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100年前のレシピ本を訳してみます11-B章 スープ III. ワインとビールで作るスープ、IV.牛乳、水で作るスープ、V.果物のスープ、VI.冷製スープ

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スープを早く終えたいのでがんばりました。今回はワイン、ビールを使ったスープ、牛乳、水で作るスープ、果物のスープ、冷製スープのレシピです。
日本でも鍋物にお酒を入れたりすることがありますが、汁物にお酒をメインの材料として使うことはないのではないでしょうか。
材料や味付けにも驚くかもしれません。では。

III. ワインとビールで作るスープ

68.白ワインのスープ

 上質の小麦粉大さじ2杯と新鮮な卵黄6個を、白ワイン1本あるいはリンゴワイン半分と水半分で溶き、適量の砂糖、種を取ったレモンのスライス数枚と塩ひとつまみを入れ、 強火にかけて絶えず泡立て器でかき混ぜます。沸騰したらすぐにスープ鉢に入れます。固く泡立てた卵白を小さい団子型に丸めて熱々のスープに浮かせ、砂糖をまぶし、スープ皿に蓋をして少しの間余熱で火を通します。
 卵黄の代わりに全卵と小麦粉半量を使えば、ふんわりとしたワインのスープができます。
 このスープには、砂糖をまぶしたパンの角切りを焼いた小さなラスクあるいは小さなビスケットを添えてもいいです。

69.ワインとクーリのスープ

 小麦粉60gをバター50 gで黄色く炒め、白ワイン1本と水3リットルを注いで滑らかにかき混ぜ、砂糖100gと塩少々を加え、いろいろな果物で味をつけます。レモン又はみかんの皮でもよいし、桃またはオレンジの花の蒸留水を入れたり、苺やラズベリーなど新鮮な果物を一緒に煮立てても良いです。好みで最後に卵黄を数個入れてかき混ぜます。

クーリはフランス語のcoulis、料理用語ですね。果物を一緒に煮込むのでクーリということになるのでしょうか。
桃の蒸留水はあるにはありますが、こういう使い方は初めて見ました。美味しそうですね。

70. 赤ワインを使ったサゴパールのスープ

 純正なサゴパールを二度湯がいて、軟水の湯に入れ、シナモン少々を加えて柔らかくなるまで2時間から2時間半茹でます(じゃがいものデンプンでできたサゴパールは湯がく必要はなく、15分茹でるだけで十分です)。次に同じ量の赤ワインを注ぎ入れて適量の砂糖を加え沸騰させます。レモンスライスを何枚か加え盛り付けます。ビスケットまたは作りたてのラスクを添えるか、泡立てた卵白をスープに浮かべても良いです。
 赤いフルーツワインがこのスープによく合います。

 泡立てた卵白をスープに浮かべる、というのはイメージしにくいかもしれません。こちらのサイトの画像が分かりやすいと思います。
 最後のところ、赤いフルーツワインが合う、とありますが、葡萄以外ではチェリーやイチゴなど赤いフルーツのワインがドイツにはありますので、そうしたワインを合わせるといいということなのでしょうか。

71. 手早く作れるラスクのスープ

 必要量に応じて水、ラスク、バター少々、シナモンひとかけら、レモンの皮と塩を合わせて火にかけ煮込みます。次に全体を濾し器にかけ、卵黄2個と生クリーム、ワインと砂糖を入れて混ぜます。新鮮なぶどうをワインで柔らかく煮込んでスープに加えると、ボリュームが出ます。

ブドウをワインで煮たコンポート、ということでしょうか。ブドウは皮付きのままなのか、皮を剥くのかまでは書いてありませんが、試してみたい方はぜひ。

72. 白ワインを使った精麦のスープ

 精麦を湯に入れ、新鮮なバター、シナモン、レモンスライスを加えて火にかけ、熱湯を頻繁に加えてゆっくりと柔らかくなるまで煮込みます。2時間経ったら洗ったレーズンを入れ、柔らかくなったら盛り付ける際にワイン、砂糖、塩少々を加え、卵黄1または2個を混ぜ入れます。
 ワインを使わない場合は、1時間煮込んだらレモン一個分の汁を加え、レーズンを多めに入れます。
 精麦同様に米を使っても良いです。

