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月刊「ぶんぶくちゃいなノオト」

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#林鄭月娥

【ぶんぶくちゃいな・全文無料公開】延伸する香港人ジャーナリストの芽「負けはしないと信じ続ける」

【ぶんぶくちゃいな・全文無料公開】延伸する香港人ジャーナリストの芽「負けはしないと信じ続ける」

香港は7月1日にどうにか習近平を迎えて、主権返還25周年式典と新政府高官就任式が行われた。すでに日本のメディアの多くが伝えているように、今回の香港訪問は2020年1月に新型コロナの感染が拡大し始めてから2年余り、初めて習近平が一般に「中国大陸」と呼ばれる「内地」から足を踏み出したことになる。そういう意味では、香港の主権回復25周年という節目は、中国政府にとって大きな意味を持つものだったといえるし、

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【ぶんぶくちゃいな】新行政長官ほぼ決定! 今後の香港を占う

本日午後、わたしは香港特別行政区行政長官に、香港特別行政区政務長官職務の辞職願を提出し、同時に行政長官に「香港基本法」第48条第5項に基づいて中央人民政府にわたしの政務長官職務解任を申し出るよう提言しました。辞職の理由として辞職願には、もしわたしの辞職が中央人民政府によって認可されれば、わたしは次期行政長官選挙に参加するつもりであることを書き添えました。

4月6日午後、李家超・政務長官は記者会見

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【ぶんぶくちゃいな】コロナ厳戒態勢から行政長官戦入りする香港

3月21日、林鄭月娥・香港行政長官は、わずか一カ月前に自ら宣言した3月中の「全市民を対象にした強制PCR検査」(以下、「強制検査」)の実施を暫時見送り、4月から現在実施されている新型コロナ対策を緩和すると発表した。

連日5万人台の新規感染者が報告されていた月初めから約3週間弱たって、19日にやっとその数は2万人を切り、それ以降ずっと1万台が続いている。750万人の人口で1日1万人台だからまだ「少

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【ぶんぶくちゃいな】香港コロナ対策のつまずき 加速する中国政府頼り

オンライン会議の相手に「そちらの感染状況はどんな感じ?」と尋ねられて、あんまり気にしていなかったことに気がついた。香港に入って約1週間、ちょうどホテル隔離の折り返し地点に入ったところだった。

その時の数字は1日あたり新規陽性確認が約2000人ちょっと。日本が2000人だった時はいつだったけな、と思いつつ、全人口750万人の香港の割合でいうと、日本で3、4万人の新規感染者数が出ているレベル。となる

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【ぶんぶくちゃいな】パーティ事件その後:高官処分で暴露された香港政局の「地勢図」

春節、香港では「農暦新年」と呼ばれるが、この中華圏にとって1年で最も大事な旧正月の大晦日にあたる1月31日、政府の民政局長だった徐英偉が辞表を林鄭月娥・行政長官に提出したことが明らかになった。

やっと、というべきか、さもありなん、というべきか。

徐氏は《【ぶんぶくちゃいな】 「オミクロンか、政治力か?」香港政治新生態》でお伝えしたとおり、1月3日夜に開かれた、なんと200人以上が出入りした誕生

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【ぶんぶくちゃいな】「オミクロンか、政治力か?」 混戦する香港政治新生態

2021年は民主的な政治制度を希求し続けてきた香港市民にとって、悪夢のような1年だった。そして年が変わって改めて振り返ってみると、実は政府は年初から年内に行われることが決まっていた立法会議員選挙に照準を合わせ、民主派潰しの「スケジュール」を組んでいたことがわかる。もちろん、市民は蚊帳の外に置かれて、目の前で起きた事態にただただきりきり舞いさせられただけだった。

その主だった出来事を以下に再録して

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211231 「ダイヤモンド・オンライン」寄稿:中国が望む「正しい選挙」とは?香港選挙期間中の摩訶不思議なアレコレ

12月19日に行われ、過去最低の投票率となった、香港の最高議決機関立法会議員選挙。有権者になるにはまず有権者登録が必要な香港で、有権者数は過去最大の477万人を集めながら、過去最低の投票率というのはつまり、明らかに市民による「ボイコット」でした。市民の気持ちを二重三重に萎えさせた政府や親中派のあの手この手をまとめました。

