だーはら

都内在住の一浪→大卒→スーパー従業員→ニート→インフラSE。ここには主に詩や駄文を投稿…

だーはら

都内在住の一浪→大卒→スーパー従業員→ニート→インフラSE。ここには主に詩や駄文を投稿してます。 2023/4/16〜 週一で長さ無制限の戯曲作品を書きあげる #原田の週一戯曲ノック チャレンジ中。 作家として 戯曲本舗 @GH_PRetc

最近の記事

凡人と熱量と根クズ

とにかく、何かに打ち込む熱量を持てない。 それが推し活とか、仕事とか、ゲームとか、問わない。何かにつけて継続も苦手なら努力が苦手だとはっきり言える。才能と呼べるものが自分には思い当たらず、ただ好きなことを好きなように知るけど、それ以上の人の熱量や技量には敵わないし、大抵の物事は冷めていく時間をただ待つだけになっている。 何かに熱を持って取り組むというのは素晴らしいことなのだろうか。人生を振り返っても自分の心が動いたこと、人生を捧げようとするまで何かに打ち込んだ経験が無いように

    • 0:49

      この日がずっと続けば良いと いつか来る別れを想っては 何かに祈るわけでもなく 当たり前の日々を享受している 来世もきっとあなたの子でと 笑顔で送り出す時を想っては そんな事が起こるはずないと 根拠もなく否定している 雪のように積もる思い出 雪のように溶けていく記憶 春が来る度に新しい出会いと もう二度と会わない人と縁が切れ 楽しかったのはいつ、どんな時だったのか 悲しいと何故こんなに涙が出るのか ずっと一緒に居ることは叶わず 失うまでの時間が惜しく 水中に身を委ねてい

      • 六畳一間の闇の中で

        だけども俺も書きたくなった そんな理由でいいから筆を取る 埋もれたメモ帳の中のほんの一文から 明日に繋がる光が標となる 作詩とか物書きとか、そんな才能があるか分からないけど、誰かに認めてもらいたかった 誰かと比べては、自分が優れていることを一つでも多く探したかった 言葉を紡ぐことは楽しく、されど難しく 世に出すのにひたすら怯えていては、 時代も自分の才も風化して言ってしまった 言葉を凶器にするのは容易く、 それが鋭利なものにならないよう気をつけた 感情を狂気にするのは難し

        • 世界征服やめました

           ここは現実の世界であるが、SNSで発信した自分自身への評価が、そのまま自分の人生の豊かさに直結するとされている世界。更に自分への評価が可視化されている世界である。  東京都内の喫茶店。小洒落た雰囲気で、メディアには大きく取り上げられてない、いわゆる穴場。中央前と上手、下手それぞれに椅子とテーブルのセットがあり、上手は店の入口に続いている。  明転。中央の椅子に相沢が腰掛けている。テーブルにはコーヒーカップと、この店のメニュー。手に携帯を持っており、SNSを操作している。

        凡人と熱量と根クズ

          ととのえ

          生ききるというのは生きることより難しい。 息を吸うように周りの人ができることを、 息を切らして真似して生きてきた。 吸った息は時にネガティヴな感情を吐き、 足のつかないプールを泳ぐように息継ぎをした。 生き続き、生かされ続け、やがて何のために生きていくのか、 自分はどう生きるか、自ら考えなければならなくなった。 君たちはどう死ぬか。 生涯の幕はどんな形を描いているのか。 どう生ききるのか。 それは生きることより難しい。 そんなことを思っては、呼吸の乱れる日々が多くなって

          逃走中の男

           とある商業施設、朝5時。某エンターテイメント番組の収録が行われている。あたりには番組に参加している芸能人の男と、それに付き添っているカメラマンの2人しかいない。  男が物陰に隠れる。 男 怖え〜!(笑)  着信。携帯を取り出す。 男 「これよりゲームを開始する。制限時間は130分。賞金は1秒ごとに200円ずつ上がっていき、逃走成功すれば賞金156万」、156万円! 「ただしハンターに確保されれば0円となる。今から10秒後にハンターが2体放出されゲームスタートとなる。逃

          逃走中の男

          円満離婚

           東京・八王子にある喫茶店。都心から離れた場所にあるこの喫茶店は最寄りの駅からも離れており、徒歩30分以上かけてようやくたどり着ける店である。  東京とは思えない山々を一望できるツーリングコースの道中にあることから、ライダーズカフェとしても有名な店である。店内は木を基調とした雰囲気で、席数は少ないながらも広々とした空間である。  季節は秋、午後4時。舞台中央にはテーブルと、テーブルを挟んでイスが2つある。上手側のイスに奈緒子が座っている。テーブルの上には水の入ったコップが2つ

          早口言葉戯曲

          【設定・場面】  鈴木と佐藤は主婦で友達同士。とある喫茶店。コーヒーを飲んで待っている鈴木のもとに、 佐藤が現れる。佐藤の手には鈴木へのプレゼントが入った紙袋。 佐藤 鈴木さん、おまたせ。 鈴木 あら、佐藤さん。  佐藤、店員にむかって、 佐藤 すみません、コーヒーと、バナナババロア 7 つ。 鈴木 そんなに頼むの? 佐藤 お腹空いちゃって。 鈴木 それにしても、最近嫌なニュースばっかりよね。 佐藤 そうよねえ。 鈴木 知ってる? 頭突きの都築、過失致死傷罪。 佐藤 頭

