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大学院進学を諦め、会社勤めになったものの諦めきれず、会社を辞めて半年間モスクワに留学。…

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大学院進学を諦め、会社勤めになったものの諦めきれず、会社を辞めて半年間モスクワに留学。 うまくいけば、9月から再びモスクワに行けます。たぶん ソ連に興味があったはずが、いつの間にかロシアそのものに興味の片足を突っ込んだ28歳

最近の記事

わたしの本棚⑥

 連続投稿チャレンジも、いよいよ6日目を迎えました。実はあまり漫画は持っていないのですが、⑥漫画関連から三つ紹介したいと思います。 ①小西明日翔『来世は他人がいい』(講談社)  私はpixiv時代からこの方の漫画を追いかけておりました。絵柄、セリフのチョイス、ストーリー展開いずれも大好きです。癖の強い登場人物がくせになる漫画ですので、ぜひ読んでいただければ幸いです。現在、唯一集めている単行本かもしれません。  ただ、最近無期限休載が決まりましたので、完結作品がお好きな方に

    • わたしの本棚⑤

       連続投稿チャレンジも、いよいよ5日目に入りました。継続できていることがうれしいです。本日は、⑤その他ジャンルから三冊ご紹介させていただきます。 ①ヴィクトール・E・フランクル『夜と霧』(みすず書房)  人生のバイブルです。この人が、この世の地獄を、人間の残酷さを見ざるを得なかったこの人が、「それでも人生にイエスという」なら、私はきっとこれから先、何があっても強く生きていける、と思いました。人生に絶望することなく、生かされているこの人生に何を期待されているのか考えながら、

      • わたしの本棚④

        三日坊主はとりあえず脱出できたということで。 ④エッセー関連から、三冊本をご紹介したいと思います。 ①荒井裕樹『まとまらない言葉を生きる』(柏書房)  誠実さに貫かれた言葉に触れる時、表現できない感動を覚えます。そしてそのような「大切に紡がれた」言葉は、相手を傷つけるのではなく、相手の心にそっと届くような気がします。人間を人間たらしめているのは「言葉」だと思うので、それを大切にしなくなれば、言葉とともに育った知性や理性もともに失われるのではないかと、個人的には思っていま

        • わたしの本棚③

           一週間連続投稿チャレンジ三日目に入りました。毎日書くって大変ですね…。本日は、③小説関連について、三冊ご紹介させていただければと思います。 ①レイ・ブラッドベリ『華氏451度』(ハヤカワ文庫SF)  現代に通じる風刺的な部分とか、登場人物の魅力であるとか、この本の魅力を語り出したら止まらなくなるのですが、最も好きな点は、本に貫かれた、人間に対する「希望」だと思っています。私が人間を好きな理由の一つが、「たとえ死んでも、存在を残せる」という部分です。文字にして、絵にして、

        わたしの本棚⑥

          わたしの本棚②

           連続投稿チャレンジ二日目。というわけで、先日述べた計画に沿って、本日は②その他の国の歴史関連の本を自分の本棚から紹介させていただこうと思います。 ①林志弦『犠牲者意識ナショナリズム』(東洋経済新報社)  世界で最初に原爆が投下された街の人間として平和教育を受ける中で、私が抱き続けたひとつの大きな言語化できない違和感が腑に落ちた本でした。私が受けた平和教育に欠けていたのは、「そもそも侵略戦争を始めたのは日本であり、非人道的な行いをしていたこと」という点でした。「犠牲者」と

          わたしの本棚②

          わたしの本棚①

           いつも自分の書きたいことを書き散らしてばかりなので、たまにはええんちゃうかと思い企画に参加してみることにしました。目標としては、一週間連続投稿で本棚の本を紹介すること、を掲げようと思います。  本棚をお見せするのは、実を言うとちょっと恥ずかしいです。なんだろう、その本を買う時に考えていたこととか、悩みとか、そういう心の機微みたいなものをお見せするような感覚でしょうか。ふふ  私は基本的に雑食でジャンル問わずなんでも読みますので、せっかくなのでジャンル別でご紹介をしていこ

          わたしの本棚①

          モスクワの「原爆バー」

           ようやく気持ちの整理、というか頭の整理ができたので。  私はテレグラム(ロシア版ラインのようなアプリ)で、日本人とロシア人が交流するグループに参加させていただいている。モスクワで開催される日本関連のイベントや日本料理のお店を紹介したり、オフ会をして互いに言語・文化交流をしたり、モスクワにいる間は大変お世話になっていた。  先日、最近、モスクワに「Hiroshima, mon amour」というバーができた、行ってきた、という投稿をしたロシア人の女の子がいた。写真付きの投

          モスクワの「原爆バー」

          故郷にて⑧

           ずいぶんと遠いところに来たな、と思った。 距離ではなく、時間で。  今日、入社一年目の時によく通っていた場所を訪れた。3年ぶりくらいである。知っている顔を何人も見かけたが、あいさつはせずそっと遠くから眺めた。みんな年をとったように感じた。不思議である。たったの3年、されど3年。変化するには十分な時間だった。  入社したての、右も左も何もわからず、先輩の言うこと、上の言うことは絶対だと精神的にたたかれながら、周りに味方などいないと思っていたあの頃、この場所が唯一の癒しだっ

