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ベトナムで役に立つ「人事」を考えるための勉強note

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私自身がベトナムで人事労務の支援業を行う立場として、人事や労務についての日々の学びや記事への感想などをここに記録して、成長に繋げたいな、という思いで作っているスペースです。
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2021年9月の記事一覧

定性評価の本当の問題点

定性評価の本当の問題点

Q: 社内で評価に対する不満が高まっています。特に課題があるのが定性評価で、人あたりの良い人や、社歴が長く社内に顔が広い人が優遇され、昨今入社した社員の評価が低い状態です。改善のために、評価者への教育を進めようと思いますが、まず何をすべきでしょうか?

A: 評価にあたり、評価者の主観・感情などの影響が大きいようですね。評価者が陥りやすい心理的な錯誤を「評価エラー」といいます。多くの評価者は、自身

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「管理職公募」は機能するか?

「管理職公募」は機能するか?

 報道によれば、2022年4月からは60ある全ての課長職を公募制にするとのこと。ポストによっては一定の実務経験が条件になるものの、「年齢制限なし、現在の役職制限なし!」で、誰でも手を挙げられます。 同社ではすでに20ある部長ポストは公募制としているので企業側が期待する効果がある程度検証できたということなのでしょう。

なるほど、、

まぁ、極端な話、実績も何もない新入社員がいきなり「課長になりたい

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高齢化=定年延長で本当に良いのか?

高齢化=定年延長で本当に良いのか?

2025年にも義務化される65歳定年制

そして努力義務としての70歳までの雇用

「日本の平均年齢が上がっている=定年退職年数を延長する」

が当然の流れ、となっている。

しかし日本人の平均年齢が上がったからといって、ビジネスはそれに合わせてくれない訳で、本当にこのまま定年退職年齢を上げ、企業に雇用を「義務化」していく事を「当然」として良いのだろうか?

もちろん

「高齢社員=パフォーマンス

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「1年生から内定」は「学生、会社、顧客、大学」、4社満足の新しい採用の仕組み

「1年生から内定」は「学生、会社、顧客、大学」、4社満足の新しい採用の仕組み

ポイントは

「1年生の時から応募できて、内定も出す。その代わり無印良品でのアルバイトを義務とする」

という事で、うがった見方をすれば「内定を口実に良質なバイトを確保しているだけ」という人もいるように思います。

私は非常に良い施策のように思います。

学生にとってはアルバイトをして内実を知った上で入社するので、入社後の「だまされた!」みたいな「アンマッチ」は当然、減るのはとても良いことと思いま

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人事等級は実態にあったシンプルな数と定義が大事、というお話

人事等級は実態にあったシンプルな数と定義が大事、というお話

等級の数が多すぎる会社、けっこうありますね。

「等級が上がる事でモチベーションを上げる」方針の会社にありがちですね。

でも、結局、その差がよく分からないから形式化してしまって、「上司の好き嫌い」か「原則、2年に一個あげる」みたいな年功運用になってしまうか、みたいな。

この記事でいうように最善策は「等級数の見直し」をしてシンプルにするのが一番ですね。

これも記事にあるように等級分けの際の方法

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「一度昇格したら、降格しない問題」の対処法は「ジョブ型」???

「一度昇格したら、降格しない問題」の対処法は「ジョブ型」???

この記事は逆説的にいうと、昨今、流行の「ジョブ型人事制度」の導入の大きな要因が

「いちど昇格してしまったら降格させられない問題=年功型賃金制度への対処問題」

であることを示唆しているように思う。

そして、解決法はこの記事にもあるように「ジョブ型導入かどうか」ではなく、以下のような具体的な話が必要だと思います。

(1) あるポジション(等級)で求められる「仕事内容、能力、役割責任、達成成果」

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日本で「ジョブ型」を取り入れるなら早期のキャリア教育が不可欠では?

日本で「ジョブ型」を取り入れるなら早期のキャリア教育が不可欠では?

ジョブ型雇用の議論であまり触れられていないが、実際、今の日本の教育で社会人1年目から

「自分の一生を捧げる職業分野=ジョブ分野を決めなさい」

と言って、決定できるような教育プログラムを経てきているのだろうか?