          早口言葉戯曲

          自分有給(1)

          「じゃあ、この日にお休みを取るから、よろしくね」 「はい、かしこまりました。」 自分有給の制度ができてから、自分の人生に「メリハリ」ができた。なにせその日だけは自分を「お休み」できるからだ。 その日一日、私は私ではなくなる。渡辺一郎という人生から、一日だけ解き放たれるのだ。 周りの人間は、私のことを渡辺一郎とは認識しない。会社に行ってもビルの受付で止められるし、免許証を出しても、私のことではないから、取り合ってもらえない。 つまり、私という人間がこの地球上からいなくなってしま

          自分有給(1)

          子ガチャ

          ここは天の国で、これから現世に降りて生を受ける者たちが、神様の前で順番に並んでいる。 彼ら彼女らの姿は、生を受ける前であるから、魂だけの状態である。実体を持たない、概念だけのような存在であるが、ここでは人間の姿をしているものとする。 性別は決まっているものの、これから赤子となって母親から産まれてくるわけであるから、仮の人間の姿である。あるいは、これから現世で成長した姿になっているのかもしれない。 ともかく、そんな魂たちが、神様の前で並んでいる。 「もう一度引かせてくれ! こ

          子ガチャ

          多分良いとこ、ここ地獄

           地獄。あたりは暗く、上を見上げても暗闇が広がるだけである。周りからは亡者の呻き声や叫び声が聞こえてくる。  舞台中央に釜茹で地獄の釜。グツグツと沸騰する音が離れた場所からも分かり、近くは立っているだけで汗が噴き出るくらい暑い。また針の山、血の池もここから見えるくらい近いようだ。  上手より餓鬼が亡者を連れて現れる。亡者は白装束姿。餓鬼はガラケーに長い紐のストラップをつけて首からさげている。 餓鬼 はい!じゃあ、続いてはこちらになります。(釜を手で仰いで)どーん。 亡者 

          多分良いとこ、ここ地獄

          イエロー・イエロー・ハッピー(3)

          * * * はあ。 溜息を着くと同時に、相談所の自動ドアが開いた。 とりあえず、死ぬにも意外と金がかかるのが分かっただけでも来た意味があると思うしかない。 そもそもどうやって死んだら良いか無料で相談して、その後もなんとかしてもらおうとするなんて虫が良すぎた話だったのかもしれない。 某県の山奥に長いこと放置されている廃墟があって、管理会社が既に存在しないから警察の捜索が遅れる、というところまでは身を乗り出して聞いていた。 しかし、楽に死ねるためにはこんな薬があって、どうやっ

          イエロー・イエロー・ハッピー(3)

          成長期!(ラジオドラマ)

          登場人物表 アキラ(15) 男/中学3年生。思春期の悩みはない。 みどり(15) 女/中学3年生。自分の体型を気にしている。 ノリオ(15) 男/中学3年生。背が伸びないことが悩み。 令子 (27) 女/アキラ達のクラスの担任。 (チャイムの音が鳴る) 令子  4時間目はここまでにします。日直の人。 アキラ 起立。気を付け。礼。 令子  じゃあ、当番の方は給食の準備をしましょう。 アキラ いやー。令子先生の授業はなんか眠くなっちゃうんだよなあ。

          成長期!(ラジオドラマ)

          マイナンバー殺人事件

          皆さんにお集まりいただいたのは他でもありません。 昨日、この館で起きた、密室殺人事件の犯人がわかりました。ええ、そうです。ご主人は心臓発作による突然死なんかじゃない。 「0875」……このダイイングメッセージの謎が最後まで解けませんでした……。 最初私は、この数字を「ハナコ」……つまり奥様である花子さんを指しているものばかりだと思ってました。 しかし奥様には……、奥様? 奥様落ち着いてください。違います。奥様にはアリバイがあると……、痛たたたた! 違います! 違うんです奥様!

          マイナンバー殺人事件

          ぽったり地蔵

          〇登場人物 為吉 おきよ お地蔵さま トメ 町人1 町人2 語り部  江戸時代、とある町。音楽が流れると、為吉と語り部が現れ、 語り部 今日は昔むかしのお話を、皆様にお聞かせします。この男の名前は為吉(ためきち)と申します。母のおきよと共に、貧乏ながら細々と暮らしておりました。  為吉が道行く人に薪を売っている。薪は木の枝を紐で束ねているイメージ。 為吉  薪はいらんかねー。よく燃える薪だよ。薪はいらんかねー。  町人はすれ違うが買おうともしない。為吉、肩を落とし、

          ぽったり地蔵

          絹巻観音

          配役 鈴 おふみ(鈴の母) 権六(鈴の父) 三郎(権六の近所の人) お銀(継母) 観音の使い1 観音の使い2 甚太(語り部) 夕方、田んぼ。上手より権六、おふみ、三郎が現れる。権六とふみは仲睦まじそうに二人で農作業をしている。甚太、前に出て、 甚太 今日は、昔むかしのものがたり、私たちの村に今でも語り継がれているお話を、皆様にお聞かせします。私の名前は甚太、と申します。こちらにおりますのは、権六と、おふみ。近所に住む私たちから見ても、大変仲の良い夫婦なのでございます。し

          絹巻観音