マガジンのカバー画像

Daily PLANETS

宇野常寛/PLANETSが毎朝お届けするウェブマガジン。猪子寿之、落合陽一、古川健介ほかたくさんの仲間と未来を考えます。
¥864 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

2017年10月の記事一覧

中川大地 ふたつの「GO」が照らす〈空間〉と〈時間〉―――『ポケモンGO』『Fate/Grand Order』が体現する脱ソーシャルゲームの道筋 後編(現代ゲーム全史・特別編)

中川大地 ふたつの「GO」が照らす〈空間〉と〈時間〉―――『ポケモンGO』『Fate/Grand Order』が体現する脱ソーシャルゲームの道筋 後編(現代ゲーム全史・特別編)

文筆家/編集者・中川大地さんの『現代ゲーム全史』刊行から1年余。2015年で完結していた同書の“先”の展開を、特別編としてお届けします。〈空間〉を資源化する脱ソーシャルゲームの領域を切り拓いた『ポケモンGO』、現実の〈時間〉と連動しリアルタイムな臨場感で再神話化を試みた『Fate/Grand Order(FGO)』。2016年に誕生したふたつの「GO」が照らす、翌17年以降の〈複合現実の時代〉の展

もっとみる
トランスフォーマー:ロストエイジを生き延びた、日本ものづくりを継ぐ者――デザイナー・大西裕弥インタビュー(PLANETSアーカイブス)

トランスフォーマー:ロストエイジを生き延びた、日本ものづくりを継ぐ者――デザイナー・大西裕弥インタビュー(PLANETSアーカイブス)

今回のPLANETSアーカイブスは、デザイナー・大西裕弥さんのインタビューです。
リアルなメカがロボットに変形する、という斬新なコンセプトを持ったタカラトミーの玩具、トランスフォーマー。2017年で33周年を迎えた異例のロングセラーです。この世界中で大人気の日本発プロダクトは、果たしてどのように作られているのでしょうか。2014年、PLANETS編集部と宇野常寛は葛飾のタカラトミー本社を訪ね、新進

もっとみる
男と食 3 | 井上敏樹

男と食 3 | 井上敏樹

平成仮面ライダーシリーズなどでおなじみ、脚本家・井上敏樹先生のエッセイ『男と×××』。今回は敏樹先生が出会った「最悪の店」のお話です。年に数回無性に食べたくなるというお好み焼き。しかし、そこには少し暗い思い出が……?

「平成仮面ライダー」シリーズなどで知られる脚本家・井上敏樹先生による、初のエッセイ集『男と遊び』、好評発売中です! PLANETS公式オンラインストアでご購入いただくと、著者・井上

もっとみる
【特別寄稿】宇野常寛「あなたはなぜ『母性のディストピア』を読むべきか」

【特別寄稿】宇野常寛「あなたはなぜ『母性のディストピア』を読むべきか」

10月26日(木)、宇野常寛待望の新著『母性のディストピア』が発売になりました。「新しい思考」の場となることを期待されていたはずのインターネットは、いまや自尊心を守るために他人を叩くための場となってしまいました。宇野がこの卑しさを解き放つ活路を見出したのは、アニメ、ゲーム、アイドルについて語ることでした。人々の欲望にまみれた市場の中の表現にこそ世界の真実が露呈する。宇野が思いのたけをぶつけた書き下

もっとみる
中東でエンタメ大国は生まれるのか? | 鷹鳥屋明

中東でエンタメ大国は生まれるのか? | 鷹鳥屋明

鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。若年層の多い中東では、年々アニメや漫画、ゲームの人気が高まっています。5〜6万人を動員するというドバイコミコンを筆頭にイベントも乱立していますが、「中東クオリティ」のトラブルが起こることも多くあり……。延期を重ねるイベント、準備体制が「マイナス」のワークショップ、いっこうにできあがらないアニメ、それに翻弄される日本企業の様子まで、鷹鳥屋さんに詳細に語っ

もっとみる
中川大地 ふたつの「GO」が照らす〈空間〉と〈時間〉―――『ポケモンGO』『Fate/Grand Order』が体現する脱ソーシャルゲームの道筋 前編(現代ゲーム全史・特別編)

中川大地 ふたつの「GO」が照らす〈空間〉と〈時間〉―――『ポケモンGO』『Fate/Grand Order』が体現する脱ソーシャルゲームの道筋 前編(現代ゲーム全史・特別編)

文筆家/編集者・中川大地さんの『現代ゲーム全史』刊行から1年余。2015年で完結していた同書の“先”の展開を、特別編としてお届けします。日本ゲームのソーシャル性の原点とも言える『ポケットモンスター』から20年。2016年に登場した『ポケモンGO』は、国産ゲームの発展とは切り離された脈絡から逆輸入され、人々に衝撃を与えました。今回は日本型ソーシャルゲームの発展と現状を踏まえつつ、『ポケGO』が見せた

もっとみる
京都精華大学〈サブカルチャー論〉講義録 第12回 「世界の終わり」はいかに消費されたか――〈宇宙戦艦ヤマト〉とオカルト・ブーム(PLANETSアーカイブス)

京都精華大学〈サブカルチャー論〉講義録 第12回 「世界の終わり」はいかに消費されたか――〈宇宙戦艦ヤマト〉とオカルト・ブーム(PLANETSアーカイブス)

