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読書感想文的な・・・

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本を通して思ったこと、感じたこと
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雲は友/岸本尚毅句集

雲は友/岸本尚毅句集

コロナ禍前にふらんす堂主催による岸本尚毅さんの句会に参加していたことがあったので、自分としては、岸本尚毅さんの著書はかなり(あくまでも自分なりに😅)購入していたつもりだったのですが、
改めて自分の本棚を探してみたら、持っている句集は、こちらの2冊だけでした。

所謂「句集」は持っていなかった💦💦💦💦

岸本尚毅さんは、俳句を齧っている人ならば知らない人はいないくらいに活躍中の俳人ですが、

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ファミリーマップ/おおぎやなぎちか

ファミリーマップ/おおぎやなぎちか

おおぎやなぎちかさんの創作を読んだのは2冊目です。
以前に読んだ「俳句ステップ」の感想は、こちらから

おおぎやなぎさんは、いわゆる児童文学作家というジャンルに分けられるのかもしれませんが、決して「子どものための本」というわけではありません。

主人公陸は中学生の男の子。幼い頃に母親を亡くし、ずっと父と二人暮らしだったのですが、ある日、父親から再婚の話を聞かされます。しかも、相手の女性は出産間近で

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俳句の五十年/高浜虚子

俳句の五十年/高浜虚子

ずいぶん前に読み終わってはいたのですが、
感想をどうやって書いたら良いのかわからなくて、とりあえず「読んだ」という宣言だけしておこうかと😅

高浜虚子の自伝です。自伝とは言っても、口述筆記によるものなので、読みやすい反面、話が重複していたり、いつのまにか話の内容がずれていたりするところもあります。
でも、口述だからこそ感じられる虚子の人間臭さもあって、案外楽しく読むことができました。

正岡子規

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大奥/よしなが ふみ

大奥/よしなが ふみ

堺雅人さんのドラマ「大奥〜誕生[有功・家光編]」で、大奥に嵌りました。大河ドラマ「篤姫」の家定以来の堺雅人ファンです💕やっぱり大奥繋がりですね😅

二宮君の「大奥〈男女逆転〉」は、映画館で見たのか、ドラマの後にDVDで見たのか、あまり記憶にありません😅(見たことに間違いはないんですけどね💦💦💦)
そして、映画「大奥〜永遠[右衛門佐・綱吉編]」最高でした。
[右衛門佐・綱吉編]は、その後

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森 高弘句集「光れ光れ」

森 高弘句集「光れ光れ」

森 高弘さんは、「童子」の同人です。
私よりかなり若い方ですが、俳人としては10年も先輩。
既に2010年には、小早川忠義という俳号で歌集「シンデレラボーイなんかじゃない」を上梓されています。
6ページにもわたる序文を、辻桃子先生が書いていらっしゃいます。
この序文、桃子先生の高弘さんに対する愛情をひしひしと感じて、本当に感動しました。
童子の連衆と桃子先生との間には、このような深い繋がりがあるの

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おんなふたり奥の細道迷い道/吉行和子・富士真奈美

おんなふたり奥の細道迷い道/吉行和子・富士真奈美

お二人とも好きな女優さんではあるのですが、富士真奈美さんは「細腕繁盛記」の意地悪な小姑、吉行和子さんは、吉行あぐりさんの娘さんというイメージを未だに引きずっています😅
このお二人が俳句をやっているということはいつ知ったのだろう❓

小沢昭一さんとか、永六輔さん、渥美清さん、夏目雅子さん・・・
プレバトで騒がれる前から、俳句に親しんでいる芸能関係の方は多かったようです。
やはり芸能に秀でている人は

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岸本葉子の「俳句の学び方」/岸本葉子

岸本葉子の「俳句の学び方」/岸本葉子

Amazonのkindle unlimitedで読みました。
紙の本を、こちらから購入することもできます。

岸本葉子さんが司会をされていた頃のNHK俳句が好きでした。(武井壮さん、ごめんなさい。)
「あの舌足らずな話し方がたまらない!」と公言していた句友もおりました(もちろん、男性)。年を重ねても魅力的で愛らしい。本当に素敵な方ですね。

この本は、俳句を始めてから数年経つも、鳴かず飛ばずの毎日

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いじわるばあさん/長谷川町子

いじわるばあさん/長谷川町子

朝日新聞出版の「いじわるばあさん」1巻と2巻を読んだ。

この本を久しぶりに読んで思ったのは、「日本国民総若返り化が半端ない。」ということである。
ちなみに、長谷川町子原作の「サザエさん」、登場人物の年齢は

まあ、確かにね・・・
漫画「サザエさん」の連載が始まったのが私が生まれる10年前らしいので、その頃は、「24歳で3歳の子のママ」なんていうのはフツーだったんだろうな。
いじわるばあさんの年齢

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文豪と俳句/岸本尚毅(集英社新書)

文豪と俳句/岸本尚毅(集英社新書)

この本を読んで先ず思ったのが、「こんなにたくさんの小説家が、俳句を詠んでたんだ」ということ。
まあ確かに、瀬戸内寂聴さんとかも句集を出しているし長嶋有さんもNHK俳句の選者やってたしなーーー。あ、そうだ。児童文学作家のおおぎやなぎちかさんも、童子の同人でいらっしゃる。
やはり文芸に携わる人は、俳句への造詣も深いのだろうか。

岸本尚毅先生

岸本尚毅先生には、ふらんす堂句会やあしらの俳句甲子園など

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俳句ってたのしい/辻桃子(朝日新聞社)

俳句ってたのしい/辻桃子(朝日新聞社)

この本は、私にとって、俳句のバイブルとも言える本である。

結社に入りたい

俳句を始めて1年経った頃に、結社に入りたいと思った。リアル句会の楽しさに触れるに連れ、何とか地元で定期的に句会に参加してみたいと思うようになったのだ。いつき組の人たちが東京近辺で行っている吟行句会に参加することもあったが、その頃の私にとっては、時間的にも精神的にも、なんとなくハードルが高いと感じていた。

しかし、地元で

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句集「途中下車」西村小市

句集「途中下車」西村小市

西村小市さんの「乱雑な部屋」に続く第2句集。小市さんは、童子の先輩であり、いつき組花芭蕉句会で句座を共にしている句友である。小市さんは俳句との向き合い方や生き方そのものがとても格好良く、私にとっては心の師とも言うべき存在。

第1句集の「乱雑な部屋」は65歳になられたのを記念して作られたそうだが、「途中下車」の扉の裏側には「妻 真弓の古稀を記念して」と綴られている。こんなところが、小市さんの格好良

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沖縄の島守を語り継ぐ群像/田村洋三(悠人書院)

沖縄の島守を語り継ぐ群像/田村洋三(悠人書院)

この本は、嘗ての同僚であり、現在はFBでの友達としてお付き合いをさせていただいているKさんから、寄贈されたものである。

秋彼岸の少し前、映画「島守の塔」を見て、その感想をFacebookに書き込んだ。この映画の原案は、田村洋三氏の著書「沖縄の島守ーー内務官僚かく戦えり」(中央文庫)で、主人公は第27代沖縄県知事・島田叡と当時の県警察部長・荒井退造の2人である。
荒井退造は、栃木県芳賀郡清原村(現

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