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マインドフルネスを続けた結果【効果測定】企業研修オンライン8週間プログラム #3

 こんにちは。日本声ヨガ協会代表の八田幸子です。2022年の11月から12月にかけてクライアント企業様に行った『マインドフルネス8weeksプログラム』の効果測定を行いました。

 マインドフルネスは、既にその効果や有用性が数々の論文で発表されていますが、当協会が行っている8週間プログラムで長期的に継続することによるベネフィットを可視化して公開していくことは、同じくマインドフルネスを伝えている人々やそれを受講する人々にとっても安心して取り組める・1つの大事なことだと思います。

1.マインドフルネス8週間プログラム概要

https://voiceyoga.jp/mindfulness/

 外資系コンサルティングファームの従業員様向けに、定員100名で参加希望者を募り、8週間のマインドフルネスプログラムを実施致しました。

 新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、全社員様は基本的にテレワーク勤務なので、研修は全てオンラインで行いました。今回の8週間プログラムは、以下の3つのプログラムから構成されています。
・週1のワークショップ(1時間)
・平日朝の瞑想LIVE(10分)
・マインドフルネス瞑想アプリ活用(希望者のみ)

効果測定の方法

 効果測定の方法は、マインドフルネス研修を行う前と、研修が終わった後で1から10のスケールの中で質問項目に対してスコアリングしてもらい、その変化率を抽出しました。この質問項目は東京大学ワーキングで開発された、1項目の設問によりプレゼンティーイズム*を簡便に測定できる尺度であるSPQをベースにしています。

 今回は8項目の質問に対してスコアリングしています。スコアリングでは、”低い”から”高い”の10段階で自己評価してもらい、全体の変化を算出しています。

 なお、ワークショップはリアルタイムにオンライン参加した人だけではなく、仕事の関係で後日「アーカイブ動画視聴」のみしている方も母数に含まれます。(3割程度)

2. アンケート項目と効果検証の結果

(1) 東大1項目版プレゼンティーイズム

病気や怪我がないときに発揮できる仕事のできを100%として、過去4週間の自身の仕事を評価してください。

プレゼンティーイズムとは、何らかの疾患や症状を抱えながら出勤して
業務遂行能力や生産性が低下している状態を指します。
(日本人の平均は84.9%といわれています)

 経済産業省の健康経営度調査では、プレゼンティーイズムの測定尺度を尋ねる設問が新たに加わり、SPQもその選択肢の1つに挙げられました。

 今後、企業の経営者や健康経営担当者、その取組を支援する保険者・自治体の保健専門職、商工団体・民間企業の健康経営アドバイザー等が、SPQを活用して健康経営の効果的なPDCAを実践されることが期待されています。

プレゼンティーイズムの主な影響要因として、ストレスなどの精神状態や肩こり・腰痛、眼精疲労などの不定愁訴、睡眠や喫煙などの生活習慣などが報告されています。

東京大学未来ビジョン研究センターHPより抜粋


(2)リラックスや休息の充実度

プログラム開始前の全体平均は5.9で、8週間後には6.7と0.8ポイント上昇。
増加率は14.2%でした。


(3)睡眠に対する満足度

プログラム開始前の全体平均は5.0で、8週間後には6.7と1.7ポイント上昇。
増加率は33.3%でした。


(4)仕事中の集中力の高さ

プログラム開始前の全体平均は5.4で、8週間後には6.8と1.4ポイント上昇。
増加率は25.7%でした。


(5)自己肯定感の高さ

プログラム開始前の全体平均は5.4で、8週間後には6.7と1.4ポイント上昇。
増加率は26.5%でした。


(6)ストレスマネジメント能力の高さ

プログラム開始前の全体平均は5.4で、8週間後には6.8と1.5ポイント上昇。
増加率は27.9%でした。


(7)感情コントロール能力の高さ

プログラム開始前の全体平均は5.5で、8週間後には6.9と1.4ポイント上昇。
増加率は25.5%でした。


(8)思いやり・共感力の高さ

事前アンケート時点でスコアが他の項目と比較して高く、
プログラム開始前の全体平均は6.6で、8週間後には7.0と0.4ポイント上昇。
増加率は5.3%でした。


(9)心身のコンディションを整える手法の習得

(1.そう思わない〜10.そう思う)
6.9/10.0 
※全体の4割以上が7以上の評価

(11)プログラム全体の満足度

(1.不満足〜5.満足)
4.4/5.0 
※全体の8割以上が4以上の評価

(12)マインドフルネス習慣の継続意欲

全体の9割(93%)が継続したいかという質問に " YES " と回答しました。


4. マインドフルネス研修8週間の総括

 全体的に研修前に比べて「睡眠満足度」が顕著に上昇していました。今回の8週間に渡るプログラムの目的である「心身のコンディション維持のための手法を習得」に関する質問項目である3から7の質問項目に関しては、高い上昇率になり、参加者の方がかなりの効果を実感していらっしゃることが分かります。

睡眠改善とパフォーマンス向上

 今回は参加前アンケートからして、睡眠に不調を感じている方が最も多かったので、特に脳疲労の軽減や睡眠に関して全8回プログラムの比重を置いてプログラムをチューニングしました。

 睡眠改善の大きさに伴って、これまでで1番プレゼンティーズムの改善度(増加率9.8%)が高い期となりました。睡眠改善と集中力のコンディションの関連の高さが伺えます。

5. 当協会のマインドフルネス研修について

 当協会が実施するマインドフルネス研修の詳細については、以下のページをご覧下さい。単発のトライアルも行なっていますの。ご興味のある人事・教育担当者様はお気軽にお声かけ頂ければと思います。

 近年、マインドフルネスというキーワードが先行していますが、「何のために」導入するかが大切です。健康経営や人的資本経営の一貫として、導入検討段階から相談を承っております。

一般社団法人日本声ヨガ協会 事務局 
info@voiceyoga.jp

声と言葉による学びの深耕

 研修と言っても、本プログラムでは「自由参加型」であること、そしてワークショップ形式で受講生同士が気づきと学びを深められるよう工夫して構成しています。

 マインドフルネスの知識を伝える研修は多数存在していますが、その効果を実感するための長期的プログラムとして実践している会社は多くありません。

 本プログラムでは、研修経験と瞑想誘導経験の両方のスキルを併せ持つ講師をアサインしています。いずれも当協会の声ヨガ講師養成講座を修了しており、声と言葉によるガイドや解説力が高い講師です。

スタンフォード大学医学部健康教育センターでの学び

 今回研修を担当した講師の八田幸子はスタンフォード大学医学部の健康教育センターにて「従業員のウェルネスとストレス管理」コースを修了しています。その概要を記事で別途公開しておりますので、是非ご覧ください。


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