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わかおの日記77

昨日は床につくころにはすっかりへとへとになっていたので、日記など書けるわけもなく寝てしまった。というわけで昨日のことを書こうと思う。

「佐久間宜行のオールナイトニッポンゼロ」を聴きながら大学に行って授業を聞き流しまずい家系ラーメンを胃に流し込んで午後の授業を消費した。ここまではなんてことないぼくの冴えないキャンパスライフの一環である。

大学近くの多摩川ではウナギが釣れるらしい。そんな噂を耳にしたのは7月ころだった。ぼくはウナギに目がないので、ウナギをおのれで釣って食することができればどんなにいいだろうかとそれ以来夢想していた。しかしそのころのぼくは釣りなどしたことがなく、だいいちそんな酔狂な試みに付き合ってくれる友人がいなかったので、多摩川ウナギ計画は検討段階のまま頓挫していた。しかし夏休みの間何度か釣りに挑戦してなんとなく要領をつかみ始めたことや、ようやく数人の友人ができたことなどをきっかけに、季節外れの多摩川ウナギ計画が実行される運びとなった。

ウナギを釣るには本当はぶっといミミズがいいらしいが、グロテスクなミミズは塾生の品位を損なうので、鶏レバーをスーパーで購入した。決してミミズを触れないわけではない。

ぼくたちは合わせて3本釣りざおを持ってきていたが、早々に2本が根がかりして使い物にならなくなった。仕方がないので残った一本に希望を託し、ひたすら川辺で待ちぼうけしていた。多摩川沿いの高層マンションの明かりが川面に溶け出していて、とても綺麗だった。この時間がぼくはとても好きである。釣れるかもしれないおさかなさんのこと以外、何も考えなくていい。いろいろな情報や刺激にさらされて常に何か考えることを強制されている世の中で、ここが唯一の安息地であるような気がした。

その後もカップラーメンを食べたりしながらずーっと待っていたが、なかなかアタリがないまま22時を回って、そろそろ帰ろうという雰囲気になった矢先、急に竿先が動き始めた。しかしまともに釣れたことのないぼくたちはどうしたらいいのかわからず、もうちょっと待とうよと言っている間に反応がなくなってしまった。

その後も何回かアタリがあり、魚と勝負したのだが結局すべてばらしてしまった。ぼくらの釣果は、川に沈めておいた罠にかかったテナガエビ一匹だけというありさまだった。けれどもとてもいい時間を過ごすことができたので、またリベンジしたいと思う。

追伸 初めて終電を逃した。釣りで。



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