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考えごと

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#伝統工芸

人間は進化していない。進化したのは科学技術。先達の作品群をみて思う。

漆塗りというリソースをもって、今の世の中で何をしていこうか。これが常に考えていること。

趣味としての漆の普及を目指す

「伝統産業」「伝統工芸」とはすなわち、過去の産業、過去に流行った工芸、ゾンビ産業、ということなのだと感じる。
 その中の漆も、今の時代、なくてもいいものなのだと思う。実際、漆器のない家はたくさんあるわけで。
 ではもう消滅すればいいかなと考えると、それはちょっともったいないなと思う。漆がとても魅力的な素材だと知っているので。
 この漆の魅力を知った上で、いるかいらないか、好きか嫌いかを判断してほし

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漆塗りを始めた理由と400年続く家業の使命

 もともとは、江戸時代から400年近く続く漆塗り家業で、自分が一人っ子だから跡継ぎだから、という使命感が大きかったのですが、だんだん漆は面白いなと思い始め、今は跡継ぎとか堅苦しいことは考えずに、漆を楽しみたいなと思っています。

 逆に、400年近く続く跡継ぎの今の時代の使命はなんだろうと考えたら、それは漆の魅力を伝えることなんじゃないかという思いにたどり着きました。

 漆は素材としても面白いし

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漆器の扱いを難しくしている3大要因

①家伝来の漆器を、扱いのわからない嫁に触らせられないと、嫁から漆器を遠ざけ、苦手意識を植えつける姑。

②とりあえず最大限のリスクを排除した、至極丁寧な漆器の扱い方を伝授する習いごとの先生。

③説明責任の恐怖から、取扱説明書の禁止事項に「落下させること」までいれてしまう、漆器の長い長い禁止事項の説明書。

ふだん漆器

ふだん着物、普段着着物、そんな言葉があるのだから、「ふだん漆器」があったっていい。
ほかにも、
・アンティーク着物→アンティーク漆器
・リサイクル着物→リサイクル漆器
・レンタル着物→レンタル漆器
・着物リメイク→漆器リメイク
・カジュアル着物→カジュアル漆器
・フォーマル着物→フォーマル漆器
などなど。
リメイク漆器や漆器レンタルは少ししてみているけど、まだ、ジャンル開拓の余地がある。