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人造りから国造りへ

1 人造り

 大学時代から新卒社会人一年目までの五年近く、自分は技能実習生と外国人留学生に携わる仕事をしていた。そして今現在、自分は特定技能の登録支援機関の一員として勤務している。

第一章 「朝日新聞」が隠すベトナム人留学生の違法就労
第二章 「便利で安価な暮らし」を支える彼らの素顔
第三章 「日本語学校」を覆う深い闇
第四章 「日本語教師」というブラック労働
第五章 「留学生で町おこし」という幻想
第六章 ベトナム「留学ブーム」の正体
第七章 幸せの国からやってきた不幸な若者たち
第八章 誰がブータン人留学生を殺したのか
第九章 政官財の利権と移民クライシス
中国にかわり技能実習生の最大の供給国となったベトナム。「労働力輸出」を掲げる政府の後押しもあり、日本を目指す農村部の若者たち。多額の借金を背負ってまで来日した彼らの夢は「300万円貯金する」こと。故郷に錦を飾る者もいれば、悪徳ブローカーの餌食となる者もいる。劣悪な企業から逃げ出す失踪者は後を絶たない。日越の関係機関、実習生、支援団体を取材し、単純労働者の受け入れ先進国・韓国にも飛んだ。国際的な労働力移動の舞台裏を全部書く。
「移民社会」はすでに始まっています。少子高齢化が進む日本が持続可能な「次の社会」は、外国人労働者の活躍、存在なしには考えられません。2019年4月、入管法の改定で、在留資格「特定技能」による外国人労働者の受け入れが政策的にも始まりました。しかし、日本は受け入れに見合った社会になっているでしょうか?現実には技能実習生が、「時給300円」に象徴される奴隷労働構造の中で働いたり、ヘイトスピーチ等の人権問題が山積しています。外国人労働者と共生する社会、移民社会に必要な条件とは?アメリカ国務省から「人身売買と闘うヒーロー」として表彰された外国人労働者問題のスペシャリストがデータとエピソードで明快に解説。
◆主なトピック◆
◎いないことになっている「外国人労働者」が日本経済を支えてきた
◎入管施設の「闇」――死亡事件、自殺、人権侵害
◎残業代は時給300円。月の労働時間400時間超
◎強制貯金使い込み、パスポート取り上げ
◎「外国人」労働者受け入れ政策の歴史
◎「新型コロナ・ウイルス禍」で生じる外国人労働者をめぐる問題

 以上のことから、「人材育成」よりもさらに進んで、「人造り」が、日本の復興と発展・進歩に重要不可欠になると思われる。

物が目的点まで形を取るにいたる事を意味し、そこから、「つくる」を意味する「造」という漢字が成り立ちました。

2 国造り

 さて、人造りの目的は何だろうか?思うに、それは国造りのためである。では、国造りの目的は何だろうか?思うに、それは人々が、自力で自分達のそれぞれの独立・自由・幸福を実現するための時空を完成させるためである。
 そして、思うに、人造りから国造りに至るまでの本を「徳」としなければならないだろう。

生の目的を見定め、「徳」を希求する人類最古の倫理学=徳倫理学。功利主義や義務論と違い、個々の行為より生全体を問う視点が示すものは何か。古代ギリシアや西洋中世、中国の儒教から、アンスコムやフットといった近現代の展開まで丁寧に追い、その考え方を懇切に解説、また環境・医療・ビジネス・政治など応用倫理の場面をも網羅した最良の入門書。
『力』(大自然の力量(エネルギー)と熱量(マター))を「力」(最適な自我と主体的な意識が宿る物体と事象)にすること(修徳)である。p.133
政は必ず徳によって行わなければなりません。何によって立つのか、忘れてはなりません。
徳とは国家の基礎です。
信義なき世をいかに生きるか――春秋時代中期、小国鄭は晋と楚の2大国間で向背をくりかえし、民は疲弊し国は誇りを失いつつあった。戦乱の鄭であざやかな武徳をしめす名将子国(しこく)と、その嫡子で孔子に敬仰された最高の知識人子産。2代にわたる勇気と徳の生涯を謳いあげる歴史叙事詩。
謀叛に巻きこまれ、子国は果てる。3年の長きにわたり喪に服した子産はその後、苛烈なる改革者にして情意あふれる恵人として、人を活かす礼とは何かを極め、鄭と運命をともにしていく。時代を超えることばをもった最初の人・子産とその時代を、比類なき風格と凛然たる文体で描く、宮城谷文学の傑作長編!
師はこう言った、「政を為すのに徳を以てすれば、譬えれば、北辰がその所に居て、周囲の多くの星々がその周りを共に巡るかの如くである。」
師はこう言った、「人心を導くのに政を以てし、人心を斉(とと)え(の)るに刑を以てすれば、人民はこれらを免れようとして、しかも恥が無くなっていく。人心を導くのに徳を以てし、人心を斉(とと)え(の)るに礼を以てすれば、人民は恥を有して、尚且(なおか)つ、格(ただ)しくなっていく。
「正(ただ)しい」という社会や目的論等に基づいた観念や概念だけではなく、「格(ただ)しい」という美学的・自然的な観念や概念をも持つことである。
物理と物性、物の質と量を学び知って、「物」(外界や有形等の空間的な物質または物体)を以て『物』(内界や無形等の時間的な物質または事象の集合体)を、並びに、『物』を以て「物」を格(ただ)しては、「物」を以て『物』を窮(きわ)めることで、「物」と『物』が格(ただ)しくなること(格物)である。p.133

