宝治合戦_05 千葉純胤の時空移動
泰胤は純胤の問いに返した。
「安達景盛殿は実朝様がお亡くなりなった時に出家した身。わざわざ高野山を下山してまで下界のいざこざに口を挟むとは。しかも『三浦を滅ぼせ』とは申すまい」
「泰胤、そうは云っても承久の乱の時には下山して北条の談義に加わっている御仁ですよ。大事な節目には武人としての役目を果たそうとしています」
「ではこの度の下山にはなんの節目と云える。もう反執権派は評定衆から降ろされたのだぞ」
「そこです。そこがナゾなんです。執権としては反執権派を追い出した。旗印