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岡本かの子

1889年生まれの小説家、歌人、仏教研究家。 漫画家岡本一平の夫であり、岡本太郎の母でもある。 幕府の御用役を務めていた大貫家の豪商で生まれる。 16歳の頃から、新聞に詩の投稿を始め、17歳のときに、与謝野晶子の「新詩社」の一員となり、本人名義で雑誌に詩や和歌を発表し始める。 19歳の夏、東京美術学校生を通じて、岡本一平と知り合う。 21歳のとき、岡本一平と結婚、翌年長男である岡本太郎を出産。 兄や母の死、夫一平の放蕩などから、精神のバランスを崩し、精神病棟に入院

    • 杜甫

      杜甫は712年、中国河南省で生まれた詩人、文学家。 李白と共に中国文学史上最高の詩人といわれる。 幼い頃より詩文の才能に溢れ、6歳で初めて詩をつくる。 定職を持たず、各地を転々としながら、詩作を続ける。 741年、29歳の時、楊氏と結婚する。楊氏は生涯を共にする伴侶となる。 744年、33歳の時に洛陽にて11歳先輩で既に世に名を知られていた李白と出会う。李白と過ごしたのは、わずか1年半ほどの期間であったが、共に旅をし、酒を酌み交わし、仲を深め、杜甫に大きな影響を与え

      • やまめ

        水面に映るやまめの家族。 樹々は風に吹かれ、こずえを揺らす。 空虚な心で、自分をいじめる。 やまめは子守り、葉は枝からとき放たれ、空をひらひらと舞う。 どこへゆくのか。 どこへゆくのか。 ささいな違いに心を揺らし、オレンジ色の太陽は姿を隠す。 やまめの子供が飛び跳ねた。 水しぶきは光となって空に舞い上がる。 辺りはまだ薄暗い。 葉は黄金色に身に纏い、やまめは川底で産卵する。 景色は変わり続け、心は空虚さを増す。 辺りはまだ薄暗い。 どこへゆくのか。

        • 遊泳者

          今がダメでも、次がある。 何をしてもいいし、何もしなくてもいい。 頑張ってもいいし、頑張らなくてもいい。 社会という波の中ではどんな泳ぎ方も許される。 時空の中で、関係の中で、観念の中で、みな平等に漂流している。 目的のある人は、その目的のために、波をかき分け進めばいい。 目的の無い人は、その水の冷たさを、ただただ感じればいい。 どんなに不格好でも、悩みの沼に落ちても、いつか泳ぎ疲れるそのときまで。

        岡本かの子

          私心理学 ニュートラル

          常に身体をニュートラルな状態に戻すことを意識する。 自分の中の「自然」に五感を傾ける。 プレゼンテーションなど一時的にやる気を高めなければいけないときはある。 そんな時は、身体をぐっと高揚させる。 上にも下にも長期間、ぶれ続けることは、身体にも精神にも良くない。 それぞれに、それぞれのニュートラルな状態がある。 一人一人違う私の中のニュートラルに気付く。 60兆個の細胞、ひとつひとつが最大限に生をまっとうできる「自然」に気付く。

          私心理学 ニュートラル

          私心理学 自立

          情報を入れれば入れるほど、考える余地が少なくなる。 答えのない場面でも、既存の情報に頼り、それに近い答えを探す。(脳内ぐぐる) 検索が習慣になっていると、答えを出すのではなく、答えを探すという癖が身に付いてしまう。 「世代を繋ぐこと」はもちろん人間が生きることにおいて最も重要なファクターだ。 だが、それに次ぐくらい大事な要素として「自立」というものがある。 ここでいう「自立」は、世間一般に言われているような、親元から離れるとか、金銭を稼いで家を買うとか、結婚するとか

          私心理学 自立

          こんながっこうあったらいいな

          哲学の時間がある。 地球環境を学ぶ時間がある。 ホームレスが教壇に立つ時間がある。 世界の宗教について学ぶ時間がある。 禅僧から座禅を学ぶ時間がある。 校舎が木でつくられている。 周りが森。 森探索の時間がある。 金曜日の夜は森でテント泊。 学年の違う生徒同士で教え合う。 教室に犬と猫がいる。 敷地内に老人ホームと託児所が併設されている。 農業の時間がある。 #こんな学校あったらいいな

          こんながっこうあったらいいな

          諦観(たいかん)

