【4通りの方法】現状に満足しないときにどうするか
どうも。藁科侑希(わらしなゆうき)です。
普段は大学教員やスポーツ現場でコーチやトレーナーをしております。
今日が332日目のnote投稿です。
今日は、アダム・グラント著、楠木健監訳『ORIGINALS 誰もが「人と違うことができる時代」』から。
この本は何かに挑戦する人、頑張っている人、自分には何ができるのだろうと自問自答している人へのエールになるような本だと思います。おすすめ。
自分が迷い、悩んだときにどうするか。
不安や恐れを抱いたときに、どう対処するか。
自分のことを大切にしてくれる「本当の友」を見つけるためにはどうしたらいいのか。
こうしたことをはじめとして、これからの時代に自分自身がどうありたいか、の指針を示してくれるような内容です。
本記事では、その中でとても具体的で、明瞭な対処の一例を引用し、自分なりの考えも交えて述べていこうと思います。
※以下、引用部分は色つきにしています。
●不満への対処は「離脱」「発言」「粘り」「無視」の4通り
経済学者のアルバート・ハーシュマンの著書によると、満足のいかない状況に対処する方法には四通りあるそうだ。
何十年もの研究の結果、不満の対象が仕事であっても、婚姻関係であっても、政府であっても、対処法は「離脱」「発言」「粘り」「無視」の4パターンなのだ。
「離脱」とは、その状況から完全に身を引くことだ。つらい仕事を辞めたり、暴力を振るうパートナーと別れたり、圧政を敷く国を去ることなどだ。
「発言」とは、その状況を積極的に改善しようと行動することだ。職場の環境を充実させるために上司に意見を述べたり、パートナーにカウンセリングをすすめたり、活動家になって腐敗のない政府を選挙で選ぼうとすることなどだ。
「粘り」とは、歯を食いしばって我慢することだ。息の詰まるような仕事でも懸命にがんばるか、忠実にパートナーのそばに留まるか、政府に不満を抱きながらも現状を受け入れるなどだ。
「無視」とは、現状に留まるが、努力はしないことだ。クビにならない程度に仕事をしたり、パートナーとの距離を取るために新たな趣味を見つけたり、投票に行かなかったりなどだ。
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●他者や慣習に立ち向かうのは「トゲのある人」
先の4つの方法は、とても明瞭でわかりやすいなと思います。
私もよく相談を受けるのですが結局のところ、この4通りのどこに重きを置くのか、ということに終始するように感じます。
そして、組織のためにあるいは自分のためにどうしたいのか、という気持ちがとても重要になりますよね。
根本的に、どれを選ぶかは「コントロール(状況の決定権が自分にあるという気持ち)」と「コミットメント(状況に関与したいという前向きな気持ち)」にかかっている。
気持ちの向き合い方が、この分類によって整理されるように思います。
そして、現状を変えようとする、他者や慣習に立ち向かおうとするのは、えてして「トゲのある人」だということもここから明らかになりますよね。
書籍の中では、【「やさしい上司」より「気むずかしい上司」に】と副題が設定されていましたが、その意図からきているだろうと思いました。
◎コントロールは、自分が変えられる、影響を与えられると信じているかどうか。
◎コミットメントは、変化が必要だと思うほどの高い関心を持っているかどうか。
それぞれのバロメーターが、現状への対処を決定づけ、マトリックス上の4分割のどこに自分を位置づけるか、を決定するのだと思います。
尊敬できる上司は、「親しみやすい人」「優しい人」「温厚な人」とは限らないですよね。
私が尊敬する人を思い浮かべて、ある側面ではそうでも、皆一様に「戦っている」「挑戦している」「変化を促す発言をしている」方が多いなと思います。
「親しみやすい人は、まわりと協調し、基準にしたがうことを重視しているため、ことを荒立てて対人関係を乱すのを避けたがるものだ。」
———ジェフ・レピーヌ、リン・ヴァン・ダイン(経営管理学 研究者)
親しみやすさとは、とても好まれると思います。
しかしながら、何かを推し進めることや変化をさせていくことに対して、どうしても腰が重くなることがありますよね。
同調すること、協調すること、保守的に立ち回ること。
それは、組織や社会の中での自身の保身、権利の剥奪を避けることや地位の保持を望む、いわば恐れや不安を表してもいるのだと思います。
組織のため、というよりは自分のための要素が大きいですよね。
そのために、対極にある「トゲのある人」に代表されるように、自身の中のトゲの部分を持つことで、現状に異議を呈し、新しいことをどんどん取り入れる。
すると、組織にとっての現状維持や現状擁護ではなく、「組織の発展」に対して真摯に取り組むことにつながる。
このような、『変革者』が組織には一定数必要なのだと感じています。
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●「行動を起こさなかったための失敗」を後悔しないために
状況を変えるには、現実的な選択肢は「離脱するか」「発言するか」だけである。
しかし、どうしても離脱できない状況、発言できない状況もあるのだと思います。
そこで自分たちはどう立ち回ればいいのか。
声を上げつつ、リスク・ポートフォリオを安全に保ち、必要であれば立ち去るために準備をしておくことだ。
上司自身が成長し、考えを変える余裕がある場合は、同じ組織に留まって発言するという選択肢もあろう。
しかし上司に進化がなく、聞く側も考えを変える気がない場合は、別の組織でより良いチャンスを見つけられるかもしれない。
いずれにしろ、これらの行動は自分や組織の「先をみて」のものですよね。
長期的にみると、人間が後悔するのは「行動を起こしたうえでの失敗」よりも、「行動を起こさないでの失敗」であるとエビデンスとしても示されているとのこと。
私自身も、最終的に発言をしたことで離脱を余儀なくされた一人です。
しかし、後悔をしているかといえば全くしていないなと思います。
周りや立場的に上の人にビクビクおどおどしている、粘りを強いられ、自分の表情や感情まで"能面"のようになっていることが果たして自分にとって最良なのか。
ただ搾取されるだけの人生でいいのか。
その答えとして、自分の信念に沿った発言や、組織や社会に対して、そして選手に対しての想いを口にして、発言をすることはある程度必要と感じました。
だからと言って、むやみやたらに対立を作りたい、敵を作りたいというわけではなくて。
「優しいだけ」では前に進まないことを頭に置いて。
「時に厳しく、トゲも持ち合わせて」協働できる関係性でいたいなと思います。
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今日はここまで。332日目おわり。
最後までお読みいただきありがとうございました!
それではまた明日。
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【保有資格】
博士(スポーツ医学 筑波大学)
日本スポーツ協会公認バドミントンコーチ3
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツコーチ
日本障がい者スポーツ協会公認中級障がい者スポーツ指導員
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー
NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
NSCA認定パーソナルトレーナー
高等学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
中学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
赤十字救急法救急員
【現在の大学担当授業】於:東京経済大学・千葉大学・日本女子体育大学
<体育実技>
●バドミントン ●卓球 ●バレーボール ●トレーニング理論実習
<ワークショップ科目>
●テーピング・マッサージ実習 ●スポーツ医学理論実践
<講義科目>
●健康の科学a ●健康の科学b ●スポーツとの出逢い
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