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【エッセイ】地震との共生:東京の朝

――それは未明、未だ深い眠りについている時だった。

突如としてスマートフォンが鳴り響き、画面に映し出された文字は「緊急地震速報」。

その瞬間、僕の頭の中は混乱に陥った。

揺れはすぐにおさまったものの、ブザーの音でひどく慌てた。

震源地は千葉県南部、マグニチュードは5.4。
東京は震度4を記録するとのことだった。

――――――

僕の頭の中はまだ地震速報の情報でいっぱいで、その情報を整理しながら、自宅の安全確認を始めた。

まずは家族の安全、次に家具の転倒、そしてガスや水道の確認。
この一連の行動はまるで訓練されたように、自然と身に付いていた。

そして、その後は何とも言えない時間が流れる。

目覚まし時計が鳴るまでの時間、あまり眠れない時間が続いた。

中途半端な時間に、普段聞き慣れない音で飛び起き、安全確認で起き上がってしまったので、目は冴えてしまった。

布団に入っても、心地よい眠りにつくことはできず、ただただ時間が過ぎていくのを待つしかなかった。

上京以来、東京という都市で地震と共に生きてきた僕でも、やはり唐突な地震はいつも心をかき乱す。

そして、やがて朝が来る。

通常通りの朝のルーティンが始まる。

しかし、その中には少し違うものが混ざっていた。


寝不足からくるだるさ、そして地震の余韻からくる緊張感。

それでも、コーヒーを淹れ、ニュースをチェックし、仕事に向けての準備を始める。

東京という都市は、そうやって地震と共存してきた。

地震という自然現象に対する恐怖と共に生きながら、それでも日常を取り戻し、前に進む。それが僕たち東京都民の日常なのだ。

震源地でなかったことに感謝しつつも、あの東日本大震災の恐怖が地震のたびに心をよぎる。

地震という存在は、常に僕たちの生活の一部であり、その恐怖と向き合うことで、僕たちは日常を見つめ直し、大切なものを再確認する。


それが地震と共生する東京の朝、そして日常なのだ。


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