いぬいぬ

犬好きの30代 | 都内在住 | IT系の企業に勤めるサラリーマン | 旧帝大文学部出…

いぬいぬ

犬好きの30代 | 都内在住 | IT系の企業に勤めるサラリーマン | 旧帝大文学部出身 | エッセイ・随筆・古文学が好き | 複数のブログ運営 | 自身の心情・感性などをエッセイとして発信

マガジン

  • いぬいぬエッセイ集

    前向きに日々頑張る社会人、いぬいぬの綴る、ちょっと短めのエッセイをまとめたマガジンです。

最近の記事

【エッセイ】涼風を待ちわびて

梅雨真っ只中の夜、僕はベランダに立っていた。 夕立が過ぎ去った後の空気は、湿度を帯びつつも、それはそれで心地よかった。 頬に触れる夜風がひんやりと涼しく、僕の体はその感触を歓迎していた。 不思議と、この季節の雨上がりの風は特別に感じる。 まるで自然が、心地よさと安らぎを伝えてくれているかのようだ。 「夏が近いな」と思う。 もうすぐ熱帯夜がやってくる。 それでも、僕はこの瞬間を大切に感じていた。 梅雨という季節は、湿度と闘いながらも、そんな小さな幸せを教えてくれ

    • 【エッセイ】父と娘の数日間:子育ての挑戦と学び

      妻が数日間不在となる、それは僕にとって未知の領域だった。 普段は僕は仕事の傍ら、育児は主に補佐役に徹しているのが現実だ。 しかし、その数日間、僕は一人で娘と向き合うことになった。 初日、天気は晴れ。 妻はまだ静かな朝早くから重いトランクを引いて、名残惜しそうに家を後にした。娘はまだぐっすり眠っている。 「今日からはパパと二人だね」と話しかけると、彼女は小さく頷いたように見えた。 ぎこちない保育園への送り迎えと、待ってくれない仕事の山に奮闘した初日だった。娘のお風呂

      • 【エッセイ】初夏の予感:5月の30度

        真昼の光が窓を通り抜け、僕の仕事部屋はまるで熱帯雨林のような温度になっていた。 5月なのに、室温は33度を示している。 コーヒーを淹れる手も、キーボードを叩く指も、焦げつくような暑さに緩慢になる。 まさに初夏の予感を感じさせる一日だ。 朝からの仕事を終え、窓を開けてみると、外からはじわりとした暑さが部屋に入ってくる。 近所の道路の木々は、まるで夏の日差しを浴びて輝いているかのようだ。 僕は椅子から立ち上がり、ほんの少しの間だけでも、この不思議な5月の太陽の下に立つ

        • 【エッセイ】 休日の清々しき断捨離

          休日。 僕はクローゼットを開けて、深呼吸した。 眼前に広がるのは、長年積み重ねてきた衣類や小物たち。 今日の目的は一つ、「断捨離」。 まさに、物理的な空間を取り戻すだけでなく、心の中にも新たなスペースを生む作業だ。 まず、服。 手に取ったのは、大学時代によく着ていたスウェット。 あの頃の自分は、このスウェットにどんな思いを託していたのだろうか。 しかし、もう着ることはない。 それは「過去の僕」が選んだもので、「現在の僕」には必要ない。 そう確信して、袋に入

        【エッセイ】涼風を待ちわびて

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        • いぬいぬエッセイ集
          19本

        記事

          【エッセイ】地震との共生:東京の朝

          ――それは未明、未だ深い眠りについている時だった。 突如としてスマートフォンが鳴り響き、画面に映し出された文字は「緊急地震速報」。 その瞬間、僕の頭の中は混乱に陥った。 揺れはすぐにおさまったものの、ブザーの音でひどく慌てた。 震源地は千葉県南部、マグニチュードは5.4。 東京は震度4を記録するとのことだった。 ―――――― 僕の頭の中はまだ地震速報の情報でいっぱいで、その情報を整理しながら、自宅の安全確認を始めた。 まずは家族の安全、次に家具の転倒、そしてガス