今の日本で学校期間で自分が将来、極めたい「職種」を絞っていく、という事でイメージできるのは

・弁護士や会計士、医師などの「資格」系

・公務員試験(職種、かな?)

・理系だと研究分

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より明確に、より頻繁に、の人事評価制度改革

より明確に、より頻繁に、の人事評価制度改革

非常に参考になりました。

サンプルとして新しいキャリアパスシートも出ていますが、

スキルやコンピテンシー、職務内容や役割など、その東急で求めたいものを職務や能力を交えてバランスよく描かれているイメージ。等級も8つぐらいとこれもちょうど良い。

また、面談機会もマネージャーの負担を考えて全員の面談を毎月にするのではなく昇格候補となった人のみから始めると言うのも実際に導入する際に参考としたいポイン

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デフォルトを「有給休暇を取らない人は申請する」に変えるだけで取得率UP

デフォルトを「有給休暇を取らない人は申請する」に変えるだけで取得率UP

これはそうかもしれないですね。

たしかに私の感覚からしても

「有給休暇をなぜ取らないのか?」

を申請する、というだけで取得しやすくなりますね。

管理職になれなかっただけの「なんちゃって専門職」は必要か?

管理職になれなかっただけの「なんちゃって専門職」は必要か?

年功序列の人事運用をする中で、管理職に到達する年代になっても管理職のポジションがなく、かといって管理職手前で定年までずっと滞留させるのもモチベーションの低下を招く、ということで、「専門職」というコースを管理職コースとは別に作ることは、従来の多くの日系企業で

「公然の秘密」

として運用されていたことかと思います。

まぁ、今後、日系企業の人事政策は1970年代から続いていた「職能資格=年功序列を

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仕事は締め切りを細かく区切った方が効率がいい、という当たり前だけど、大事な研究結果

仕事は締め切りを細かく区切った方が効率がいい、という当たり前だけど、大事な研究結果

「締切の設定方法」と「生産性や質」の関係性実験

(1) 参加者に文章校正の課題を3枚与え、3週間の期間で完了するよう求めた。

(2) 3種類の異なる締切設定した。

①1週間ごとに1枚ずつ提出

②自分で締切を設定させて提出

③3週間後にまとめて提出

(結果)

最もパフォーマンスが高く、締切を守れた人と正確に校正できた人が多かったのは、

1週間ごとに細かく締切を設定した①のグループ

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「日本のトップは無能」は本当でしょうか?

「日本のトップは無能」は本当でしょうか?

この問題は2つに分ける必要があると思います。

「そもそも、トップに正しい意思決定を行う能力があるか」

そして、

「その意思決定を組織全体で実現できるか?」

トップとして期待される役割として、この2つがあると思います。

前者については、日本人が格別、他の国に比べて意思決定能力が落ちる、とは思えないんですよね。

実際、この記事でも

 そういった手の込んだ調査で、日本の労働者の質は世界トッ

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副業、兼業の注意点

副業、兼業の注意点

ベトナムは日本に比べると転職や副業が盛んなので、これは非常に問題になりますので、チェックリストとして役立ちますね。

特に「競業避止義務」は、転職の場合にトラブルになります。なんといっても、その業界で培った能力や経験で転職を実現するわけですから、「競業避止」はも力無理がある、と言えばあるんですよね、、、

結局、「とりあえず実家で親の看病をする」とか嘘をついて、競合他社へ転職するベトナム人も多いで

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テレワークの場所、第一位は?

テレワークの場所、第一位は?

第一位は、まぁ、普通にリビングルームだそうです。

なかなか日本の住宅事情だと個人の書斎を持ってる方は多くはないんですかね。

今後、アフターコロナだとカフェなどでの仕事も増えるでしょうが日本はベトナムと違ってカフェ内であまり大きな声で話せないですし、そもそも、カフェという不特定多数が出入りする「外部」で機密事項が話せないですよね。まぁ、それを言ったらシェアドオフィス系のところも専用に部屋がないと

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