ワインの量が分かりませんね。最後に加えるのでそれほど多くはないでしょう。ワインの品種はここでも他のレシピでも指定されていませんので、家によく置いてあるもの、という前提でしょう。

73. 精麦を使った美味しいスープ

 精麦500gを新鮮なバター、シナモン、塩を合わせ熱湯に入れ茹でます。熱湯を何度か加えて柔らかくなるまで煮込み、全体をさっと濾します。濾しながら麦に水を少々かけるとスープにとろみがつきます。45分ぐらい経ったらよく洗ったレーズン250gを入れ柔らかく煮ます。スープはいい具合にとろみがつき、もったりと重たくならないようにします。盛り付ける際、卵黄2個と白ワイン250ミリリットルを混ぜ、沸騰しているスープに絶えずかき混ぜながら少しずつ加え砂糖で味付けします。この量は8~10人分です。精麦の代わりにクノールの大麦粉を使って10分ほど煮込むのでも構いません。この場合レーズンはあらかじめバター少々を加えた水でふやかしておきます。
 同じようにこのスープはセモリナ粉で作ってもよいです。ただその場合はレーズンをあらかじめ茹でておき、セモリナ粉は砂糖、塩と水と混ぜ合わせ、スープに必要な量の熱湯を加えてしっかりとセモリナ粉をふやかし、上記のようにスープをかき混ぜます。
 調理時間は3時間です。

74. ビールのふんわりスープ

 ブラウンビア(ビール)またはヴァイスビア(白ビール)など苦くないビールを1 L、同じ量の水と上質の粉(ジャガイモのでんぷんではないです)大さじ2杯、全卵4個、砂糖、レモンスライス2枚、好みでシナモンを合わせて強火にかけ、泡立て器で沸騰寸前までかき混ぜたら手早くスープ鉢に移し入れます。バターでローストした白パンの角切りまたはラスクを添えます。特に合う実は残ったパンで作るパン山です。黒パンの残りをおろし、上質な砂糖、潰したシナモン少々、水でふやかしたカラントを混ぜ合わせてバターで茶色く炒め、大きなロートにかたく詰め込んだら、スープ鉢の中で返し中身を出します。

 ブラウンビア(Braunbier)というビアスタイルは少なくとも現在はなく、小麦と大麦両方の麦芽で造られる白ビールに対し、大麦麦芽のみで作られるビールをブラウンビアと昔は呼んでいました。日常的によく飲まれるビールで、特に18世紀のバイエルンでは、強い下面発酵のビールをブラウンビアと呼んでいたそうです。
 ふんわりスープ、と訳してみましたが、ドイツ語ではSchaumbiersuppe(泡のビールスープ)です。これはいわゆるビールを注いだ時にできる泡のことではなく、攪拌して泡のようにふんわりしたスープという意味です。
 ビールを使った、しかもこんな甘い味付けのスープに驚く人もいるかもしれませんが、今でもビールスープといえばこうして甘い味付けでミルクなどを入れたものはあります。地域ごとにビールの種類が違うので、レシピもいろいろありました。
 ビールの飲み残しの利用法でもあり、昔はパンを入れておかゆのようにしたものを朝食に食べたりしていました。
 あとこの「パンの山(Brotberg)」が面白いですよね。これはちょっとやってみたいです。

ビールのスープ、典型的なものはこちらです。

© Superbass / CC BY-SA 4.0 (via Wikimedia Commons)

75. 手早く作るビールのスープ

 一人当たり250ミリリットルのビールと同量の水を火にかけ、適量の砂糖と塩ひとつまみを加えて煮立たせます。そして一人につき卵黄1個と小さじ山盛り一杯のじゃがいものデンプンを合わせて水で溶いたものを混ぜ入れます。かき混ぜながら煮立たせたビールを少しずつ注いで混ぜ、再度鍋に戻しながら全体をよく混ぜます。素早く鍋を火からおろし、固まらないように更にかき混ぜます。
 好みで、砂糖を入れて泡立てた卵白を大さじですくい取り、盛り付けたスープの上に浮かべるか、スープの中に混ぜ込みます。