【ぶんぶくちゃいな】香港新選挙制度スタート、その深い罠と暗い闇

秋。食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、わたしの順番はこのとおり。そして、今年はこれに、「選挙の秋」が加わった。

とはいえ、今わいわいとメディアが伝えている自民党総裁選は、我われほとんどが眺めるだけで、投票どころか口を出すチャンスもないわけで。ただひたすら眺めているだけ。

先日、香港でも750万市民の749万5000人以上が眺めるだけの選挙が行われた。投票率はほぼ90%で、香港特別区政府は「香港

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【ぶんぶくちゃいな】「ぼくらは民意で選ばれた」辞めていく香港区議会議員の想い

先週末から今週初めにかけて、日本の各メディアに「香港の民主派区議会議員が大量辞職」の記事が流れた(NHK/読売新聞/朝日新聞 )。

朝日新聞の記事のように、新型コロナ規制もあってフリーランスも含めて外部から香港入りできない間に起こった大きな政治的背景の変化について触れた記事もある一方で、相変わらずその瞬間の事実だけを述べた報道もある。だが、どちらにしても、日本で暮らす人たちがそれを読んだだけでは

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【ぶんぶくちゃいな】「アップル・デイリー」は中国共産党100週年の生け贄にされた?

日本でも大きく報じられ、産経新聞に至ってはトップに哀悼の言葉を掲載した、香港紙「蘋果日報」(アップル・デイリー)の発行停止。編集者出身の経営トップら5人が突然逮捕されてからちょうど1週間目という、ものすごい速さで廃刊が決まった。

直接の原因は5人の逮捕とともに、アップル・デイリーの親会社である「壱伝媒」(ネクスト・デジタル)の資産口座が警察によって凍結されたこと。

凍結直後は「それでもあと数ヶ

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【ぶんぶくちゃいな】香港の特色ある「民主」の実現…そして誰もいなくなる?

今朝(訳注・3月30日)行われた第13次全国人民代表大会常務委員会第27回会議において、満場一致で『香港基本法』附則一と附則二改定案が可決されました。これにより、香港特別行政区の選挙制度が完備され、『一国二制度」に見合った“憲制”秩序、香港の実際の状況にふさわしく、『愛国者治港』を実現する政治体制が構築されました。わたしと香港の特別行政区政府は新たに制定された附則一と附則二をしっかりと支持します。

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【ぶんぶくちゃいな】「抹消」される香港

香港特別行政区立法会議員に、「香港独立」主張を喧伝あるいは支持したり、香港に対する国家の主権の所有の承認ならびにその行使を拒絶したり、外国あるいは海外勢力による香港特別行政区事務への干渉を求めたり、あるいは国家の安全を損なうなどのその他行為があった場合は、中華人民共和国香港特別行政区基本法を擁護、また中華人民共和国香港特別行政区に忠誠を尽くすという法定要求と条件に符合せず、法に従ってそれが認められ

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【ぶんぶくちゃいな】習近平版「南巡講話」に見る威勢と虚勢

【ぶんぶくちゃいな】習近平版「南巡講話」に見る威勢と虚勢

10月12日午前、ネットで2日後に予定されていた、林鄭月娥/香港行政長官による4回目の「施政報告」の内容についての予想論評を読んだばかりのところに、突然「施政報告延期」のニュースが流れてきた。

林鄭長官は延期を告げる記者会見で、この日の朝に新華社が発表した習近平・国家主席の南方視察スケジュール、そして14日に行われる「深セン経済特別区設立40週年記念式典」出席に触れ、施政報告発表がこの式典と重な

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【ぶんぶくちゃいな】あれから1年…「正義」を叫び続ける母

陳同佳、という名前を聞いて、すぐに誰なのか分かる日本人はたぶんほとんどいないだろう。だが、今の香港ではこの人物にまつわる話題が沸騰している。

この人物が誰なのか。説明すればきっと分かるはずなので、ちょっとおさらいをしてみよう。

今、毎日香港のニュース欄を賑わせている話題に香港国家安全維持法(以下、国家安全法)絡みのものがある。これは、少なくともこれを読んでいる皆さんはもうご存知ですね。

この

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