          【エッセイ】地震との共生:東京の朝

          【エッセイ】 GW充電の効果:心機一転への道

          ゴールデンウィークの休暇は、何気ない日常から離れてリフレッシュする貴重な時間だ。 僕も今年のGWは、心身共に充電し、日常に戻る際に新たな意気込みで取り組むための準備期間と捉えていた。 (その結果、noteはしばらくお休みしていました…) 休みに入ると、まずは家族との時間を大切にすることにした。 妻と1歳の娘と一緒に遊ぶ時間が増え、普段は忙しくて見逃してしまう娘の成長に気づく瞬間もあった。 また、友人たちとのオンライン飲み会を開いて久しぶりの交流を楽しみ、心の疲れが癒

          【エッセイ】 GW充電の効果:心機一転への道

          日本語って面白い。こんなに表現力豊かな言語は少ない。

          いぬいぬです。 普段はエッセイを中心に投稿していますが、ちょっと一発ネタを投稿しようかなと思い。 突然ですが、日本語って世界でも難易度の高い言語だと言われていますよね。 それは文法もそうですし、表現の幅も段違いだからじゃないでしょうか。 例えば、英語の you って、皆さんなら何と訳しますか? 多くの人は「あなた」と答えますよね。正解です。 でも、日本語の表現の幅がこれだけでわかります。 百聞は一見に如かず。 まだまだあると思いますが、翻訳結果はおそらく同じで

          日本語って面白い。こんなに表現力豊かな言語は少ない。

          【エッセイ】 リモートでつながる

          雨のゴールデンウィークが始まった。 窓の外はシトシトと降り続く雨が、憂鬱な雰囲気を醸し出していた。 しかし、僕は友人たちとオンラインで繋がることで、この雨模様の休日を楽しく過ごすことができた。 LINEで久々に遠方の友人と連絡をとり、ビデオチャットをすることにした。 窓に当たる雨音がBGMを奏でる中、画面越しに友人たちの顔が浮かび上がった。 久しぶりの再会に「元気だった?」と言い合ったり、「このマンガ面白かったよね!」と共通の趣味を語り合ったり、まるでリアルな食事会

          【エッセイ】 リモートでつながる

          【エッセイ】 仕事と休養の天秤

          僕は普段、仕事に一生懸命取り組むタイプで、どんなに体調が悪くても休むことは滅多にない。 しかし、先日は遂に重い風邪を引いてしまい、仕事を1日休むハメになってしまった。 (note の連続投稿も途絶えてしまい、残念でならない。) この風邪はおそらく、1歳の娘が保育園に通い始めてからもらってきたものだろう。 最近は家族みんなが風邪をひくことが多く、娘が保育園で免疫をつけるまでの間、風邪が家族に伝染していくことがよくあるらしい。 その日、目覚まし時計が鳴ると、いつもとは違

          【エッセイ】 仕事と休養の天秤

          【エッセイ】コーヒーの香り

          朝、まだ薄暗い部屋で目を覚ますと、僕の心はどこかぼんやりとしたままで、新たな一日への活力が湧いてこないことがよくある。 そんなぼんやりした朝も、コーヒーの香りがそっと僕の隣に寄り添ってくれると、心が温かく包まれ、一日が始まるのを実感する。 テレワークが一般化してから、自宅で仕事をする日には、僕は毎朝自宅で仕事を始める前に、コーヒーを淹れる習慣ができた。 朝食後に、コーヒーミルで豆を挽く瞬間、耳に心地よい音が響く。 そして、挽きたての豆をドリップポットに入れると、その香