最後の卵白の部分は、上の70番と同じです。スープに混ぜ込めばよりふんわりしたスープになりますね。

76. レーズンを入れたビールのスープ

 十分な量のレーズンを白パンと一緒に水に入れて煮立たせ、全体を柔らかく煮込みます。そこへしっかりと味がつくくらい十分な量のビールを注ぎ入れます。砂糖を入れ沸騰したらスープの量に応じて小麦粉を大さじ一杯あるいは大さじの半量を水で溶いたものを入れスープを混ぜます。スープは薄すぎてもドロドロしすぎてもいけません。 卵黄とシナモンを入れてかき混ぜます。

レーズンを入れるというのも独特ですね。これも甘い味のスープなので、ビールは苦みの少ないものを選びましょう。ボック系のビールなんか良さそうですね。

77. 牛乳入りビールスープ

 3~4人分は生クリームを加えた牛乳1/2リットル、水 1/2リットル、強くかつ苦味の少ないビールを1/4リットル、カラントを70g、小麦粉20g、砂糖70g、塩小さじ半分と新鮮な卵を1個使います。 卵と砂糖以外の材料全てを深い鍋に入れ、強火で沸騰するまで火にかけます。絶えずかき混ぜ沸騰したら、素早く鍋を火からおろし、その後数分間スープをかき混ぜ固まらないようにします。塩と卵黄、シナモンを加えよく混ぜます。
 小さなラスクまたは焼いたパンの角切りを添えます。
 スープが固まらないように丁寧にかき混ぜる時間がない場合は、水、ビール、カラントと小麦粉を混ぜて煮立たせ、牛乳も別途沸騰させ、両方を火から降ろして混ぜ合わせ、卵黄を加えて混ぜます。

ビールと牛乳という組み合わせも想像がつかないかもしれません。強くて苦みの少ないビールということで、ここもやはりボック、ドッペルボックなどがよさそう。

IV.牛乳、水で作るスープ

前置き

  牛乳のスープを作るには、牛乳専用鍋を使うことをお勧めします。牛乳は簡単に焦げ付き、その前に鍋に入っていた料理の味を吸収してしまいやすいからです。料理に牛乳を使う時は、あらかじめ鍋の底を冷水でよく洗っておくことが大事です。

 牛乳専用鍋と訳しましたが、元のドイツ語はMilchkocher(牛乳沸かし器)となります。キャンプ用語でコッヘルというのがありますが、それがこのKocherですね。
 画像検索をすると、どうやら琺瑯の牛乳専用の片手鍋が昔からあったようです。その後ステンレス製のダブルウォールのものなども出てきて、焦げ付きにくくなっているようです。

78. 上品なミルクのスープ 温めても冷やしても

 3人分には新鮮な牛乳1リットル、でんぷん大さじ1杯強、卵黄2個、砂糖、レモンの皮、またはバニラ少々、あるいはビターアーモンド少々をつぶしたもの、またはその代わりに新鮮な桃の葉を2枚と塩少々を使います。これらを強火にかけ、沸騰するまで力強く絶えずかき混ぜ、スープ鉢に入れます。卵白を固く泡立て、Q章29番に従って団子を作るか、砂糖を加えて泡立て、熱いスープに混ぜ入れてスープをふんわりさせてもよいです。

注意:暑い季節にはこのスープは冷たくすると、夕食にちょうどよい、食べやすい一品となります。午前中に作っておくこともできます。

桃の葉を使うというのが珍しいなと思いましたが、アーモンドと桃は近い植物なので似たようなニュアンスが出るのでしょうか。ドイツではアーモンドはビターアーモンドとスイートアーモンドを使い分けます。

79. 栄養価の高い牛乳のスープ

 牛乳およそ3リットルを煮立たせます。卵1または2個を溶きほぐし、良質の小麦粉を加えて混ぜたものを冷たい牛乳で薄めます。この生地を、沸騰した牛乳の中にかき混ぜずに入れます。なべ底をスプーンで何度か掻いて生地が鍋底につかないようにし、生地の小さいまたは大きいダマができますが、これにしっかり火を通します。最後にスープに軽く塩をふり、焦げないようすぐに火からおろします。

