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短編と長編

初めて朝井リョウさんの短編集を読みました。長編はいくつか読んだことがあったし、高校のイベントで出版前のゲラを見せてもらったこともあって、というかそれでちょっと読みたいなって思うようになりました。

感想としては当たり前なんですけどやっぱり上手いなって。まず読ませる文章を書く能力がとんでもない。短い字数でもストーリーや構成がとてもしっかりしていて、次のページが本当に気になるような物語になっている。

内容は自分で読んでって感じなので言及は避けますがこういうテーマは好きですし、めちゃくちゃ気持ち悪かったです。褒めてます。こういう現実を見たくない、それからの逃避のために本を読んでいる人もいると思うのでそういう人には向かないかもしれません。個人的にはおすすめできます。

この本が読みたくて買ったというより、他のことを何もしたくないし気晴らしにって感じの、買うこと自体が目的化したやけくその衝動買いだったんですけど普通によかったです。

ちょうどお勉強(笑)としてスタンダールの『赤と黒』桑原訳を読んでいて、その長さと翻訳書ゆえの読みにくさ、自分のサボり癖も相まって2か月くらいかかってしまったんですけど、こっちは確か2時間もかからずに読み終えてしまいました。今『赤と黒』延滞の罰則で学校の図書館で本が借りられません。

『赤と黒』には翻訳論争があるみたいですね。最新の光文社の訳は読みやすいけど誤訳だと論争に。気になる人は自分で調べて下さい。翻訳についての文章を採点バイトで読んだんですけど面白かったです(東大2013年現代文)。理想の翻訳って何でしょうね。


話を元に戻します。

日本人の読書離れが進んでるのかどうかはちょっとデータとかを見てないのでよく分からないですけれども。世の中に例えばYouTubeだったり、そういった手軽に摂取できる娯楽が溢れているので、特に長編小説を読む人は減っていてもおかしくないなと感じます。読む人は読むままなことは確かですが。かくいう私も長編を読む気力と体力がそこまで無いです。分かる奴には分かる、でもまあ別にいいとは思うんですが、分かってない奴にも分かって欲しいんですよね。欲張りなので。

そういう中で例えば短編小説やショートショートみたいなものは、分かってない奴に分からせる(興味の無い人に興味を持たせる)一番良い手段、入り口なんじゃないかなと思っています勝手に。比較的手軽に読めるし。

まあ勿論短編でストーリーも面白く、それで読者に訴えたいことや伝えたいことを十分に含ませる、ということが非常に難しく技術のいるものだってことは把握しています。

Twitterやってて、自分の理想としては限界まで短文で、それでいてすっと入ってきてぶっ刺さるようなツイートがしたいと考えてはいるんだけど。短文すぎるとそもそもスルーされて読まれないのか。ある程度の長文だと「うん?」となって皆読んでくれるからなのか、短文のツイートはいいねがこない。まあいいねが欲しくて呟いてるわけじゃないけどさあ。

投手が27球で試合を終わらせるのが理想か、それとも27奪三振で終わらせるのが理想かみたいな話で、どちらが正解とかは無いけども。 

ひとまずTwitterに関しては、私は27球で試合を終わらせたい。長文ツイートとかきもいし。

Twitterのいいねは既読感覚でもなんでもいいからつけた方が絶対いいと思っています個人の自由ですが。現実問題いいね以外にその人が見てるのか判断する方法がないので、ちゃんと自分の声が届いているのか不安になるから。まあ別に短編だろうが長編だろうがやばくて、君に届けば何でもいいです。

どうせ自分はそれくらいしかできないので沢山のものを摂取して、沢山話して沢山聞いて生きていきたいです。それが難しいのは百も承知で言いますが、話したいことを何でも話して下さい。そこまで気を遣ってくれなくていいし、遣おうとしてくれてありがとうございます。自分もなるべく言えることを言えるように頑張ります。


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