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マインドフルネスを続けた結果【効果測定】企業研修オンライン8週間プログラム #1

 こんにちは。日本声ヨガ協会代表の八田幸子です。2022年の4月から6月にかけてクライアント企業様に行った『マインドフルネス8weeksプログラム』の効果測定を行いました。

1. マインドフルネス研修8週間の実施概要

 コンサルティングファーム従業員様向けに、定員100名で参加希望者を募り8週間のプログラムを実施致しました。「心身のコンディション維持の方法を習得」することを目的にご依頼頂いた、カスタムのプログラムです。

 応募開始から3日間で定員に達し、マインドフルネスに対する関心の高さがみてとれました。マインドフルネスが世間一般的に浸透してきたことを実感しています。

 新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、全社員様は基本的にテレワーク勤務なので、研修は全てオンラインで行いました。今回の8週間プログラムは、平日の朝に行う瞑想LIVEと1週間に1度1時間のワークショップで構成されています。

2. 効果測定方法とアンケート集計方法

 効果測定の方法は、マインドフルネス研修を行う前と、研修が終わった後で1から10のスケールの中で質問項目に対してスコアリングしてもらい、その変化率を抽出しました。この質問項目は「東京大学ワーキング」で開発された、1項目の設問によりプレゼンティーイズム*を簡便に測定できる尺度であるSPQをベースにしています。

 今回は8項目の質問に対してスコアリングしています。スコアリングでは、”非常に悪い”から”非常に良い”の10段階で自己評価してもらい、全体の変化を算出しています。A郡を全体、B郡を5回以上出席した人として、2つのグループのスコア比較も行っています。

3. マインドフルネス研修8週間の検証結果

(1)病気や怪我がないときに発揮できる仕事のできを100%として、過去4週間の自身の仕事を評価してください。

今回は全項目を10点満点評価に統一して質問していますが、100%換算にする72.6%から77.1%に変化したことになります。

開始前が7.26で、研修後はA郡(全体)が7.62となり0.32のポイント上昇、変化率は5%の上昇。B郡(5回以上出席)では7.71となり、0.45のポイント上昇、変化率は6.2%の上昇でした。


(2)普段の体調はどうですか?

開始前が6.21で、研修後ではA郡(全体)が6.79となり0.32ポイント上昇、変化率は9.3%の上昇。B郡(5回以上出席)では7.13となり、0.92のポイント上昇、変化率は14.8%の上昇でした。


(3)睡眠に対する満足度はどうですか?

開始前が5.47で、研修後ではA郡(全体)が6.51となり1.04ポイント上昇、変化率は19%の上昇。
B郡(5回以上出席)では7.03となり、1.56のポイント上昇、変化率は28.5%の上昇でした。


(4)自己肯定感はどれくらいですか?


開始前が5.31で、研修後ではA郡(全体)が6.79となり1.48ポイント上昇、変化率は27.9%の上昇。
B郡(5回以上出席)では7.11となり、1.8のポイント上昇、変化率は33.9%の上昇でした。


(5)ストレスマネジメントはできていますか?


開始前が5.32、研修後ではA郡(全体)が6.69となり1.37ポイント上昇、変化率は25.8%の上昇。
B郡(5回以上出席)では7.26となり、1.94のポイント上昇、変化率は36.5%の上昇でした。


(6)自分の感情をコントロールできていますか?

開始前が5.54、研修後ではA郡(全体)が6.96となり1.42ポイント上昇、変化率は25.6%の上昇。
B郡(5回以上出席)では7.37となり、1.83のポイント上昇、変化率は33%の上昇でした。


(7)日常の中でリラックスできていますか?

開始前が5.31で、研修後ではA郡(全体)が6.44となり1.13ポイント上昇、変化率は21.3%の上昇。
B郡(5回以上出席)では6.82となり、1.51のポイント上昇、変化率は28.4%の上昇でした。


(8)相手の立場でもの語を考えられている


開始前が6.16で、研修後ではA郡(全体)が6.97となり0.81ポイント上昇、変化率は13.1%の上昇。
B郡(5回以上出席)では7.16となり、1.00のポイント上昇、変化率は16.2%の上昇でした。


4. マインドフルネス研修8週間の総括

 全体的に研修前に比べて自己評価は上昇しています。今回の目的である「心身のコンディション維持のための手法を習得」に関する質問項目である3から7の質問項目に関しては、高い上昇率になり、参加者の方がかなりの効果を実感していらっしゃることが分かります。

 特に心に関する質問項目である4)の自己肯定感や5)のストレスマネジメント、6)の感情をコントロール、の項目が高い上昇率だったのは良い意味で意外で、素晴らしい結果が出たと思っています。

 マインドフルネスは継続率で結果が変わるので、A郡とB郡では明らかにB郡の上昇率が高くなっているのも見てとれます。この研修後も継続していただくことで、マインドフルネスの効果は出ていくものと考えられます。

 今回は全体の平均とWS出席数5回以上で比較しましたが、8週間(56日間)の期間中、LIVEを含めたマインドフルネス継続日数でも50%以上を抽出したら見たら、より差があるかと思われます。

 今回は「自由参加型」のワークショップと瞑想LIVEなので、アンケートの回答者の条件が完全には揃っていない状態ですが、アメリカの各大学が論文で報告しているような本格的な8週間プログラムでなくても、目に見えて効果が出ていること、そしてスコアが想定よりも高いことに驚きました。

5. 当協会のマインドフルネス研修について

 当協会が実施するマインドフルネス研修の詳細については、以下のページをご覧下さい。単発のトライアルも行なっていますの。ご興味のある人事・教育担当者様はお気軽にお声かけ頂ければと思います。

 近年、マインドフルネスというキーワードが先行していますが、「何のために」導入するかが大切です。健康経営や人的資本経営の一貫として、導入検討段階から相談を承っております。

一般社団法人日本声ヨガ協会 事務局 
info@voiceyoga.jp

声と言葉による学びの深耕

 研修と言っても、本プログラムでは「自由参加型」であること、そしてワークショップ形式で受講生同士が気づきと学びを深められるよう工夫して構成しています。

 マインドフルネスの知識を伝える研修は多数存在していますが、その効果を実感するための長期的プログラムとして実践している会社は多くありません。

 本プログラムでは、研修経験と瞑想誘導経験の両方のスキルを併せ持つ講師をアサインしています。いずれも当協会の声ヨガ講師養成講座を修了しており、声と言葉によるガイドや解説力が高い講師です。

スタンフォード大学医学部健康教育センターでの学び

 今回研修を担当した講師の八田幸子はスタンフォード大学医学部の健康教育センターにて「従業員のウェルネスとストレス管理」コースを修了しています。その概要を記事で別途公開しておりますので、是非ご覧ください。


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