これは塩少々以外の調味料は使わないようですね。牛乳と卵の美味しさだけを堪能するスープなのでしょうか。

80. 牛乳で作るセモリナ粉のスープ

 セモリナ粉を絶えずかき混ぜながら沸騰した牛乳に振り入れます。塩、砂糖、バター少々を加え、スープにきちんととろみがつくまで火を通します。水250 mlを加えても構いません。一人分のスープの量は250ミリリットルで、セモリナ粉をその質によって15~20g 使います。
 類似のスープは麺を使っても作れます。

麺を使う時は具体的にどうするのでしょうね。麺をすごく柔らかく煮て全体がとろっとなるくらいまでとか?

81. 牛乳で作る米のスープ

 米を洗い、水に入れて火にかけます。お湯が沸騰するほど熱くなったら捨て、一定の火力でしっかり火を通します。全乳を使う場合は牛乳を半量にし、もう半分は水にして、一人あたり1/4リットルと米20gを使います。牛乳の半分を水と一緒に煮立て、シナモンをいくらかと米を入れてゆっくりと柔らかく煮込みます。その後残りの牛乳と砂糖数個と塩を少し加え、もう少し煮詰めます。とろみをつけたい場合は、水で溶いたトウモロコシの粉を加えしっかり火を通します。

お米のミルク粥みたいなイメージをしましたが米の量が書かれていないのでわかりませんね。全乳は脂肪分を減らしていない牛乳、フルファットミルクのことです。

82. 精麦と牛乳のスープ

 精麦を洗い、バターひとかけらと軟水を少し入れて火にかけます。ゆっくりと柔らかくさっと煮込み、必要に応じて水を加えます。次に牛乳と塩少々を加え、とろみのあるスープにし、とろみが十分でない場合はじゃがいもの粉かデンプンを水で溶いたものを加えます。好みで砂糖とシナモンまたは細かくつぶしたメースで味付けします。
 大粒の精麦は前日の夕方に軟水に浸けてふやかします。純正のサゴは同様にすれば美味しいスープが出来ます。
 調理時間は2時間です。材料の量と重さは前のレシピの通りです。

83. ジャガイモのサゴ(パールサゴ)と牛乳のスープ

 サゴは、水少々を加えて熱した牛乳に入れます。でないと崩れてしまいます。15分後パールサゴが柔らかくなったらモンダミーンと塩を加え混ぜ、好みで砂糖とシナモンを入れ、さらに卵黄1個を混ぜ入れてもいいです。
 一人につき牛乳半リットル、サゴ30gを使います。

 82番にある純正のサゴは、サゴヤシの実から作られたもので、こちらはジャガイモで作った類似品です。
 モンダミーンは最初の方に出て来ましたが、ドイツで有名なでんぷんのブランドです。

84.ひきわり燕麦と牛乳のスープ

 ひきわり燕麦は何度か水ですすぎ、水に入れて柔らかくどろっとなるまで煮ます。煮る間よくかき混ぜて焦げ付かないようにします。手早く濾して再度火にかけ、牛乳と塩を加えゆっくりと15分間煮ます。
 1人あたり30~50gの燕麦と全乳1/4リットルまたは1/2リットルの脱脂乳を使います。クノールの調整済ひきわり燕麦と燕麦のフレークを使うと、手早くこのスープが作れます。

85. とうもろこし粉のスープ

 この栄養価の高い安価なスープを作るには、水と牛乳を半分ずつ火にかけゼアニン(ドイツのとうもろこし粉)を入れて、ほどよくとろみがつくまで煮込み、塩で味付けします。

86. チョコレートのスープ

 チョコレート125gをコーヒーカップ1杯分の水と一緒に火にかけ、完全に柔らかくなったらかきまぜ、牛乳2リットルと砂糖を好みの量加え、沸騰したらバニラまたはシナモンと卵黄1~2個を入れてかき混ぜます。卵白を固く泡立てて団子を作り、スープの上に浮かせてもよいし、さらに砂糖とシナモンをふりかけてもいいです。このスープは5人分で、バターで焼いた白パンのスライスを添えます。

