#164 老舗だけどファンドサイズを拡大しないVCが増えている理由
先週はシンガポールに行ってきました。 業界のカンファレンスでスピーカーとしてVC市場について話す機会もあり、以前から知っている人たちだけでなく、多くの新しい人たちと知り合う機会がありました。シンガポールは来るたびに感じるのですが、暑いですが住みやすそうだなと思います。アメリカ、韓国、日本以外の国で生活する機会があれば、シンガポールはとても良い選択肢になると思います!
米国では、公的機関の投資家は投資成果を開示しなければならない場合があります。このような投資家は多くのベンチャーキャピタルファンドにも積極的に投資しています。つまり、彼らは彼らが投資したVCファンドのパフォーマンスを公開しなければなりません。
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Newcomerというシリコンバレーのニュースレターを発行しているEric Newcomer(おすすめのニュースレターです)は、UTIMCOに実績開示を要請し、最近その結果を発表しました。UTIMCOはテキサス大学とテキサスA&Mシステムの投資ファンドです。
エリックが公開した情報の中でいくつか議論できるトピックはありますが、中でも注目すべきはIAベンチャーズとUnion Square Ventures(USV)の成果です。USVのパフォーマンスデータはPitchbookでも確認することができるのでパフォーマンスが非常に良いということはすでに知っていたのですが、今回のデータでよりオフィシャルに確認することができました。
下のチャートで赤い棒はUSVの成果を、オレンジ色の棒はIAベンチャーズの成果を表しています。ご覧の通り、どちらも非常に良い成果を上げていることがわかります。ここで使用した指標はIRRであり、VCとして20%を超えると良い成果とみなします。30%を超えるのは例外的なレベルです。決して多くのVCがこのレベルのパフォーマンスを達成するわけではありません。
ここでUSVとIA ベンチャーズの共通点は、ファンドの規模です。 彼らはますます大きな規模のファンドを組成する他の大型VCとは異なり、比較的小さな規模のファンドをゆっくりと拡大しながら、同じ戦略を実行してきました。大型ファンドが悪いと主張しているわけでは決してありません。しかし、USVやIAベンチャーズのような小さなファンドが良いパフォーマンスを出す時は、非常に高いパフォーマンスになる可能性があることをよく示しています。
最近では、ますます多くのVCがIAベンチャーズやUSVのような「スモールなファンド」戦略を追求しています。私がデューデリジェンスのために会うVCたちに今後の計画について聞くと、90%のVCがファンド規模をある程度以上大きくするつもりはないと答えます。次世代のセコイアのような大型ファンドを作りたいと答えるVCは10%程度しかいません。
私は常に新興VCとスモールファンドの大ファンでしたので、このトレンドは非常に嬉しいニュースです。 今後もより多くの小規模ファンドと一緒に仕事をすることを楽しみにしています!
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References:
VC Returns Revealed: Fund Performance for Sequoia, IA Ventures, USV & More - https://www.newcomer.co/p/venture-capital-returns-revealed
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