          【エッセイ】コーヒーの香り

          【エッセイ】「春眠暁を覚えず」への抵抗の日々

          春の訪れとともに、朝が少しずつ明るくなり、暖かさが日に日に増してくる。 それと同時に、何故だろうか、春の朝はなんとも言えない眠気に襲われる。 「春眠暁を覚えず」 まさにその通りだ。 僕は仕事で忙しい日々を送る一方で、家では1歳の娘がいる。 毎朝、熟睡している娘の姿を見ては、彼女の寝顔に癒される。 しかし、その姿はあまりにも平和で、ついつい自分も布団に戻りたくなる誘惑と戦わねばならない。 勝負の行方は、その日の僕の根性次第である。 アラームが鳴っても、なかなか起

          【エッセイ】「春眠暁を覚えず」への抵抗の日々

          【エッセイ】街角の四季 「春の訪れ」

          春の足音が街角にも響き始める頃、都会の喧騒の中にもふとした瞬間に感じられる季節の移り変わりに心躍らせている。 桜の花が散り、新緑が街に彩りを添えるこの時期、暖かな陽射しを浴びるのは、まさに至福のひとときである。 最近はテレワークが中心だが、たまに出社が必要な時は駅へと足を運ぶ。 通勤途中、公園の端に立つ一本の木に目を惹かれる。 まだ冬の名残を感じさせる枯れ葉が揺れる木々の中で、新緑の若葉が力強く伸びている。その緑は若々しく、生命力に満ちていて、見るだけでエネルギーをもら

          【エッセイ】街角の四季 「春の訪れ」

          【雑記】いつの間にかエッセイ 10記事突破

          こんにちは、いぬいぬです。 普段は「だ・である調」で堅めのエッセイを投稿していますが、たまには雑記として思ったことを書こうかなと思います。 私はまだ note を始めて日が浅いですが、エッセイを投稿するのが習慣になると、「文章を書く」ということがこんなにも面白いことなんだなと改めて気づきました。 些細な出来事をエッセイとして残すことで、後から振り返ってみて「当時こんな感情を持ったんだ」と、初心を思い出すきっかけになります。 10記事投稿で記念に雑記を書こうかなと思って

          【雑記】いつの間にかエッセイ 10記事突破

          【エッセイ】メダカとの暮らし

          僕はメダカという小さな生き物と共に毎日を過ごしている。 朝、目覚めるとまずはメダカの水槽を覗き込み、夜寝る前には彼らの様子を眺めながら一日を締めくくる。 僕の日常の一部に、メダカが存在する。 メダカの世話は案外シンプルだ。 まずは水槽を清潔に保つことが重要だから、週に一度は水替えをして水質を維持する。 そして、彼らが快適に過ごせるように、水草や石を配置して自然な環境を再現する。 彼らには毎日、専用のエサを与える。 しかし、メダカは大食いではないので、食べきれない

          【エッセイ】メダカとの暮らし

          【雑記】微熱が教えてくれたこと

          今日、僕は微熱を感じた。 ただ、特に重要なデッドラインが迫っており、仕事を休むわけにはいかなかった。 幸い、僕はテレワークで働いていたため、無理せず自宅で仕事を進めることができた。 これがきっかけで、僕は自分の働き方を見直し、意外な発見をすることになる。 働き方の見直し熱があるため、僕は仕事に取り組むペースをゆっくりにした。 その結果、適度な休憩ができるようになり、集中力が途切れにくくなった。 普段より多めの水分補給も心がけることで、立ち上がる回数も増え、自然と気

          【雑記】微熱が教えてくれたこと

          【エッセイ】メロディの彩り

          僕は、音楽と共に生きてきた。 別にアーティストでも作曲家でもなんでもない、ただの一般人だ。 でも、音楽は大好きだ。 それは心の隅々にまで浸透し、日々の生活に色を添える素晴らしい存在だ。そして、音楽は人それぞれのシーンや状況に合わせて楽しむことができる。 音楽の世界は果てしなく広く、多様性に富んでいる。それぞれの音楽ジャンルが僕たちに異なる心の動きや情感を与えるのだ。 仕事に集中したい時には、僕の心を癒し落ち着かせてくれるアーティストの曲を聴く。 それが僕の集中力を高

          【エッセイ】メロディの彩り