【女「性」の素敵な捉え方】娼年(石田衣良)の感想
石田衣良さんの娼年の読書感想です。私の大好きな本の一つです。
あらすじ
娼夫リョウ、20歳の夏の光と影を描く物語。
虚ろな日々を送る大学生のリョウは、ボーイズクラブのオーナー御堂静香と出会い、娼夫となる。様々な女性が抱く欲望の深奥を見つめた20歳の夏を鮮烈に描き出す恋愛小説。
感想
この本の中で好きなのは、主人公リョウの成長の様子と、リョウの女性の捉え方です。
コールボーイの体験は非日常的なものであり、彼ははじめての仕事では思うように結果を出せず終わりましたが、不思議と彼はお客の心に取り入り、非日常の中にうまく順応し成長していったのです。
その要因の一つとして、リョウの女性に対する物事の捉え方の素敵さがあると思います。
この本には女性の性の奥深さや多様性、不可思議さが多く語られています。そんな性を向けられたリョウは女性に寄り添い、理解し、表面的ではなく内面的な美しさや可愛らしさを敏感に捉えています。
更に女性が年齢を重ねることの魅力についても興味深く書かれています。
コールボーイという非日常的な設定ではありますが、こんな風に思ってもらえたら女性は通ってしまうよね、と思わず感じさせられる描写でした。
人のどんな部分でもポジティブに魅力として捉える、そんな考え方もリョウから学べるような気がします。
テーマがテーマなので人によっては抵抗があるかもしれせんが、性描写が多いものの嫌な感じがせず小説として読める一作だと個人的には思いますので、未読の方には是非お勧めしたいです。
皆さんのご感想も是非コメントでお聞かせください。
リンク
https://www.google.co.jp/amp/s/books.shueisha.co.jp/items/contents_amp.html%3fisbn=4-08-747694-4
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