アストラルプレーン・シノプス

ご感想お待ちしております!


登場人物

主人公 30代前半の男性。右足を引きずっている。町のスーパーマーケット社員として精肉コーナーで働いている。

男A 30代前半の男性。初めて会ったとき主人公にとって話しやすい人柄だったのか人生について相談する。

女A 20代前半の専門学校生の女性。主人公と同じスーパーマーケットでバイトしている。主人公と肉体関係にあるが他の男性とも付き合っていて交際しているかどうか主人公にはわからない。

女B 主人公の元カノ。別の男性と結婚している。

男C 女Bの夫。

少年A 児童養護施設の小学生の少年。彼の里親募集の記事をみて主人公は自分の人生を変えたいと思う。

少年B 中学生の少年。主人公自身の中学生のころのことを思い出すきっかけになっている。

あらすじ

  新聞の里親の記事、少年Aの笑顔の写真が印刷されている。
主人公「新聞で里親の募集をみて運命を感じたんです」
里親相談員「運命?」
主人公「僕は産まれた時から足が不自由で、友人もいないですがでもなんとかスーパーの仕事ができるようになって自立することができました。人並みの幸せを知りたいんです。」
相談員「ご結婚するご予定はございますか?」
主人公「結婚ですか・・・」
  フラッシュバック、スーパーの職場の専門学生、女Aが目に浮かぶ
主人公「結婚していないといけませんか?」
相談員「子どもには父親だけでなくて母親が必要ですから。」

  回想、スーパーの職場、朝礼でふと女Aをみる主人公
  無関係のように目をそらす女A
  足を引きずりながら精肉の冷蔵庫に入る主人公、そこへ女Aが一緒に入ってくる。
  主人公に口づけしズボンを脱ぐ女A。
主人公「やめろ、バレる」
女A「大丈夫すぐ終わるから」
  そういって主人公の腰の上に乗る女A

  遊園地で子どもたちをみている主人公、そこへ男Aが現れる
  主人公と少し離れて隣に座る男A
男A「普通は中年男性が子どもを見てたら変質者だと思うかな、俺はそんな偏見ありませんが。」
主人公「子どもが欲しくて、実はさっき里親の募集を見て児童福祉施設に行ってたんです。」
男A「お若いのになぜまた里親に?顔もいいのにご結婚しないのですか?」
主人公「付き合っているというか、初めて会った方にいうのも恥ずかしいのですが肉体関係の女性はいるのですが。」
男A「やはりお若いですね。」
主人公「彼女は別の男とも関係があります。」
男A「そうだったんですか・・・でも誰にでもチャンスはありますよ。幸せになるチャンスが」

  同い年くらいの男と歩く女Aがラブホテルからでてくる
  そのラブホテルのベッドに横になっている主人公と女A
女A「なんで孤児なんかほしいの?私が産んであげるのに」
主人公「君が?」
女A「私がなに?私じゃ不十分なの?あなたのためになんでもしてあげるのに。」
  そういって主人公の股間をなめる女A

  児童福祉施設に行く主人公。
  女Aとすれ違う。
主人公「なぜここに?」
女A「なんでもしてあげるよ。」
  部屋に入ると相談員が殴られて殺されている。
  動揺する主人公、引き取りたい小学生の少年Aの顔が頭に浮かび、このままでは彼を引き取れないと確信する。
  相談員の死体をスーツケースにいれ、空き家に向かう。
  空き家の前で中学生の少年Bと鉢合わせになる。
  ここに来てはいけないと助言する少年B。
  空き家の車にスーツケースを乗せ深夜の職場に向かう。
  精肉部門で相談員の死体を切り刻む主人公。
  車に小分けになったゴミ袋を川に捨てて回る。

  少年Aに手紙を書く主人公
主人公の手紙「君の記事を見てこれは運命だと思った。
君を引き取りたい、君の父親になりたいと思っている。
一度会ってほしい。遊園地に来てほしい。」
  そう書いて少年Aに送る

  ラブホテルからでてくる女Aと男の後を追う主人公。
  一人になった女Aを襲う。

  空き家の椅子に縛り付けられた女A。
主人公「なぜ、あんなことをしたんだ!」
女A「(泣きながら)あなたのことを知らない」
主人公「なにをいってるんだ!子どもに嫉妬してこんなことをするなんて!」
女A「何のことをいってるの?ストーカーしてたことは忘れるから自由にして。」

  混乱した主人公は別室で頭を冷やす。
  何が起きているか全くわからない。
  そこへ縛っていたはずの女Aがやってくる。
女A「男を殴り殺したんだよ。こんなの簡単。それよりあなたのためにあいつを殺したのよ。あいつはあなたをなめてた。あなたに父親になれないってレッテルを張ってたのよ。だから殺したの。」
主人公「おまえのせいで俺の夢は終わりだ!」
女A「もっと前から終わってたよ。真っ暗闇。」
主人公「畜生!」
  くすくす笑いながら駆け出す女Aをおいかける主人公。