3 個人は国家の基礎

 私達一人一人は国の基礎である。一人一人が、自分自身に対して、確りと責任感と義務感を以て生き、また、苦労と喜楽を以て生き、そして、学習を以て独立と自由を成し遂げて、幸福になることで、国家は善くなるのである。
 個人の生活が、常日頃から生死の間に在り、そして、それによって支えられているように、国家の活動もまた、常々、戦争と平和の間に在り、そして、それによって支えられているのである。ある者の死によって、ある者の生が続き、ある国の戦争によって、ある国の平和が保たれるのである、
 故に、死と戦争を確りと覚悟しつつ、生と平和を楽しみ喜ぶことが大切であり、死と戦争に屈することなく、また、生と平和に安逸することがないようにしてこそ、天道に遵った人道ではないだろうか?

誠は天の道であり、これを誠にするのが、人の道である。
1932年、国際連盟がアインシュタインに依頼した。「今の文明においてもっとも大事だと思われる事柄を、いちばん意見を交換したい相手と書簡を交わしてください。」選んだ相手はフロイト、テーマは「戦争」だった――。宇宙と心、二つの闇に理を見出した二人が、戦争と平和、そして人間の本性について真摯に語り合う。
いま平和研究は、複雑化する様々な問題にどのように向きあうべきか。平和研究の独自性や原動力を再認識し、果たすべき役割を明確にしつつ、対象・論点への研究手法や視座を明示する。各論考とも命題を示し論証しながら解明していくスタイルをとる。

4 結語

 今、自分は、以下の第二作品目『アメリカ解放大戦争 戦争と平和の哲学小説』の完成を目指している。第一章を完成させて、第二章を執筆中である。一部を抜粋する。

 後に、インカ帝国の人民は、植民地戦争で唯一独立を維持しているという誇り・志半ば亡くなった世界中の先人達への悲悼・本当の独立と自由の獲得と本当の平和と幸福を実現させる大志を懐きながら、十大国による、軍隊を用いずに虐遇し続ける戦争と、虚偽や欺瞞に満ち溢れた平和を、終わらせるために、一世紀近くに亘る忍耐と準備をし、そして、断行するのであった。p.28

 今から、この小説の世界観となったゲーム「Age of Empires III: Definitive Edition」を真剣に遊びながら、ストーリの展開を図っていき、その後、『荀子』を真心を込めて味読して、戦争と平和および国家の哲学を構築していく。

周の戦国時代末期の思想家で、官僚でもあった荀況(じゅんきょう)の書。荀況は、孟軻(もうか)とは反対に性悪説の基礎に立つが、だからこそ礼法を重んじ、教育をもって人は改善されるべきだと説く。荀況の学は、孔・孟の礼論を発展させ、長く後代に大きな影響を与えた。また、その門下から秦の宰相・李斯(りし)や法家思想の代表であった韓非(かんぴ)らを輩出した。一方で、儒教では忌避されることもあり、清代で再評価が進んだ。荀況が諄々と説いた学説は孟子とあわせてまた精読を必要とする古典の一つ。

ありがとうございます。心より感謝を申し上げます。