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あおい国2〈ひと色展〉


巡り来る日々と
ぼくらの幼い憧れが出会う朝に
木洩れ日になって降り注ぐ光
 
聴こえて来るだろう?
光の後ろ側の国から
あの 弾む息が
リズミカルなステップが

ぼくはいつも
あおい国を探している
 
国境線で
少女がなわ跳びしている国だ
 
 /あや跳び//
 
時として ぼくらは憧れを見失い
夜の窓辺で独りため息を吐く
だけど あのステップが聴こえて来たら
ぼくらは漆黒の夜空に小さく瞬く
ホリゾンブルーの星を見付ける
 
 //こうさ跳び/
 
星はやがて 夜明けの空へ溶けて行き
朝霧に覆われた海を晴らす風になって
還って来るよ 千の歌声と共に
 
 /かけ跳び//
 
真昼の都市を海風が駆け抜けたら
ぼくらはかつて見失った憧れと巡り会う
世界は笑いに包まれ 色彩は煌めいて
 
 //はやぶさ!/
 
憧れは美しい夕星ゆうづつの花嫁に変わり
ぼくらは あおい影を纏う青年になって
花嫁に被せよう ホリゾンブルーの花冠を
 
 /ふたり跳び// 
 
さあ二人で なわの両はしを持って
一緒に跳ぼう 国境線の向こうへ
未生からの 約束の地
あおい国へ

(誰かがクスクス笑って
 祝福している)
  
ぼくはいつも
あおい国を探している
 
国境線で
少女がなわ跳びしている国だ
 
 
 


*『ひと色展2023』に参加二つ目です。
よろしくお願いします。

↓ ↓ ↓ 昨年の『ひと色展2022』参加作品「あおい国1」


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