87. ひきわり蕎麦粒のスープ

 ひきわりの蕎麦を水少々と火にかけて茹で、次に粉少々を溶き入れたバターミルクを加えて煮立たせます。塩と好みで砂糖あるいはシロップを加えます。同じようにして細かい精麦を使えば、病人向きのスープを作ることもできます。

88. セイヨウスモモまたはレーズンが入ったバターミルクスープ

 乾燥セイヨウスモモ(プルーン)を水で柔らかく煮込み、アニスシードと好みによって細くおろした黒パンを加えます。細くおろした白パンに、固まるよう粉を加え混ぜたバターミルクを注ぎ、絶えずかき混ぜながら煮立たせます。盛り付ける際塩、砂糖、シナモンを混ぜ入れます。生のセイヨウスモモやレーズンを入れて煮ても良いです。

 セイヨウスモモはPflaumeですが、実は(Zwetsche)でもよい、と書いてあります。Zwetsche(ツヴェッチェ)はセイヨウスモモの亜種ですが、日本語名が分からないので入れませんでした。
 パンはとろみ付けのために今でも使います。

89. パン入りバターミルクスープ

 古くなった黒パンを乾燥させてつぶし、皿1杯分を取り、砂糖、シナモン、塩ひとつまみ、バターひとかけらと一緒に水1/4リットルに加え、柔らかくどろっとするまで煮詰めます。1.5リットルのバターミルクに牛乳で溶いた粉30gを入れ、かき混ぜながら沸騰するまで火にかけ、強く混ぜながら煮たパンを入れて砂糖で味付けし、すぐに盛り付けます。

90.茶色く炒めた粉のスープ

 小麦粉を、バターを使わずにA章5番に従ってきつね色に炒めます。牛乳を熱し、炒めた小麦粉を冷たい牛乳で溶いて熱した牛乳に混ぜ入れ、スープにとろみをつけます。砂糖、シナモン、卵黄を入れてかき混ぜ、バターで黄色く焼いた白パンのスライスの上に盛り付けます。

茶色くなるまでローストした粉の香ばしさを味わうスープでしょうか。

91.白く炒めた粉のスープ

 卵半分程度の量のバターを熱し、小麦粉大さじ3杯を入れて、そぼろ状になり盛り上がるまで混ぜます。よくかき混ぜながら熱湯をゆっくり注ぎ入れ、粉を溶いてスープにダマができないようにします。 しっかり火を通したら塩、メース、またはパセリのみじん切り、こしょう少々、新鮮な卵を一個を加えて混ぜ、マギーの粒状肉ブイヨン小さじ1を加えます。 

92. 麺または団子のブイヨンのスープ

 玉ねぎを細かく切って良質の油できつね色に炒め、そこへ水を加えて小さく切った根セロリを入れ柔らかく煮ます。次に麺のスープと塩、アロイロナートスプーン4杯を入れます。沸騰した後も十分なとろみがついていなければセモリナ粉を少々入れます。どちらも火が通ったら、量に応じてリービッヒの肉エキスをナイフの先少々あるいはもう少し入れて混ぜます。根セロリの代わりに最後にパセリのみじん切りを入れても良いです。

麺のスープ、がちょっとよく分かりませんが、簡単に麺を茹でたシンプルなスープでしょう。どこかにレシピ出てたかな・・・?
根セロリの代わりにパセリのみじん切り、というのもちょくちょく出て来ますが、代わりになるのかな?とちょっと不思議です。

93.パイクラストのスープ

 パイクラストを小さく割って水に入れ火にかけます。ドロッとしてきたらバターか良質の油を少々加え、熱湯を少しずつ注ぎ入れます。盛り付ける前にパセリのみじん切りをスープに入れ、スープ鉢に卵黄1個とサワークリームを入れ、かき混ぜながらスープを注ぎ入れます。
 リービッヒの肉エキスやオキソブイヨン、またはマギーの固形ブイヨン加えて、肉で作った美味しいスープと区別がつかないほど素晴らしい水のスープは、ハイルブロンの会社クノールが作る様々なスープの粉やフレーク状のスープ、スープの実を使うと作れます。