今回のPLANETSアーカイブスは「京都精華大学〈サブカルチャー論〉講義録」をお届けします。ここからの講義録は「戦後アニメーションと終末思想」がテーマ。今回は70年代半ばに第一次アニメブームを起こした『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』におけるSF作品の内実の変化と、『幻魔大戦』に代表される「オカルト」というモチーフの浮上を扱います。(この原稿は、京都精華大学 ポピュラーカルチャー学部 2016年

もっとみる
宇野常寛『宮藤官九郎と日本の「長すぎた思春期」』

宇野常寛『宮藤官九郎と日本の「長すぎた思春期」』

秋クールでも注目度抜群のTBSドラマ、宮藤官九郎脚本の『監獄のお姫さま』が今週10月17日(火)にスタートしました。そこで、今回は本誌編集長・宇野常寛による宮藤官九郎論をお届けします。2016年のテレビドラマ『ゆとりですがなにか』で描いたものと描かなかったものを通じて、東京五輪がテーマになるという次作への期待と課題を語ります。(初出:テレビの見る夢 ― 大テレビドラマ博覧会 図録)

 テレビドラ

もっとみる
戦後史としてのロボットアニメと〈移体性〉――フランス人オタクと日本アニメ熱狂の謎に迫る 『水曜日のアニメが待ち遠しい』著者 トリスタン・ブルネ インタビュー・後編(PLANETSアーカイブス)

戦後史としてのロボットアニメと〈移体性〉――フランス人オタクと日本アニメ熱狂の謎に迫る 『水曜日のアニメが待ち遠しい』著者 トリスタン・ブルネ インタビュー・後編(PLANETSアーカイブス)

今回のPLANETSアーカイブスは『水曜日のアニメが待ち遠しい』著者で、日本のアニメ・漫画のフランスでの受容構造を研究しているトリスタン・ブルネさんへのインタビュー後編です。ブルネさんの提唱する「移体性」という概念のもつ可能性について、丸山眞男の「無責任の体系」等とも比較しながら、宇野常寛がお話を伺いました。
※この記事の前編はこちら

■ 主体性なき日本人の「移体性」

宇野:ブルネさんは研究

もっとみる
★号外★ 10/24(火)根津孝太×岩佐琢磨「自動車の世紀はあと100年続く」(『カーデザインは未来を描く』刊行記念イベント)のお知らせ

★号外★ 10/24(火)根津孝太×岩佐琢磨「自動車の世紀はあと100年続く」(『カーデザインは未来を描く』刊行記念イベント)のお知らせ

10月7日(土)発売の根津孝太さん著『カーデザインは未来を描く』の刊行を記念し、刊行記念イベントを実施することになりました!
「自動車の世紀はあと100年続く」と題し、気鋭のカーデザイナーである根津さんと、株式会社Cerevo代表取締役であり、自動車へも高い関心をお持ちの岩佐琢磨さんをお招きして、自動車と自動車社会の未来について語っていただきます。
トークイベント終了後は、根津孝太さんのサイン会を

もっとみる
福嶋亮大『ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景』第四章 風景と怪獣 2 ウルトラマンの風景(2)【毎月配信】

福嶋亮大『ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景』第四章 風景と怪獣 2 ウルトラマンの風景(2)【毎月配信】

文芸批評家・福嶋亮大さんが、様々なジャンルを横断しながら日本特有の映像文化〈特撮〉を捉え直す『ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景』。今回は時代の転換点となった大阪万博的な風景と結びつけながら、鬼才として知られる実相寺昭雄監督の目線に迫ります。

子供のメタフィクション 思えば『ウルトラQ』の第一話では、高速道路というインフラの工事が太古の恐竜を呼び覚ました。「怪獣殿下」のエピソードはこの「工事

もっとみる
森と一体化したい! | 猪子寿之

森と一体化したい! | 猪子寿之

チームラボ代表・猪子寿之さんの連載〈人類を前に進めたい〉。今回は、佐賀・武雄の御船山楽園で10月29日まで開催中の展覧会について、現地で作品を鑑賞した宇野と語り合いました。「森と一体化するまで魂を込めた」というその展示で、猪子さんはどのように「デジタイズドネイチャー」の作品たちを進化させたのか? そして、「行けば価値観が変わる」というヨーロッパの魅力とは?(構成:稲葉ほたて)

【お知らせ】
この

もっとみる
宇野常寛『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』第一回 中間のものについて(6)【金曜日配信】

宇野常寛『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』第一回 中間のものについて(6)【金曜日配信】

本誌編集長・宇野常寛による連載『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』。「他人の物語」から、「自分の物語」へと文化の中心が変容する中、虚構であるがゆえにウサギのジュディの演説は「境界を再生産」することを運命付けられていた。話題はいよいよ、本連載のテーマである「中間のもの」へと移っていきます。 (初出:『小説トリッパー』2017夏号)

6 中間のものについて 情報技術の発展は、劇映

もっとみる
ゲームから物語へ(1) | 井上明人

ゲームから物語へ(1) | 井上明人

ゲーム研究者の井上明人さんが、〈遊び〉の原理の追求から〈ゲーム〉という概念の本質を問う「中心をもたない、現象としてのゲームについて」。多くの人にとっては「ゲーム」は終わりを迎えるものです。しかし、羽生善治氏や梅原大吾氏などのゲームを生業とするプロプレイヤーは異なる感覚を持っているようです。「ゲーム/物語」の区分から、井上さんが概念の整理を試みます。

井上明人『中心をもたない、現象としてのゲームに

もっとみる