          故郷にて⑧

          故郷にて⑦

           私は宗教が嫌いです。神も仏もいないと思っているから。 でも、あると信じる人たちが作り上げてきた文化や芸術は好きです。それは人間の営みの一部だから。  モスクワで、結構「宗教」と接する機会がありました。最も仲良くしてくれたロシア人がルーテル派のキリスト教徒でしたし、インド人は当然イスラム教でした。韓国人の友人もクリスチャンでした。もちろん、無宗教の人もたくさんいました。ただ、日本よりもこういった「宗教」に触れる機会が多かったように感じます。  仲のいいロシア人(ルーテル派

          故郷にて⑦

          故郷にて⑥

           モスクワに留学してすぐのころ、友人に赤さんが生まれた。 今日、初めてその子に会ってきた。  赤さんはかわいい。泣いていても、とてもかわいい。 今日、気が付いたら5時間も友人の家で赤さんと触れ合っていた。もちろん、途中寝ていた時間もあったけれども、彼女はよく泣いて、よく笑って、お腹いっぱいになったら眠っていた。本当にかわいかった。手も、足も、全部が小さくて暖かくて柔らかくて尊かった。  まだうまく動かせない両手両足を使って懸命に動こうとしていたし(うつ伏せから動けなくなっ

          故郷にて⑥

          故郷にて⑤

           コロナワクチンの副作用で、37度5分の熱が出た。半日寝込む。  以前すい臓の手術をした時、ベットでただ時を過ごす時間がただただつらかったことがある。それは、体を思うように動かせない自分へのいらだちであり、頭がうまく働かない自分へのいらだちでもあった。今思うと、手術したての自分に対してあまりにも鞭打っていたな、と反省しきりである。  自分に優しくすることが、こうも難しい。 甘やかすのは、得意なくせに。  「自分を甘やかすこと」と「自分に優しくすること」の区別がいまだにつ

          故郷にて⑤

          故郷にて④

           5回目のコロナワクチンを受けた。  今日、ロシア人の友人と、日本人とロシア人のメンタリティについて少し話をした。日本人の間には条文化されていないルールがあり、時にルールよりもその場の雰囲気が重要視されることなどを説明した。興味深そうに聞いてくれた。  ロシア人の場合、「自分の特にならないルールは基本的に無視する」らしい。これはモスクワで確かにひしひしと感じていたことではある。行儀良くはないが、非常に自由で、時にうらやましく思う。それに、モスクワでは、無秩序な感じは全くし

          故郷にて④

          故郷にて③

           ロシア語の勉強に加えて、英語の勉強も始めることにした。なけなしの金をはたいて「中学英文法を修了するドリル」を購入した。まだ開いていないが、今晩にも始めようと決めている。  基本的に、『他言語』取得が非常に苦手である。これは大学受験、大学を通じて痛感したことなのだが、どうにも他国の言語が身につかない。自分の勉強方法がまずかったのか、そもそも言語取得の才能がないのか判然としないが、いずれにせよ必死に勉強した英語は全く点数が伸びなかったし、現在ほとんど忘れてしまった。  いつ

          故郷にて③

          故郷にて②

           今日、おばと話をした。いろんな話。私の将来の話や、元職場の話や、家族の話。少し気になることを話していたので、残しておきたいと思う。  おばは、小学校に勤めている。 二分の一成人式で、子どもたちに将来の夢を聞いたところ、こんな返答ばかりだったという。  「特にない」 「楽ができればそれでいい」  愕然とした。 楽ができればそれでいい、とはなんだ。特にないってなんだ。どうなってるんだ。どういうことなんだ。10歳の子どもが言うセリフがこれってどうなんだろうか。  いやもち

          故郷にて②

          モスクワの記憶②

           先日、高校以来の友人と食事をした。彼女とはもうずいぶん長い付き合いになった。12年くらいだろうか。頻繁に会っていたわけではないし、連絡もさほどとっていなかった。モスクワ留学もラインで報告したのみだったし、私の感覚の中では疎遠な方の友達だった。彼女は最近彼氏と同棲を始め、近々入籍予定とのことだった。縁もたけなわになったころ、彼女は私にこう言った。「もしよければ、証人の欄に名前を書いてほしい」。  めちゃくちゃ驚いた。なぜ私が、という思いが強かったけれど、それ以上にうれしかっ

          モスクワの記憶②

          モスクワの記憶①

           帰国後、若干のうつ状態。 朝起きると、自分のいる場所に気が付いて、自分が背負う借金や将来への不安で胸が苦しくなる。 夢は終わり、現実が待っている。自分は無職で、貯金はなく、代わりに借金がある。  それでも、行かない方がよかったなんて思えない。本当に行ってよかった。会社を辞めたことを後悔していない。友人が私に言った通り、きっかけがなければだらだら続けていたかもしれない、自分の心に毒をため込みながら。  モスクワで驚いたのは、地下鉄や銀行の便利さ。公共交通機関が安い。一度6

          モスクワの記憶①