パイクラスト、としましたが、ドイツ語ではPastetenteigです。Pasteteはパテのことで、パイ生地やタルト生地に包んで焼くこともあります。この生地(Teig)を使ったスープ、ということです。残ったものの再利用法ということでしょうか。

V. 果物のスープ

甘い果物のスープは、日本ではあまりなじみのない料理ですね。ドイツではたくさん採れた果物を生食、ジャムやコンポートにした他、このようにスープとしても食べます。

94. イチゴのスープ

 細かく砕いたラスクを水に入れてとろりと煮詰め、ワイン、砂糖、シナモンと、もしスープにとろみがつかなければ、水で溶いたデンプンまたはじゃがいもの粉を加えます。火からおろし、1時間前に砂糖をまぶしておいた、受け皿数杯分の完熟したイチゴを加えて混ぜます。ビスケットの砕いたもの又はラスクを添えます。

95. 新鮮なサワーチェリーのスープ

 サワーチェリーを、ラスク少々とレモンの皮または丁子2,3本と必要量の水と合わせて、さくらんぼの果肉が煮崩れない程度に加熱します。スープを濾して再度火にかけ、砂糖、赤ワイン(煮過ぎないこと)、塩とシナモンを加えます。クッキーまたはラスクを添えます。
 冬は乾燥さくらんぼを使います。燕麦の粥とレモン汁を煮て、上のように調理します。

96. リンゴのスープ

 小さく切った酸味のあるリンゴをスープ皿一杯と、受け皿一杯分の湯がいた米を水に入れてやわらかく煮たら、濾して砂糖、シナモン、レモンの皮と塩を加えて煮詰め、卵黄1個を混ぜ入れます。
 米の代わりにジャガイモのサゴもおすすめです。リンゴのスライスを蒸し煮にして、盛り付ける時にスープに入れると素敵です。

ここにも米でとろみをつけるレシピが出て来ましたね。少しおかゆっぽいスープでしょうか。

97. カラントを使った上記と同じスープ

 リンゴと白パン少々を一緒に煮て濾したら、すりおろしてバターで炒めた黒パンをカラントと丁子少々、塩を加えて少し煮たら、シナモンとクリーム大さじ一杯を混ぜ入れます。

98. レモンのスープ

 熟した大きなレモンを、半分皮をむいたら、果肉全部を薄く切り、種を取り除きます。 半リットルの水にレモンスライスを入れ、柔らかくなるまで火を通して濾します。ここにりんごワイン半リットルと必要量の砂糖を加え、大さじ2杯のモンダミンを水で溶いてとろみをつけます。卵黄2個を混ぜこみ、卵白を泡立てて団子を作ってスープの上に浮かせます。

99. 新鮮なセイヨウスモモのスープ

 スープ皿一杯のセイヨウスモモの種を取り、白パンと一緒に水に入れてやわらかく煮ます。スープを濾して砂糖とシナモンを入れて火を通し、バターでローストした白パンを添えます。

日本で作るならプルーンやスモモでよいと思います。

100. 新鮮なセイヨウスモモと牛乳のスープ(夕食にちょうどよいスープ)

  スープ皿いっぱいの熟したセイヨウスモモを濾して、大さじ山盛り2杯の粉を水で溶き、牛乳1.5 ℓと塩少々を加えてセイヨウスモモと一緒に火にかけ、よく混ぜながら粉に火が通るまでしばらくスープを煮ます。セイヨウスモモはつぶれても構いませんが、煮詰めてはいけません。セイヨウスモモが十分熟していれば、砂糖を加える必要はありません。このスープはきちんととろみが付いているのがよく、ある程度冷ましてから食べます。

VI. 冷製スープ

ドイツ語でKaltschaleといいます。kaltは冷たい、Schaleは実験室でおなじみのシャーレですが、ここでは器、特にスープ皿のようなある程度深さのあるものを指します。Kaltschaleで一つの単語として、日本語だと冷製(果物)スープという訳語を見かけますのでこちらを使用します。