  追いかけた先で女Aが縛られている。
女A「ねえ?私がほしいんでしょ?レイプしたいんでしょ?」
主人公「馬鹿にするな!お前みたいな尻軽女を誰が愛しているものか!」
  そういって女Aの首を絞める主人公。
  もがく女Aの目から光が消える。
  いつのまにかズボンを脱いだ主人公が女Aをレイプしている。
  驚いて膣から引き抜くと、床に精液が飛び散る。
  いったい何が起こってるんだ。
  そこへ男Aが現れる
男A「おやおやこれはこれは気持ちよかったようだね?大丈夫警察には言わないよ。」
主人公「僕はなんてことをしてしまったんだ。」
男A「大丈夫、君は君だよ。俺が俺であるように。これが俺たちの正体じゃないか。」
  そういって空き家にある箱を持ってくるように主人公に促す男A。

  その箱の中にはデジタルカメラ、主人公の中学校時代のクラスメイトの少年Bの生徒手帳、主人公の元カノの女Bとその彼氏の免許書、結婚指輪、下着、男Aの身分証明書が入っている。
  デジタルカメラをみると女Aを盗撮した大量の写真データがある。
  それに気が付いた主人公のとなりに女Aが現れる。
女A「そう、今あなたがレイプして殺したのは現実世界の私で、今あなたがみている私はあなたの執着心と妄想が作り出した私ってこと。ずっと私で自慰してたのね。」
  今まで女Aと主人公がしていたセックスの妄想が、すべて主人公が自慰を行っている現実に換わる。
男A「これが新しい思い出の品だな。」
  そういって箱の中に女Aの下着をいれる男A
主人公「もうやめてくれ!俺はなんなんだ。」
  笑顔の男A
男A「これは重傷だ。僕に執着しすぎたね。でもこれをみればわかるよ。」
  DVテープを箱から取り出す主人公。

  テープの映像の中で主人公は男Aを椅子に縛り付けている。
男A「僕が何をしたっていうんだこんなこと止めてくれ。僕はただがんばって生きていたいだけなのに。足が悪く生まれた僕を差別して、絶望すれば腐るなといい、何かしたいと言えばお前にはできないという。こんなの不公平だ。」
  その様子をだまってみている主人公。
  男Aの話が途切れると男Aの身分証明書、アルバムや日記をみる。

  その映像が数本続き三日目のテープ。
  衰弱した男Aに話しかける主人公。
主人公「俺が初めて人を殺したのは中学生のときで俺をカツアゲできると思い込んでいたクラスメイトだった。正直、彼は幼くてなんのおもしろみもなかった。今でもそう思う。
 そんな俺にも彼女ができて愛することを覚えた時、相手に執着するこ快感を覚えたんだ。相手を知りたいという執着の一番先に殺しがあるんだ。2週間前に彼女を殺した。彼女は俺を捨てて他の男と結婚したんだ。
 最初、俺は二人を別れさせようと思っていたんだが彼女と相手の男をストーカーすることで彼女たち家族の一員になった気がしていったんだ。誰よりも彼女と夫のことを知るようになった俺は夫に近づいて彼に睡眠薬を飲ました。
 そして彼を自宅まで送り、彼の前で彼女をレイプして殺した。彼に俺が家族を支配していることを教えた後に彼を殺した。彼を殺すときが一番興奮したんだ!彼女が俺より優れているイケメンとして選んだ男の心を支配できたなんて!
 そしていまここにいる。うまれながらの身体障がい者の弱いおまえの前に俺がいる理由がわかるか?期間が空いているとはいえ3人も殺した。俺には新しい身分が必要だ。三日間いなくなっても誰からも心配されない身分が。
 君の話を聞けば聞くほどただ弱い人間のように思って全く興味がわかないんだ。君は俺よりどう優れているんだ?優れていないと君を殺した時に最高の気分になれない。」
男A「僕をおまえのような殺人鬼と一緒にするな僕は弱い人間だなにもできない社会にも入れない。でもお前と違ってよりよい未来を想像することができる。いずれ僕を好きになってくれる人と出会えるかもしれない。裕福になれるかもしれない。そういう夢を僕は見ることができる。
 おまえにはなにもないお先真っ暗だ。幸せになれない。あとは死ぬだけだ。」
  納得したように笑顔を浮かべる主人公
  男Aの頭にビニール袋をかぶせ窒息させる。

男A「僕のおかげで好き勝手な想像ができたみたいだね。」
主人公「君のおかげで善人ずらができるようになっていたよ。」
男A「自ら善人ずらをやめてどうするんだい?」
主人公「本当に欲しいものがあるんだ。あの子。あんなに立派に成長するなんて・・・。」

