おいしいもん話｜寝たきりグルメのススメ

寝たきり生活を送っていると俗世の食べ物と縁遠くなりがちだ。そこで「寝たきりグルメ」と称し、家や入院先でも食べられる美食を探求していくことにした。病気の方はおねだりアイテムとして、健康な方はお見舞いアイテムとして、参考にされてみてはいかがだろう。

なお、私の病気だと特に食事制限がないため、糖質の高いもの、刺激物、消化に悪いものなども普通にもりもり食べる。この半年で５キロ太ってしまったのは言うまでもない。どこが寝たきりじゃい。ということで、食べ物のセレクトは各々で判断いただければ幸いである。

■イートイン気分！銀だこの「ねぎだこ」

銀だこレギュラーメニュー「ねぎだこ」。8個入りで税込み680円。テイクアウト。

たこ焼きで外カリカリ、中トロトロは当たり前なのだろうけど、それにしても本当に外のカリカリがすごい。刻んだ白ネギとほんのり唐辛子パウダーが掛かっていて、これをおろしポン酢につけていただく。あっさりした味付けでスイスイ食べられる。どう考えても美味しい。ちなみに私は大阪人ではないので、たこ焼きのネイティブではない。

こちらはお土産部門での選抜である。「俗世の食べ物が恋しい」などと言っておねだりするのが望ましい。なお、買いに行かされるはめになった人はカリカリを保つために一刻の猶予を争ってお届けした方が良い。最寄りのショッピングモールの銀だこから自転車で爆走すれば大丈夫そうだ（？）。こういう外でしか食べられない物は鮮度が高ければ高いほど良いと相場が決まっている。アツアツはアツアツで食べたいし、外カリは外カリで食べたい。

■１分でタイ気分！アマノフーズの即席トムヤムクン

フリーズドライ界の革命児といえばアマノフーズだ。スーパーで見掛けることも多い「なすのおみそ汁」は名作中の名作である。大ぶりの揚げなすがゴロゴロ入っていて、味噌汁には油の旨みがたっぷり染み出している。普通になすの味噌汁を作るより美味しい可能性がある恐ろしき商品である。

そんなアマノフーズの本気が全力で発揮されているのが「スープデイズ　トムヤムクン」だ。熱湯を注ぐと程なくして酸っぱ辛い独特の香りが立ち昇る。もうもうと湯気を顔に浴びながら一口。油断をすると確実にむせる。とにかく辛い。本気の辛さだ。そして押し寄せる旨み。味の深みと奥行き。もうここはタイである。

具材も本格的だ。コブミカンの葉っぱと、フリーズドライとは思えない２センチほどのエビが殻付きで３尾入っている。カルシウムと思ってワシワシ噛みしめる。飲み干した頃には手足がポカポカ温まり、汗やら鼻水やらいろんな液体が分泌される。冷えは万病の元であるから、こうやって美味しく血行が促進できるのは素晴らしい。

タイ料理屋さんに行かずとも、行けずとも、ややこしい材料を買って作らずとも、気軽に本格的なトムヤムクンが楽しめる。料理ができるならここに生のエビとマッシュルームを入れて軽く火を通せば立派なおかずになると思う（たぶん）。ああ、フリーズドライは食生活を救う。アマノフーズありがとう。アマノフーズばんざい。

アマノフーズ いつものおみそ汁 なす 9.5g×10個

アマノフーズ スープデイズ トムヤンクン 9g×10個

■とろける幸福感！セブンイレブンのティラミスパンケーキどら

最近のセブンイレブンには感動させられっぱなしだ。特にスイーツの類は素晴らしく、「そのへんの町のケーキ屋さん」より美味しいことの方が多い。それもそのはず、セブンイレブンほどの大企業でレシピを提案できるのだから、相当の舌の持ち主が商品開発に携わっているのであろう。町のケーキ屋さんが負けてしまうのも仕方がない。

「ティラミスパンケーキどら」はたったの税込199円にして豊潤でリッチな食体験を消費者に与えてくれる。ココア色のもっちりとしたパンケーキ生地を頬張ると、ティラミスの風味が口いっぱいに広がる。チーズクリームがコーヒーソースととろけ合い、チョコレートトリュフの濃厚な味わいがたまらなく頭を打つ。

美味しい、美味しい、美味しすぎる。ティラミスパンケーキどらを食べるときは、美味しさと向き合わずにはいられなくなる。テレビもスマホも消して、ただ齧り付いた後の断面を眺める……至福の時間だ。

もしもイタリアにドラえもんがいたら？きっとその片手には、ティラミスパンケーキどらが握られているに違いない。

なお、この商品は期間限定での選定となる。セブンイレブンのスイーツは期間ごとに入れ代わりが激しく、１か月後には無くなっている可能性が高いのだ。去年のこの時期もティラミスパンケーキどらが好きすぎて３日に１回買っていたが、あっという間に売り場から姿を消してしまった。期間限定の美味しさを逃すべからず！

■まとめ

寝たきりとはいえ、食への探求は諦めたくないもの。こうして書き出してみると筆が止まらず、自分がいかに食を愛しているか実感した。今回でイチオシの食べ物を載せ尽くした感はあるが、また不定期に連載していきたい。お取り寄せにも興味が湧いてきた私であった……（こうして更に太る）