101. ワインの冷製スープ

 盛り付ける1時間前にマコロンまたは小さなラスク(大きなものは小さく割る)をスープ鉢に入れ、種を取ったレモンのスライス、シナモン、白ワインと砂糖を入れた水を半々ずつ注ぎます。

マコロンはドイツ語でMakrone(n)ですが、現在よく見かけるフランスのクリームをはさんだマカロンと似てはいますが、クリームはなく、卵白、砂糖をベースにナッツを入れて焼いたものが一般的です。ちなみにココナツを入れたKokosmakronenはドイツではクリスマスによく食べられます。

102. オレンジの冷製スープ

 色々な果物のジュースにワインと水を半々ずつ、シナモン、皮をむいて8等分に切ったオレンジに砂糖をまぶしたものを合わせます。ラスクをワイン少々で柔らかくならない程度に湿らせ、砂糖をまぶして重ねてスープに添えます。

103. 杏の冷製スープ

 杏の皮をむいて種を取り、杏仁数個とシナモン、多めの砂糖を水に入れ、柔らかくなりすぎないよう煮込み、半分をスープ鉢に入れ残りの杏は煮汁と一緒に濾します。冷めたら水と同量のワインを入れて十分に砂糖を加えて甘くし、杏に注ぎます。ビスケットかラスクを添えます。

杏仁は杏仁豆腐でも知られる、杏の種の中身です。ドイツでは、これでペルシパン(Persipan)を作ります。アーモンドで作るマルツィパン(Marzipan)の代用品です。イタリアではアマレットの材料ですね。

104. さくらんぼの冷製スープ

 スープ皿一杯のサワーチェリーを、種を取って1ℓの水に入れ、さくらんぼの種の中身数個、丁子2、3本を合わせて15分火を通したら、濾して冷まし、赤ワイン3ℓ、砂糖とシナモンを加えます。ラスクを割って中に入れるか添えます。スープのとろみが足りなければ、とうもろこしの粉をワインで溶いたものでとろみをつけます。
 泡立てたクリーム(A章3番)を載せてもよいです。

杏の種ならまだしも、あの小さいさくらんぼの種の中身をわざわざ取り出して食べるとは知りませんでした。さっと検索してみると、レシピなどはなく、代わりに飲み込んでしまった時の注意とか、種の中身は毒性がある、などという情報が出て来ますね。アンズなどもシアン化合物が若干含まれていますが、サクランボの種にはアミグダリンという有毒物質が含まれているそうです。ただ間違えて数個飲み込んでしまったとしても中毒性はないとか。でもこのレシピを作る時はサクランボの種は除外した方がよさそうですね。

105. イチゴとラズベリーの冷製スープ

 イチゴを必要に応じて水で洗いますが、ラズベリーはそのまま使います。両方をスープ鉢に入れ、たくさんの砂糖をふりかけたら蓋をして、1時間置いておきます。次に白ワインと砂糖を入れた水を半々ずつ、レモン一個の汁、シナモンを合わせて注ぎ入れます。 果物の半分を越して砂糖を加え、良質の牛乳を代用してもよいです。盛り付ける際丸ごとの果物を牛乳に入れ、小さなマコロンを添えます。

イチゴのスープはネット上でもレシピがいろいろあります。材料はこのレシピと違いますが、例えばこちら。他のレシピに何度も登場する卵白を泡立ててスープに浮かせるのがこれ。

106. サゴまたはお米の冷製スープ

 純正のサゴまたは米125gを湯がいたら、水に入れてかき混ぜずに柔らかくどろっと煮ます(粒が残る程度に)。スープ鉢に入れ、その上に砂糖をたっぷりと、シナモン、レモンの皮のすりおろしと、よく洗って湯がいたカラントを茹で汁と一緒に加え入れます。冷めたら赤ワイン1瓶と水1瓶、砂糖を入れます。

