「紫煙は魂に成るか」
私のお兄さんは、何時も精液の匂いがする。
特に朝起きて直ぐの時に一番濃い気がした。
我関せずのお兄さんに、家族は場を盛り上げるのを必死に堪えていた。達磨に墨を入れるのだって自粛していたし。
本人の名誉の為に言うが、お兄さんは童貞では無い。何度か可愛く無い恋愛を経験したと言っていたし、そう言う気配を何度も視た事が在る。ゴミ箱を漁ってコンドームを見付けた時なんかは、英雄に成った気分でトテモ感慨深いモノだった。勿論、今でも額に入れて飾っている。
だからなのか、なのになのか、お兄さん