あわせ鏡

早い時間に目が覚めて眠れなくなった
昨日の事を思い出す

仕事帰りのスーパーで
子の通っていた園の先生に会い数年ぶりに話をした

元気でしたか？
みんな元気ですか？

よくある当たり障りのない会話

その後
お母さん雰囲気すごく変わりましたね

どうしてかドキッとする
悪い事はしていない…

知り合いも少ないし
過去と比較してもらえるチャンスは貴重

どんな雰囲気に映ったのだろう

数年前と今では状況は様変わり
心もすっかり変化した

スマホの写真を見返す
iPhoneにしてからの10年分
子ども達の写真でいっぱい

特に子ども達がまだ小さい頃は子育て真っ只中
自分が写ってるのは数える程しかなかった 

自分が嫌で現実を見たくなくて
真実が見えるようで怖くて
意図的に写りこまないようにしていたし
子ども達が勝手に撮ったものに写っている程度
しっかり写っている他撮りは本当に数枚しかない

恥ずかしい話だけど
2年程前から自分の顔や体やパーツの写真が増えた
もちろん非表示

私が私を撮っている

とにかく自己評価も低く目を背けていたのに
他人から見た自分がどう映るのか知りたくなった
その頃から心は変化し始めた

子ども達に手がかからなくなり
自分の時間が増えたのだろう

かつて好きだった趣味に取り組み
隙間時間の小さな楽しみが溢れている
嫌な記憶を越える楽しみがいっぱい

ずっと忘れかけていた自分自身と自分の人生
置いてきた20代から今と比較しても仕方がないけど
少しずつ今を生きるリアルな自分を取り戻している

先生が言った雰囲気が変わったとは
変わったのではなくて
私が私に戻っている途中で
みんなが知らない私に戻っている過程

きっと良い変化に違いない