          「諦め」という言葉は日常的によく使われますが、仏教でいう「諦め」はまた違った意味の重要な言葉でもあります。 仏教でいう「諦観」とは「真理をあきらかにみる」という言葉が元になっています。「諦」とは「真理」を意味し、「観」とは「あきらかにみる」を意味します。 「あきらめ」とは仏教の根本真理である「因果の法則」をあきらかに見ることをいいます。 つまり、何か事が起こったその根本には必ず原因があり、その原因を「あきらか」にするということです。 失敗には必ず原因があります。 な

          諦観(たいかん)

          執着

          人間は何かと執着してしまう生き物である。 仏教でいう執着には大きく二つに分けることができる。 一つは「我執」、もう一つは「法執」である。 「我執」とは自分自身にとらわれる心である。 「我」とは何か。 一説によると、人間の身体は骨や臓器も含め六か月でほぼ新しい細胞に生まれ変わるといわれています。 そんな入れ替わりの激しい身体が「私」だと言われてもいまいちピンときません。 顔も年々老化して衰えていきますので、これが「私」の顔だと決まったものは無いでしょう。 そうや

          良寛和尚

          生まれ:一七五八年 生誕地:越後国 師:国仙和尚 兄弟:七人兄弟の長子 十八歳で修業を開始し、二十二歳の時、「生涯の師」国仙和尚に師事する。 国仙和尚の「一日つくらざる者は、一日食わず」の言葉を胸に、勤勉に勤しむ。 十二年の修業の後、師である国仙和尚が「好きなように旅をするが良い」という言葉を残し、世を去る。 三十四歳の良寛、師の言葉を受け、諸国を巡る旅(吉野、高野山、伊勢など)を始める。 四十八歳の時、越後国蒲原郡国上村国上山国上寺の五合庵にて書を学ぶ。

          良寛和尚

          断捨離

          「断捨離」とは以下の三つの要素から成っています。 断行(だんぎょう) 捨行(しゃぎょう) 離行(りぎょう) 「断捨離」は元々、ヨガの言葉ではありますが、仏教の教えとして大切な「執着を捨てる」という思想の実践にも当たります。 「断捨離」の実践は物質的な「モノ」を捨てる、減らすに限ったことではなく、精神的な「思い」を断つことも含まれています。 ただ単に片付けて、いらないモノを捨てるということだけではなく、同時に捨てると決めたモノへの執着も手放すのです。(捨てるのがどう

          断捨離

          八正道

          八正道(はっしょうどう)とはお釈迦様の教えであり、苦を滅する実践の道である 1.正見(しょうけん) ものごとをありのままに見ること 「因果応報」 良いことも悪いことも万事は目には見えない無数の因によって生じている まいた種は遅かれ早かれ多かれ少なかれ必ず実になる 「諸行無常」 森羅万象は一時も休まることを知らず変化を続けている 変化を嫌ってはいけない これらの仏教の原理を理解し、それをもとに物事を正しく見ること 2.正思唯、正思濰(しょうしゆい) 正しい

          八正道

          行雲流水

          雲は一か所にとどまることなく、自在に形を変え、空を渡っていく 水もまた形をとどめず、海や川をゆらりゆらりと流れていく 禅の修行僧のことを雲水(うんすい)と呼ぶ それは雲や水のように諸国からまた諸国へ師を求め、脚行していく様を理想の行者として描く 喜びにも悲しみにも執着せず、おかれている環境や時間にとらわれず、自然体で生きる 社会というのはよくも悪くも、それぞれの都合で手前勝手に生きている多種多様な人間の集まりである けれども「人間もまた自然の一部である」 平家物

          行雲流水

          空②

          空とは私を抜きにした事物の本質的なあり方でのことである。 例えば、机の上にりんごが一つあって、別のだれかがもう一つ机の上にりんごを置いたとする。 さて、机に置かれたりんごはいくつあるでしょう。 二つに決まっている。 空の概念から見るとそうではないのです。 りんごは一つであり、二つであり、またりんごなど存在しないともいえるわけです。 それは私が"机"や"りんご"や"別のだれか"という幻覚や妄想を見ているからというわけではありません。 そもそも"机"も"りんご"も"

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          空①

          インドで誕生した般若心経には"空"という概念がたびたび登場する。 空(くう)とは何か。 空(そら)のことではない。 舎利子は観自在菩薩に問うた。 「一体、あなたの得たビジョンとは何か」 この質問に対して観自在菩薩は次のように答えた。 「舎利子よ。色は空に異ならず。空は色に異ならず。色は即ち是れ空。 空は即ち是れ色。受想行識もまたかくの如し。」 つまり、観自在菩薩は五蘊(色・受・想・行・識)はすべからく空であると述べた。 五蘊とは 色→物体 受→感受 想

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          無我

          無我 自分を捨てるということ おのれを忘れるということ

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