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高次脳で絶望した話

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わたしが大学時代、障害を直視して絶望した話。
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#マンガ

高次脳で絶望した話⑥

高次脳で絶望した話⑥

障害は努力でカバーすればいいと思っていた時間をかければなんでもできると思っていた。

実際、困ることはそんなになかったのだ
時間をかければ。

でも人間同士のコミュニケーションだと
そうもいかなかった。

簡単な議論は何の問題もなかった。

でも大人数では話の流れがとにかく早い。

自分の脳では
処理できる情報が限られている。

たぶん健常な人の脳みそよりも
圧倒的に精度は低い。

自分の理解が追

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高次脳で絶望した話⑤

高次脳で絶望した話⑤

みんなの議論についていけない
いつかは来ると思ってた。

でも
わたしには同級生と10個差があるので、
蓄えがあった。

10年分の知識や経験。

(高次脳機能障害で
脳の一部が欠損していたとしても)

だが、大学3年の時
ついに周りの学生の議論についていけなくなった。

自分の脳みそでは
完全にキャパオーバーだった。

障害は治らないその時、急に実感した気がする。
わたしの脳みそはどんなに努力し

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高次脳で絶望した話④

高次脳で絶望した話④

人一倍時間をかけないと回らない生活は、もはやわたしにとって当たり前障害は不便だけど、不幸ではない。

共感して頷きすぎて首もげそう。

人より手間や労力がかかる日常を
そもそも努力だと思っていない。

わたしにしたら、
普通で当たり前のことをこなしてるだけ。

当たり前にこなせる範囲が
健康な人と少し違うだけ。

無意識にできる呼吸と同じよ。

わたしにとったら何もかも日常の一部。
何でもないこと

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高次脳で絶望した話③

高次脳で絶望した話③

障害は治らない

障害は不変的で固定されたもの。

そういう話だった。

「障害は治らない」

ふーん、って思ったよ。

たしかに治ることはない。

でもわたしは一時に比べて
確実に良くなっているという実感があった。

ベットに横たわって
天井見て
医療機器のお世話になりながら
かろうじて自発呼吸してる状況から(もはや石)、
どうしたらこんな状況が想像できるだろうか。

座って!
勉強してる!

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高次脳で絶望した話②

高次脳で絶望した話②

障害は自分の持ち物であり、自己責任であるという思想わたしは家系的(家庭環境的)に
「自己責任」で育っている。

全て自己選択をしてきた。

小さい頃から、ずっと。

「お前が選んで、お前が責任を取れ」
という育ち方をしてきた。

自分の力で実行し、
足りない部分は自分の努力で補い、
人を助けることはあっても人には頼らない、
実力主義、弱肉強食、みたいな。

みんなで助け合いだとか、
お互い様とか、

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高次脳で絶望した話①

高次脳で絶望した話①

大学に入学したきっかけ「次に起きた時は、
障害がなくなってて欲しい。

それが無理ならもう一生目覚めたくない」

って思いながら、眠るための薬を飲んでた。

寝ても醒めても泣いて、
それでもなんにも変わらなくて、
相変わらずちっとも動けなくて、
記憶力は低下したにもかかわらず
嫌な感情には囚われ続けて、

もうこんな人生嫌だった。
死にたいって思ってた。

とにかく救われたかった。
現実から抜け出

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