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はるか昔、高校時代の夏休みの出来事です。

高校時代、

私はラグビー部に所属していました。

高校3年生の時は、全学年合わせて60名くらいの部員数だったと思うが、

そのうち高校3年生は20人くらい。

最後の夏休みということで、なかなか厳しい練習が毎日続いていた。

私の高校時代は、「 終わるまで水は飲むな!! 」の時代。

カラカラになりすぎて、トイレの手洗い場の水を飲んだのが懐かしい。

夏休みはほとんど毎日、部員達と顔を合わせていたが、

突然何かの都合で、1日休みとなった。

急に休みになったものだから、

何をしたらよいのかわからない。

クラブに集中したいから誰ともお付き合いはしない、

受験も控えているので誰ともお付き合いはしない、

という理由は一切ないのに、

彼女がいない寂しい夏休みだったので、

急に空いた1日を、

自宅でクーラーをつけながら、

普段自由には飲めない、飲み物を好きなだけガブ飲みし、

「 自由だ〜!」と感じながら、

1人でゴロゴロと過ごしていた。


すると、

「 ピンポ〜ン 」、

と自宅のチャイムがなる。

「 おいおい、まさか休みの情報をどこかで聞いて、

  女の子が遊びに来てくれたのではないか?? 」

と、自由すぎる妄想をしながら、

家の2階にある自分の部屋から一気に階段を駆け降りて、

玄関ドアを勢いよく開けた。

「 おっす!!暇やから遊びに来てん 」

馴染みの顔と低い声。

ラグビー部の仲間の1人、Aだ。

「 急やな!まあ、入りいや 」

と、自分の部屋に案内した。

「 急に休みって言われても、困るよな〜 」

と、仲間Aと5分ほど部屋に上がって話していると、

「 ピンポ〜ン 」。

「 ん、ちょっと見てくるわ 」

と、私は仲間Aを部屋に残して、

玄関ドアを開けにいくと、

「 おっす〜!!暇やから遊びに来てんけど、誰かおるん?」

と、ラグビー部の違う仲間Bが訪ねてきてくれた。

「 さっき、Aが来たばっかりやねん、上がりいや! 」

と、自分の部屋にBを案内した。

「 お〜、Bやんか!お前も来たんや! 」

と部屋にいたAが今まさに来たばかりのBに話しかける。

偶然に少しテンションを上げながら、3人で話していると、

「 ピンポ〜ン 」

なんなんだ。

「 今日は忙しいな〜 」

と笑いながら、階段を降りていくと、

「 おっす〜!!暇やから遊びに来てん 」

ラグビー部の仲間Cだ。

「 なんか、今日は俺の誕生日やったかな〜(笑) 」

とリアクションを取りながら、

すでに2人の仲間が来ていることをCに伝える。

Cを部屋に案内し、

「 お〜、お前もか〜〜!!」

と仲間同士で盛り上がっていると、

「 ピンポ〜〜ン !!」

なんかおかしい。

これで4人目。

おそらく、またラグビー部じゃないのかと思ってしまう。

ドアを開ける。

やっぱりラグビー部の仲間D。

「 ん、デジャブかな、俺、暑さでおかしくなってるんかな・・・」

と言いながら、

Dを部屋へ案内する。

一度、部屋にいるA、B、C、Dの顔を見て、

「 こんなこと、ある??(笑)」

と聞いてみる。

「 俺達も驚いているところやわ 」

と返事が返ってくる。

すると、

「 ピンポ〜ン 」。

またチャイムが鳴った。

「 絶対おかしいやろ〜!! 」

と声を上げながら階段を降り、

玄関ドアをあける。

やっぱり、

クラブの仲間E。

「 ちょっと待てよ 」。

といい、

Eを玄関前に残したまま、

自宅の周りをちょっと歩いてみる。

すると、

1つ目の曲がり角のところに、

クスクス笑いをこらえながら、

順番を待っているかのような、

ラグビー部の仲間14名が、

2列になって待機していた。

「 なんやねん、お前ら〜〜!!(笑) 」

と、集団にツッコミを入れると、

「 あ〜、なんで気づくねん!!」

「 1人づつ、もてなしてくれよ〜!!」

と残念な顔をみんなしている。

どうやら、計画的犯行のようだ。


「 せっかく来てんから、とりあえず上がらせてえな〜 」

と、ゾロゾロとみんなが私の家に歩いて向かう。

「 ちょいちょいちょいちょい・・・」。

自分の家にこんなにたくさんの人を入れたことは、

人生で一度もない。

私を入れて合計20名。

ラグビー部3年生全員。

私の部屋は六畳一間。

とりあえず、チャレンジしてみた。

まず、玄関に靴が並び切らない。

気にせずゾロゾロと家の中に入っていく。

テレビで見たことのある、家宅捜索のよう。

結果、

なんとか全員入ることは出来なのだが、

とんでもなく、蜜状態。

しかも男臭い。

満員御礼。

その状態で2時間ほど会話をしていた。

「 結局、いつもとおんなじ感じやな〜!! 」

とみんなで笑い合った。

せっかくの休みなのに、

いつもと同じ顔ぶれで過ごすことになってしまった、

急な休みの1日の懐かしい思い出。

ふと、思い出した。

あの頃は楽しかったな。


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