行雲流水

雲は一か所にとどまることなく、自在に形を変え、空を渡っていく

水もまた形をとどめず、海や川をゆらりゆらりと流れていく

禅の修行僧のことを雲水(うんすい)と呼ぶ

それは雲や水のように諸国からまた諸国へ師を求め、脚行していく様を理想の行者として描く

喜びにも悲しみにも執着せず、おかれている環境や時間にとらわれず、自然体で生きる

社会というのはよくも悪くも、それぞれの都合で手前勝手に生きている多種多様な人間の集まりである

けれども「人間もまた自然の一部である」

平家物語の冒頭に有名なこんな句がある

「おごれる者も久しからず、ただ春の夜の夢の如し。猛き心も終には滅びぬ、風の前の塵に同じ」

千年経っても変わらないものが人間の本質ということだろうか


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