主人公の回想
女Bをレイプし、その旦那を蹂躙し殺したあと、ベビーベッドの赤ん坊に気が付く主人公。

主人公「あの子は間違いなく俺の家族だ。どうしても手に入れたい。妄想でも創造でもない。これが本当の俺だ。」
  空き家に主人公と女Aの死体だけになる

  遊園地で少年Aを待つ主人公。
  少年Aが現れ笑顔で走り寄る主人公。
  そこに男が少年Aに声をかける。
男の声「追手がきてるぞ!お化け屋敷に逃げ込むんだ!」
  お化け屋敷に逃げ去る少年A
主人公「もう少しだったのに!誰だ!」
  そういって少年Aに声をかけた男の肩を掴む主人公。
  その男は相談員。
相談員「死んだはずだって?幽霊を信じるかい?もちろん信じるよな。現実と妄想がごちゃまぜだもんな、おまえ。殺した相手と話したり殺した相手になりきったり。」
  お化け屋敷に少年Aを追いかける主人公

  お化け屋敷の扉を開ける
  と、少年Bから声を掛けられる
少年B「なあ、お前、校舎裏でノラ猫殺してただろ。なんで殺したんだよ。」
主人公「俺じゃないよ。」
少年B「心配するなって誰にも言わねーからさ。金くれない?口止め料。」
主人公「カツアゲ?」
少年B「カツアゲじゃねーよ。お前にも言われたくないことあるだろ?」
  少年Bの頭をハンマーで殴る
主人公「俺からカツアゲしようとすっからだよ!貧乏人が!死ね死ね!」
  血だらけの少年Bが起き上がる
少年B「なあ?俺の死体どこやったんだよ。切り刻んでバラバラにしたほうが良かったんじゃねーの?あの空き家の畳の下できれいに残ってるぜ?
本当は俺のこと怖かったんだろ?カツアゲしてきた俺のことが。」
主人公「怖くなんかない!死ねよ!くたばれ!」
  お化け屋敷から飛び出す主人公。

  誰もいない遊園地に一組のカップルがいる。女Bとその夫男C。
女B「あ、みて。寝取り願望の変態がいる。私たちのセックス観て自慰してたよねキモい。」
男C「俺たち家族を支配したってあの人に自慢してたらしいけど薬もって朦朧としてた俺を服従させたんだろ?気取るなよ。堂々と殺し合わせろ。」
  そういって女Bの夫が主人公に殴り掛かる。
  主人公が鉄柵にぶつかり頭から血を流す。
主人公「やめろ!」
男C「殺すことに慣れてるのに、殺されることには慣れてないナルシストが!」
女B「ねえ、私が彼女だってあの人に自慢してたよね?
私があんたの彼女?一回寝たからって勘違いしてんじゃねーよ。しかも全然気持ちよくなかったし、あんたも射精しなかったじゃん。いやしなかったんじゃなくて出せなかったんだよね。インポ野郎。」
男C「だから俺たちのセックスに憧れたんだろう?インポ」
主人公「支配して殺すことでしか射精できないんだよ!」
女B「そうだよね。殺した猫で自慰してたもんね。」
女Aの声「人じゃない。ケダモノでもない。それ以下だ。」
女Aが現れる。
女A「私をストーカーして気づいたんでしょ?自分が人の社会に存在する場所が無いって。私には母親も父親も妹だっていて彼氏もいた。そんな私に嫉妬したんでしょ?だから妄想の私をインバイに立ち回らせた。
 社会に混じれないのをこじらせて。自分がナルシストなのを理解できなくて。幸せになれないのが自業自得なのに何かのせいにして。支配して殺すことしかできない。」
  気が付くと主人公のまわりに主人公が殺した人だけではなく、人々の波がかこっている。
主人公「なんだおまえら!殺すぞ殺してレイプしてやる!」
声「ここにはいられない、ここにはい場所はない、どこかへいけどこかへいけ。」
  主人公が女Aやそのほかの人を殴るが動じない。
  主人公は追いやられ、観覧車の箱の中に追いやられる。

  登っていく主人公が乗った観覧車を見上げる人々。
男A「君にあの子は渡さないよ。」
  そういって同じ箱の中にいた男Aが笑う
主人公「おまえらが邪魔しなければ俺は何でも手に入れられるのに!」
男A「君は僕を拷問したとき信じてくれたよね、お先真っ暗で死しかないって。あの言葉、何度も何度も僕に執着するときに聞いてくれたよね。」
主人公「おまえは俺の妄想だ!都合のいい部分しかみていない!」
男A「どうかな?僕は生まれつき足が悪かった。君も僕を殺して受け継いでくれたね。
  突然足の感覚がなくなり観覧車の箱の中でひっくり返る主人公。
男A「お先真っ暗で、死しかない、そう自殺しかない。」
  観覧車の箱から落ちる主人公。
  その先に暗闇が広がっている。

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?