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人類は”つながりの生命体”|【世界は贈与でできている】

どーも!
わーさんです!

日曜日ですので、#2021年に読んだ本の紹介 をしていきます。

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世界は贈与でできている

近内 悠太

著者

近内 悠太(ちかうち ゆうた)
・1985年神奈川県生まれ。
・教育者。哲学研究者。
・慶應義塾大学理工学部数理科学科卒業、日本大学大学院文学研究科修士課程修了。専門はウィトゲンシュタイン哲学。
・リベラルアーツを主軸にした統合型学習塾「知窓学舎」講師。教養と哲学を教育の現場から立ち上げ、学問分野を越境する「知のマッシュアップ」を実践している。『世界は贈与でできている』(NewsPicksパブリッシング刊)がデビュー著作となる。

引用元:Amazon

本書の概要
・贈与とは?
・資本主義と「贈与」の関係性とは?

今回は私が読んでよかったと思う部分を3点紹介します。

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■「お金で買えないもの」とは何か

信頼関係や助け合いは「サービス」でもなければ「商品」でもない。それらは言わば、「お金では買えないもの」です。

ただ、これには「否定的定義」が入っていることに対して、著者は違和感を覚えています。

例えば「猫とは何か?」と問うた時に「犬ではないもののことだ」と言われて納得する人はいないと思います。

なのに、「お金では買えないもの」という言い方に満足するのでしょうか?

必要にも関わらず「お金で買うことができないもの」および「その移動」を、ひとまず「贈与」と呼ぶことにします。


■プレゼントの謎

私たちの身近な慣習の中に「プレゼント」というものがあります。

それは、記念日なのか誕生日なのか、特別祝い事がない時だとしても、相手に対して贈り物をすることがあると思います。

プレゼントという慣習の理由。それは、誰かからプレゼントとして手渡された瞬間に「モノ」がモノでなくなるからです。

もし、それを自分で買ったとしても、それは「モノ」としての存在を超えることができません。

例えば、あなたが友人から「腕時計」をもらいました。それは日本に数本しかないという限定ものではなく、お店やネットを探せば見つかるようなものです。

仮に、その腕時計を不注意によって壊してしまった。同じものはお店やネット上にあるので、代わりになるものはありますが、心のどこかに「ポカリと穴が空いてしまった」ような感じになるのです。

そこには、すでに「モノ」としての価値以上のものが存在していることになります。その「余剰」を感じることがただの「モノ」としての存在を超えることになってくるのです。

そのため、重要なのは「余剰を自分では買うことができない」という点になってきます。

モノは誰かから贈られた瞬間に、この世界にたった一つしかない特別な存在へと変貌します。贈与とは、モノを「モノではないもの」へと変換させる創造的行為に他ならないのです。

著者は、「他者から贈与されることでしか、本当に大切なものを手にすることはできない」と述べています。


■なぜ親は孫が欲しいのか

あなたも自分の親から「孫の顔が見たい」などと言われてたりしているかもしれません。

実際に著者もそのような体験をしており、その部分について書いています。

では、なぜ親は「孫」が欲しいと望むのか?

それは、自分がやってきた「答え合わせ」だと私は読んで感じました。親自身も自分の親がいます。それは自分が受けた愛などを「しっかりと伝えることができているかという」確認作業のひとつのように感じました。

そのわかりやすい例が、孫の存在なのです。

つまり、親から子への贈与の形を、さらにその先に受け継ぐことができているのかが必要で、親から子供の段階では曖昧であるため、その確認として、孫の存在があることによって、自分の贈与がしっかりと果たすことができているのかと感じました。

この部分は捉え方が人それぞれあるのように思っていますので、是非とも読んでいただきたい部分です。


まとめ

今回は『世界は贈与でできている』を紹介しました。

個人的には、新しい感覚を覚えながら読んでいました。ただ、実際に私たちが行っていることを文字として読んだときに、感じていなかった部分を本書はわかりやすく書いてくれているとも言える一冊です。

それだけ、私たち人類は他の人の協力がなければ生きることができない。人の協力ありきで作られている生命体で、人とどれだけ上手に協力をしながら生きることができるのかが大切なのかを本書を読みながら感じました。

ウイルスの流行によって、人の人とのつながりが絶たれてしまった中で、これからの時代をどのような贈与の形で生きていくのかを、本書を読んで参考にして欲しいと思います。



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