新型コロナワクチンにみる彼我の差(5)~案の定・ワクチンが…!
東京五輪まで残り30日をきった。最近見聞きしたことを記録しておく。
2020年12月、異国の風刺画。2021年元旦毎日新聞スクープなど序の口で、わが国の事情は混迷を極めつつある。(1200文字程度)
世界各国比較
200ヵ国での総計27億回接種の格差
2021年6月22日現在の比較
(紫:1回接種、青:2回接種)
人口60%以上が最低1回接種をうけたカナダ、イギリスでは死亡数減少傾向なのに対して/人口3%ほどしかワクチンをうけていないアフリカでは死亡数急増。
アメリカの場合
2021年1月9日(日本時間)ワクチン接種の優先順位について「1a>1b>一般」NYクオモ知事は定例会見で説明した。先進国では、医療従事者の次は高齢者、エッセンシャルワーカー等感染リスクにさらされる危険度の順と決まっている。アメリカ全土を見ても6月中には「7月4日・独立記念日までに人口70%の接種を終える」というバイデン政権の目標を早々と達成。どこまで数を伸ばせるかという段階。
韓国の場合
6月24日、文大統領は米誌TIMESの表紙を飾った。コロナ封じ込め先進国は、G7プラスαの6泊8日間の強行スケジュールでもワクチン外交に余念がなかった。英・ジョンソン首相や独・メルケル首相らとワクチンの開発・生産協力体制を築き、製薬会社代表と下半期のワクチン供給と次世代ワクチンの確保まで。
日本の場合
五輪を前にして日本国内のワクチン接種率が1桁から遅々として進まぬことは海外メディアも伝えるところであった。
2021年6月1日、加藤官房長官は非正規、派遣労働者のワクチン接種について「会社次第」と答えた。反発するネット署名も立ち上がったが、何か悲しい。住民票を持たない在留外国人のこともまだ決まっていないのでは。
6月2日大阪府の救急隊員が1回しかワクチン接種を打てていないままに死亡したショックもさめやらぬまま、「職域接種」なる概念が登場した。「1000人以上の大企業、大学」が順番抜かしできる格好になった。
「強いものだけが生き残る社会」の構図。7月4日の都議選、秋の衆院選前ということも申し添えておく。
6月21日、加藤官房長官は伊藤忠商事の「職域接種」を視察。同日の厚労省の公式ツイートによると10月~11月をワクチン接種終了の「目標」として掲げられた。完全にノーガードで五輪期間を凌がねばならない人がでるであろう。このゴールポストの位置が今後どうなるのか。
当然の如く、「地方」は後回し。地方の五輪ボランティアはワクチン打ちたけば都庁まで来いと。住む私の半径5メートル、65歳以上にやっと接種券が届き、エッセンシャルワーカーには何の音沙汰もない。この状態で国の立ち上げた大都市接種会場では対象年齢18~64歳に引き下げられている。
6月23日、事前に来月からの自治体へのワクチン供給が減ると報道にはあったが、突然の「職域接種」受付終了のお知らせ。ワクチンが足りない?輸送経路云々??河野ワクチン担当大臣は「申請を精査する」「再開は未定」と会見。
奇しくもそれはオリンピック開会式の1ヶ月前。沖縄慰霊の日でもある。デルタ株がさらに変異したデルタ・プラスの存在も明らかとなったというのに暗澹たる気持ちになる。
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