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妻が妊娠したら夫も禁酒。それ以外の選択肢なんてありえない。

「パートナーが妊娠したのをきっかけに○○しました」みたいな人はめちゃくちゃ多いと思いますが、運動、とか、飲み会を控える、とかばかりで、禁酒を完全に遂行した(している)人はあまり多くないように思います。

私は妊活中、妊娠している可能性を考慮しつつ妻が禁酒していたので、そのタイミングでは併せて禁酒することにしていたのですが、先日妊娠しまして、そのままずっと一緒に禁酒しています。

先に「あまり多くないように思います」とか言っておきながらこんなことを言うのはどうだろうと思いつつ言いますが、禁酒しない人たち、結構ヤバいんじゃないの?って思っています。よくそのスタンスで夫婦仲維持できるな、と、本気で思っています。


色々あるんですが、まずシンプルに、妊婦と夫ってどっちが大変だと思いますか?私はなにがどうあったとしても妊婦のほうが大変に決まっていると思っています。夫側がなお頑張って働かないといけない、みたいな思想もあるかもしれませんが、それは別にそもそも働いていたのでは?ってだけだと思いますし、妊娠以前以後での差分だけ直視すれば、大変なのは妊婦だけです。

そのうえで、妊婦の体調次第で稼働を調整するため、夫の家事割合が増えるとかはありうる話だと思いますが、それは50:50にするための調整でしかないので、ストレートに大変なのは妊婦だけです。付帯的に夫側の家事が増えるのは普通ですが、究極は作業量が増えるだけ、くらいのものです。

その前提の中で、妊婦にはさらに食事に気を遣う必要があり、運動も制限される。酒が飲めない。その状態のパートナーを意識しながら酒を飲むことができる夫の気が私には知れない。端的に、その酒、全然おいしくないのでは?


ということで妊婦の夫の禁酒のススメを書いていきます。

健康になれる

禁酒がいかに健康に良いかというのはずっと言われ続けていますが、愛飲家ならよくわかる通り、禁酒なんてよっぽどの理由がないとやる気になりませんよね。

いや、今がその時なんですよ。妻が飲んでないんだから。

これは持論ですが、愛飲家は自分の肝臓を顧みることをしません。飲むのを止めれば健康に戻るでしょ、くらいの感覚でいるからです。で、その「飲むのを止め」るのはいつですか?肝臓が壊れてから?それじゃ遅いんですよ。

逆に、身内のせいにして禁酒するほうが理由としては強い。自分の身体は異常が無いんだから禁酒する気にならないんじゃないですか?ほかの理由があったほうが、しかも自分のための利益じゃないほうが、禁酒しやすいと思いませんか?(自分のための利益だと、お酒を飲んだほうが報酬として成立してしまうから、つい飲んじゃうんですよね)

ついでに運動とかしちゃうと、なお健康になります。睡眠の質も間違いなくよくなるし、毎日体重計に乗っちゃったりして、どんどん調子づいてきます。

当然ですが、健康診断の数値が尋常じゃなく改善します。肝臓関連の数値の改善には本当に驚かされることでしょう。全てが規定値内のスコアという、見た覚えすらないような健康診断結果を得ることができます。


信じられないほど尊敬される

「妻が妊娠しているんで、一緒に禁酒しているんですよ」

これを言うだけで、信じられないほど褒められます。信じられないほど尊敬されます。意味不明な眼差しで崇められます。愛飲家ほど、その上がり幅は尋常じゃない。

実際には、健康のためというか、いい機会だから、くらいのノリなので、愛妻家でいるつもりも、子煩悩でいるつもりも全くなくても、めちゃくちゃに褒められます。「いいパパになりそうだ」とか意味不明なことも言われます。そんなの関係ないだろ、と思いますが、とにかく褒められる。


夫婦仲がめちゃくちゃよくなる

われら夫婦はそもそもめちゃくちゃ夫婦仲が良いので、大差ありませんが、逆に夫が酒を飲み続けている夫婦の夫婦仲に亀裂が入ることだけは、どう考えても避けられないものです。

「いや、うちは大丈夫だよ、嫁さんそもそも酒飲まないし」とか「私は夫が酒を飲んでいても気にしないけど」とかいう人はごまんといます。ごまんといますが、その全員が、そもそも現実が見えていない。

