い事に侮蔑を尽くせ。

何を磨くかは自在だから、一旦生活は投げよ。
只管悪い夢を続ける事で、人の貌を獲得せよ。
届いた僕にさえも、理解の瀬戸際を遊ぶ様に責めよ。
壊れた玩具と知れど大事する人と、恋慕を確かめよ。

そして羞恥心の味に溺れている僕は、試すようにサヨナラを機関銃にしたが、其の砲声の代わりに流れる音楽に(アレは確か一番のイメージが強過ぎて偏見を持たれている女性歌手の唄だった)僕の声が乗らない事に苛々してしまったので、思わず手も足も頭も胸もついでに歯も出てしまい、倖いに成りたい信条も相まれば、其れを怠る卑怯者達に引導で一生懸命生きたく成る様な怖い話をよく聴かせて、気付けば空が青くも赤くも黒くも無くなった頃合いなので、ソウルフレンドよりも安全な公園で、セヴンイレヴンで買ってきたこだわり酒場のタコハイを酌み交わし、佳い時間なので後は若いモノ同士で宜しくと気を遣ったツモリが、其々の顔に浮かぶ足場の不安定さに心が乱れている様な天敵の視線に捕まり、仕方が無いので公衆便所の便器に顔を突っ込んでは水を流し、突っ込んでは水を流し、突っ込んでは水を流し、突っ込んでは水を流し、をリズミカルに行えばヤット大人しく成ったので、子供っぽく微笑みながら次が無い事を親切丁寧に教え込んで、隠してた腕を切り落とした後、障害手帳の申請方法を判る範囲で説明して、僕も無事に彼等を未来に触る方法を教えられて満足し、紫色の世界で唯一確かな、「透明」と言う性質に縋ってビルを登り、御伽ネーションへ往く為に跳躍して、落下の速度で翅を広げて、何処までも何処までも何処までも何処までも……!

そして当たり前だが、辿り着いた楽園には、確かに雨が降っていたから。

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