千葉篤胤の転生記_13~治承・寿永の乱
頼朝は館近くの小高い丘から広々とした海辺を見渡していた。丘には心地よい風が吹いていた。
頼朝は幼少から今までを振り返っていた。都では源氏の棟梁として雄々しく振舞っていた父義朝や、強さだけならすでに父に並ぶだけの畏怖を放っていた兄義平と共にしていたが、10代前半で母を亡くし10代半ばで平治の乱にて父も兄も亡くして頼朝の取り巻く世界が一瞬にして変貌した。
しばらくは自身も殺されてしまうという恐れに包み込まれていたが、平清盛は哀れと思うたのか命までは取られることなく伊豆へと流さ