妻が酒を飲まないのに酒を日常的に飲んでいる夫が、陰でどう思われているのかをそもそも想像できていませんし、夫が酒を飲んでいてもなんとも思わない(思えない)時点で、二人の関係性に距離がありすぎる。男女平等の時代で、心が同じ高さにない夫婦なんて、亀裂が入る以前にそもそも亀裂だらけです。

それを「せめて妊娠中だけは飲まないようにしてくれた」という超重要なファクトが一生残るわけです。こんなに重いポイントはありません。妊娠というのは一生の思い出なのですから、そのタイミングに合わせるようにして「夫が妻に超献身的だった」という印象を偽造できるのですから、こんなに素晴らしいチケットはありません。

半分冗談ですが、夫婦仲の改善に一役買うことは間違いないでしょう。


視野・趣味が広がる

酒を飲むようになった経験をしたうえで酒を飲まない時間を過ごすことは、視界を広げることにつながります。

たとえば、酒を飲まない状態で居酒屋に行くと、なんとメニューが酒飲み向けに特化していることか、という驚きを感じます。酒を飲む立場からしたらそんなものかって感じでしたが、いつも飲み会に参加しているけど酒を飲まないでいた人たちが、どんな気持ちで飲み会に参加していたのかを感じることができます。

味の濃さとか、そもそも長時間過ぎる飲み会とかに対する退屈感とか、しらふで見る酔っ払いたちの振る舞いとか、異質なものだなと思います。それが悪いとかそういうことではなく、酒を飲まないという立場で経験することで、その目線を持った振る舞いが今後できるようになるだろうということを確信できます。

また、酒の代わりになる何かを模索する日々が始まります。嗜好品らしいものを探して、お茶やコーヒー(カフェインは妊婦は悩ましいところがありますが、ノンカフェインを含めて)、炭酸飲料、ジュース、コーラやジンジャエールといったものの追求が楽しくなります。併せて、酒を飲まないことでしらふで様々なものにチャレンジできますから、趣味を増やすことができます。読書に時間を割きやすかったり、運動する機会が増えたりといったことが期待できます。


自信につながる

禁酒をすることが、間違いなく自信に繋がります。

酒を飲まないと、酒を飲んでいる人たちが馬鹿らしく見えてくる。実際に酒を飲むこと自体がとても楽しく文化的だということを肌で感じていたはずですが、飲まないことを「選べている」という実績を獲得することは、ただ「やろうと思えばいつでも禁酒できる」と思っていた時とは全く異なります。

「別に毎日飲んでいるわけじゃないから」とか「飲まない日もあるから」とかグダグダ行っている人たちは、漏れなく「禁酒できていないが、やろうと思えばできる」と言っているに過ぎません。依存性のものは漏れなく、やめたことが無ければやめられるとは言えない。

では、どれだけやめれば止められるといえるのか?は明確な定義がないと思いますが、少なくとも、定めた期間を完遂することができているのであれば、それは「やめた」と言えるでしょう。妊娠期間のような、明確に終わりの来るものを使って、そうした自信を獲得できるというのが、まさに「禁酒」です。



おわりに

本当にメリットしかありません。そもそもなんで酒なんか飲んでたんだろう?という感覚になってもおかしくない。実際私も半分くらいはそうなっています。飲み始めたらまた変わってしまうのかと思うと切ない。飲み始めるのが怖いくらいの気持ちもあります。

特に、酔うために特化した飲酒は、二度としたくないなと思っています。私は日本酒が大好きだったので、日本酒以外は基本的に飲まないようにしたいな、とか、そういう視点を持てるようになりました。

飲み始めたらまた価値観を引き戻されるところもあるかもしれません。でも、少なくとも妻が妊娠している間だけでも、そして生まれてから妻が飲酒を再開するまでの間については、間違いなく禁酒を継続します。長い人生のうちにただそれだけをすることで、肝臓の復活とか、家族関係の改善とか、得られるものが膨大過ぎる。

逆に、ここまで読んでくださったあなたは、なぜ妻が妊娠しているのにあなたは飲酒を継続していられるんでしょう?不思議でなりません。今すぐ一緒に禁酒しましょう。2ヶ月もすれば、すぐにお酒を飲んでいたときのことを忘れてしまうと思います。

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