赤ワインを入れて沸騰させたりしないようなので、アルコールはそのまま残りますね。このレシピを試す場合は気を付けて。

107. ビールの冷製スープ

 古くなった黒パンをすりおろし、洗って湯がいたカラントをたっぷりと、シナモン、レモンスライス、苦くないビール、砂糖を好みでまぜ合わせます。

ビールスープは温かいものが多いですが、冷たいバージョンもありますね。アルコール度の弱い、薄めたビール(Dünnbier)というのを昔はよく飲んだそうで、ビールスープもこれで作っていたそうです。朝食に食べたりしていました。

108.ヴェストファーレン風冷製スープ

 古い黒パンをすりおろし、濃いサワークリームを泡立てて、茶色の苦くないビール、砂糖、シナモンと混ぜ合わせます。

ヴェストファーレン風というのは、プンパニッケルの地元であるこの土地ならではの、黒パンを使うところでしょうか。サワークリームを泡立てるというのは、やったことがありませんが、生クリームのようにふんわり泡立つのか分かりません。いつかやってみたいと思います。

109. 冷たいニワトコのミルク

 ニワトコの花を二つ、1ℓの牛乳に入れ、約10分火を通して火を止めます。そこに大さじ一杯のでんぷんまたはじゃがいもの粉を溶いて入れ、煮立たせます。これに砂糖、塩、卵黄1~2個をスープ鉢で混ぜ合わせ、砂糖を加えて泡立てた卵白の団子を浮かせたら、蓋をして冷まします。
 ニワトコのミルクを好むのは一部の人だけで、一般にはニワトコの味は敬遠されがちです。

ニワトコ(ドイツ語でHolunder)はエルダーフラワーのことで、ヨーロッパでは花を風味付けに使ったり、シロップを作ったりしますね。あとドイツでは花をフリットにして食べたりもします。エルダーベリーもドイツでは、ジャムやゼリー、ジュースとして使います(生食は向いていないそうです)。
日本でも輸入物のエルダーフラワーコーディアルなどが手に入りますね。それほど大きく好みが分かれる味という気はしませんが、どうなのでしょう。

110. バターミルクの冷製スープ

 黒パンをおろしてフライパンで軽く炒め、大さじ4杯のパンにつき大さじ2杯の砂糖を入れ、かき混ぜながらさらに炒めます。そこにクリームか牛乳を少々混ぜたバターミルクを注ぎ入れ、盛り付ける前にラスクか白パンを砕いて入れ、最後に冷ました黒パンをまぶします。
 この冷製スープは大変美味でさっぱりとします。

バターミルクはドイツでは普通に市販されていて、フルーツジュースを混ぜて飲みやすくしたものなどもあります。脂肪分が少ないので、クリームや牛乳を少し混ぜてコクを出すのでしょうか。

111. 泡立てたクリーム

 甘く濃いクリームを、冷たい場所で泡立て器でふんわり泡立てます。砂糖とバニラを加え、盛り付けてラスクとおろした黒パンを添えます。

スープというよりはクリームを食べるって感じですが、あまり角は立てない程度に泡立てればいいのか、その辺は詳しく書いてありません。おろした黒パンは振りかけて食べるということなのでしょう。

112. 泡立てた酸乳

 牛乳は濃くとりますが、クリームはまだかなり滑らかでも構いません。先ほどと同じように酸乳で泡立て、砂糖とシナモンを加えてかき混ぜます。

短いレシピですがイマイチピンときませんでした。特に乳製品に詳しくない日本人からすると余計に分かりにくいです。
牛乳を濃く取る ー 家庭に樽などに入ったミルクがあるとして、上にクリームが浮いているとすると、そのクリームも十分に含ませてすくい取る、という意味でしょうか。そうするとクリームはまだ「滑らか」ではあるかなと。
酸乳というのは、生乳に乳酸菌を加えて発酵させたもので、これが段々と固まっていき、チーズの元となります。
これもふんわり泡立つのかどうか分かりませんが、よく混ぜ合わせる、くらいの意味合いかもしれません(108番も)。
酸乳はドイツ語でDickmilch(Sauermilch)と呼び、スーパーの乳製品コーナーで購入できます。ミューズリーに混ぜたりして食べます。大手メーカーのものはこちら。

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では、これでやっとスープ終わりました。次回からは「C章:野菜とジャガイモの料理」に入ります。

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